スマートな一生懸命

 基本的に、何に対してでも人の一生懸命な姿というのは、素敵なものだ。人はなにかにつけ、理由をこじつけて手を抜こうとする。
 しかし、これも仕事などが絡んでくると、純粋に素敵とは思えないことがある。
 我々は、生活の中で、多々、チームワークというものを求められることがある。そういう場面では、誰か一人ががんばったらよいというものではなく、もちろん、自分だけががんばればいい、というものでもない。一生懸命な人がいることは、喜ばしいことなんだけど、僕は、ときに、なにかひっかかるものを感じることがある。
 それは、その人の「一生懸命さ」が、なんとなく押し付けがましく映ってしまうのだ。「俺はこんなにやってんだから、てめえもそれ相応のことしろよ」なんてことを思ってるわけではないんだろうけど、でもなんとなく、そんなふうに感じてしまう、という人がいることは事実だ。
 その反面、とてもスマートに繁忙な仕事をこなす人がいる。そういう人のがんばりは、結果を見ないとわからないのだが、
「こんな大変なことを、あんなに落ち着いてスマートにこなしてたのか」とホレボレしてしまうのだ。
 基本的に、と付け加えたのは、こういうことだ。
 僕は、できるだけ「一生懸命」を、スマートにこなすような人間になりたい。