読書記録(1)




いつか必ず死ぬのになぜ君は生きるのか 立花隆 ★★★

これまでに出版された立花隆氏の本から短いフレーズを引用しただけの本。立花氏が亡くなられたあと、編集者が寄せ集めで作っている。
正直ハズレ感が強い印象だが、唯一下記の部分が書かれている本はは、まだ読んでいなかったし、生きていく上での大事な言葉でもあったので、kindleで注文した。
a.137「〜終わりがあるマラソンと違って終わりがない「人生」というランニングの場合、常にトップ集団の中にい続けるなんてことはできない相談である。とするなら、永遠のトップ集団内自己維持願望をどこかで捨てて、あとは好き勝手に脱線することを楽しむ人生に切り替えるべきだろう。
 だいたい、いわゆる「勝ち組」「負け組」という分類法は間違いである。「社会的成功ゲームの勝ち組・負け組」と「人生の勝ち組・負け組」は一致しないどころか、実はしばしば相反する。〜」
(2024/9/16)

最後に語り伝えたいこと 大江健三郎との対話と長崎大学の講演 立花隆 ★★★★

第一部と第二部による構成。第一部は@長崎大学での講演 A引き上げ体験と芸術に見た戦争について Bデジタルミュージアム構想。
第二部はノーベル文学賞受賞作家の大江健三郎氏との対談だが、いまいちかみ合ってない印象。ただ、予定調和的に相手となあなあの対談よりはよほどいい。立花隆氏はそういう忖度をせず、ズバズバ考えていることを述べる点に救われている気がする。
(2024/9/13)

考える技術・書く技術 バーバラ ミント, Barbara Minto他 ★★★

ピンと来るものがないので、読むのは途中で中止。ピラミッド構造、だけなら冒頭の数ページで理解可能では。
(2024/6/19)

本屋、はじめました 増補版 (ちくま文庫) 辻山良雄 ★★★★

書店開業のノウハウが詰まっている本。ただ、やはり現代において書店を開業し継続していくにはかなり難しいこともわかる。著者が大きなブックチェーンに勤められていたからできたこともあるだろう。
(2024/7/27)

それでも、日本人は「戦争」を選んだ 加藤陽子 ★★★★

進学校の中学・高校歴史部の生徒たちに講義をしながら歴史の細かい点からどういうことが読み取れるか、考え方など歴史学の神髄を味わえる。お盆もクリスマスも国会図書館でマイクロフィルムを調査して歴史の研究をしている、と言われる納得感は、歴史事実のディテールの細かさによるものか。
(2024/8/16)

さあ、本屋をはじめよう 町の書店の新しい可能性 和氣正幸 ★★★

著者は以前勤めていた会社にいた和氣君。彼がいよいよ本を出したのかと思ったら、すでに何冊か同じテーマで出している。今週はNHKの本に関するニュースでもインタビュー形式でテレビに出たらしい。脱サラし夢を追いかけ、このジャンルでの第一人者になるかもしれない。いつか会いに行こうかな。しかし、内容からすると、少し高い(2000円)印象。それも伝えたい(笑)
(2024/7/24)

マグマ 真山仁  ★★★

地熱発電をテーマに、ファンドが関わる話。地熱よりも、原発がやはり利権まみれなのかが気になる。初版発行: 2006年2月
(2024/7/24)

生きがいの創造[実践編] 飯田史彦 ★★★★

飯田氏の考え、活動をもっと知りたいので購入した本。単純なスピリチュアル関係のことが書かれているのではなく、ある程度納得できる論理性を含めて書かれている。
p.688 人生では、「自分が発した感情や言動が、めぐり巡って自分に返ってくる」という「因果関係の法則」が働いている。
P.689 因果関係の法則は、完全なる正義である。そこには交渉の余地などなく、金や権力や地位などによって、人間に序列をつけることもない。結果は常に直接的で、原因から生まれたものであり、よい結果が出ることもあれば、悪い結果が〜
(2024/7/18)
ほんとうの心の力 中村天風 ★★★

1日に1題目読む前提で作られている? 
構成の問題もあるのだろうが、内容が浅い印象。
(2024/7/17)
ツインソウル 完全版(『教授の恋』収録) 飯田史彦 ★★★★

飯田氏が実際脳出血で経験したことを小説にしたもの。参考になること多し。
(2024/7/11)
運命を拓く 天風瞑想録 中村天風  ★★★★

天風氏の本は2冊め。稲盛氏や松下幸之助氏も造詣があったとのことで購入。生き方について少し立ち位置が違うけれど、根底にあるものは共感できる。
(2024/7/9)
わたしを離さないで カズオ・イシグロ,土屋政雄他  ★★★★

イギリスにこんな事実があったのか? と思ってしまう題材。臓器移植用の人が育てられていた?
(2024/7/2)


働くということ「能力主義」を超えて(集英社新書) 勅使川原真衣  ★★★

中身はいいとして、とにかく文章が読みにくい。
文章表現がまわりくどく読みにくい。なぜ、こんな言い回しをされるのか、と思う箇所多数。
もっとわかりやすい表現があると思うのだが。
このことをXでポストしたら、ご本人から「すみません」と書き込みがあったので恐縮した次第。
ちなみに著者は東大院卒"。
(2024/7/1)
生きがいの創造[完全版] 飯田史彦 ★★★★★

濱ちゃんに薦められて、探していたが見つからず、偶然別府のイトーヨーカ堂で見つけた。非常にためになる話。1000ページ弱ある分厚い文庫本だが、死生観、人生観が少し変わる内容。意義深い。
(2024/6/28)
日本鉄道廃線史(中公新書) 小牟田哲彦 ★★★★

鉄道廃線、もしくは廃止の話が出ている社会情勢も含めて書かれた本。
(2024/6/22)
マネジメントへの挑戦 復刻版 一倉定 ★★★

ビジネス名著、とのことで読了。基本的には王道をきちんと実行するべき、ということか。
(2024/6/18)
思考は現実化する【携帯版】 ナポレオン・ヒル(著),田中孝顕(著) ★★★

鉄鋼王カーネギーが大金持ちになるしくみを書いた本、とのこと。基本的には精神論の部分が大きいが、ためになったのは「目標を達成するために、捨てられるものがあるか」 わかりきってることだが、大きな目標達成には犠牲になるものもある。
(2024.6)
・「失敗の本質」より ★★★

日本軍は環境に適合しすぎて失敗したのではないか。
進化論では恐竜の絶滅について、裸子植物を食べるために機能的にも形態的にも徹底的に適応したが、適応しすぎて特殊化し、ちょっとした気候、水陸の分布、食物の変化に再適応できなった、とのこと。
「適応は適応能力を締め出す」

・情緒的判断や責任の不明確さ。空気で決まる意思決定。
これを読んでいると、いまの日本の組織は大東亜戦争時代から全然進化してないんじゃないかと思ってしまう。
(2024.5)
なぜ働いていると本が読めなくなるのか 三宅香帆 ★★★★★

週プレニュースのインタビュー

(2024.4)

疑う力 真山仁 ★★★★★

慶應丸の内シティキャンパス(慶應義塾の社会人教育機関)でのやりとりをベースに真山氏が解説を述べている内容。
題材は資本主義やエネルギー問題、戦争関係など実社会で起こっている実践的な内容をベースに議論されているので、とても参考になる。
理想論や啓蒙思想ではなく、どうすれば日本の社会が良くなるかという視点は一貫しているので、そういう点で頭の整理をするのにも役立つ内容と感じた。
(2024.4)
自分の仕事をつくる 西村佳哲 ★★★

著者は建築家を経てデザイナー。ここに登場する方々も、デザイナーや個人でものづくりをされている方などクリエイティブな仕事をされている、世間から見ると「少し特殊な仕事をしている」人々。(パタゴニアという、これも世界から見ると特異な会社に勤める方の話もあるが)
本の帯には「仕事に悩むすべての人に読んでほしい」と書かれているが、仕事の悩みは人それぞれで内容も様々。この本に登場する人のインタビューや著者の考え方は、一部の「特殊な仕事」をされてる方々、またはその方面をめざす方向け、と捉えた方がいいと感じた。
もっと正直に言えば、組織に所属している人が、ここに書かれているエッセンスを職場に持ち帰って実現するのは、かなり困難だと思われる。
(2024.4)
希望のレール 若桜鉄道の「地域活性化装置」への挑戦 山田和昭
★★★★
ITの会社を辞めて鳥取県の若桜鉄道社長に就任した山田氏の挑戦について書かれた本。
山田氏は若桜鉄道に来る前に、由利高原鉄道でwebサイト構築や鉄道事業の仕事に携わっていた。その経験を活かして、若桜鉄道が社長を公募した際に応募したとのこと。
地方の第三セクター鉄道企業を運営していく上で山田氏の活発な施策が詳しく書かれている。アイデアマンであり行動力のある人。
ただし、本としてはおそらくゴーストライターが書かれたと思うが「読みやすすぎる」。よって、山田氏がきっと大変苦労されたと思われる裏側の話や感情のようなものは見えてこない。
社長奮闘記としては面白いが、キャリア視点で見ると少し物足りなさを感じる。
(2024/4/4)
★の評価なし

べつに仕事をサボる理由を探すために、坂口安吾の「堕落論」を読み始めたわけではなかった。
この本には堕落論をはじめ、日本文化私観など12編が収められている。いずれも昭和17年から21年頃まで、太平洋戦争のさなか、もしくはその直後に書かれたものだが、あの時代にこういうことを言う人がいたというのは新しい発見だった。「堕落論」もさることながら、おもしろいと感じたのは「続堕落論」の方。これほど激烈な文章を読んだのは久しぶりのこと。内容よりも文章に惹かれてしまった。
ルワンダ中央銀行総裁日記 (中公新書) 服部正也 ★★★★

1965年から70年にかけての話。
いまの時代、このような仕事のしかたをする人がいるだろうか。
仕事観について考えさせられる内容。そのようなものは時代はあまり関係ない。
(2021/10)

砂の女 安部公房 ★★★★★

安部公房の名作。教師だった主人公が砂丘の街に。
そこで経験する奇妙な物語。
(2021/10)


出世しなくても、幸せに働けます 中村龍太 ★★★★

脱サラして複数の仕事をこなして生きていく方法を書かれた本。
大卒後にNECに就職後、マイクロソフトに転職されたが、壁に当たったことにより人生の価値を見直し、サイボウズに転職されたので純粋な脱サラではない。
ただ、週4日勤務前提で給料は半額になったらしい。それを補うべく、自らいろんな「複業」で生計を立てておられる。
家族がいてもこのような選択肢があると、新しい人生を踏み出すことを考えさせてくれる本。
(2021/10)


宇宙からの帰還 立花隆 ★★★★★

初出は1981年の中央公論。
アメリカの複数の宇宙飛行士にインタビューした内容だが、今も色あせない内容。
というのも、宇宙飛行士が宇宙に行って人生観が変わったか、またその後の人生をどのように歩んだかというドキュメンタリーで、この切り口がいかにも立花氏。

宇宙飛行士になれるのは体力的にも知能も、そして精神面でも特別な人だけだが、人生の展開は人それぞれで、立花氏の読み解き方がとてもおもしろい。

(2021/7/26)

 
死はこわくない 立花隆 ★★★★

立花氏が75歳のときに書かれた本。
癌を経験されたことと、その前に臨死体験の取材をされて、死を恐れなくなったのだろう。これはふつうの人にはわからない感覚で、ほとんどの人は元気なときは「まあ、いつかは死ぬのだし、寝たきりで介護されるくらいなら周りの人に迷惑掛けずにあっさり死にたいなあ」ぐらいの考えだと思う。
しかし、自分が重病を経験したり家族や親しい人が亡くなる経験をした直後は、やはり死を素直に受け入れることは難しいだろう。ましてや、直近で自分が死ぬ運命という仮定さえも遠ざけるだろう。

(2021/6/23)
   生き方 稲盛和夫 ★★★★★

稲盛氏のベストセラー。
細かい部分では現代社会に合わない部分もあるが、それはスルーすればいい。全体としては、仕事への向き合い方や、仕事に関係なく心の持ち様など、生きていくにあたり大切なことがたくさん詰まっている。