記録の保存



 初めは「記録」などという、おおそれたことは考えもせず、ただ走っていない国道をひたすら追いかけていた。当時愛用していたシステム手帖に、走った国道とその区間、完走した場合は印をつけて、適宜表を書き直していた程度だったが、走破区間が多くなるにつれ、管理するのが大変になり、またその走破状況をビジュアルに表してみたくなった。地図をコピーして、そこに走った国道を蛍光ペンでなぞることを考えたのだが、なかなかいい地図が見つからない。国道だけを表示しているという都合のいい地図などなかった。一般にはそんなものは必要ないから仕方がないが。いろいろ探してみて、JAFの「高速道路地図」が目的にいちばん近く、縮尺も適当だったのでこれをコピーし、しばらくはこれとシステム手帖を併用していた。
 就職してパソコンを使うようになってから、「これは便利」と、まずシステム手帖の表をこちらに変えることにした。パソコンの利点は、訂正・挿入・削除が容易なことだ。その後、道路時刻表との出会いと表計算機能の利点を生かし、管理データはけっこうな量になった。
 現在、データ類は表計算ソフトの“エクセル”で管理している。具体的には、まず毎年出る道路時刻表でデータを入力・修正し、その元データに対応させて走行区間と距離を記録している。それと並行して、地図ソフト「Map Fan」からプリントアウトした国道地図に赤鉛筆でトレースしたオリジナルマップを作成し、走破計画の作成に利用している。
 いっぽう、途中から始めたことだが、走行時に写真も撮っており、これはルートナンバーが明記されている看板類の写真1枚と、その道路の風景写真1枚の2枚一組で、道路ごとにアルバムに整理している。写真は形式にとらわれず、自由に撮影している。いまになって、学生時代の北海道放浪や九州旅行に写真をもっと撮っておけばよかったと後悔している。当時はこのようにシステマティックには考えずに、ただ思いつくままに走っていただけだったから、所々での写真しかない。ひじょうに残念だけれど、いずれまた行くつもりである。それこそいつのことかわからないけれど。
 そして、これも途中からやり始めたことだが、旅行ごとに雑感をワードプロセッサに書き連ね、費用なども加えている。簡単な旅日記程度のメモは書いていたが、現在は視点を「国道走破」におき、文章化して残している。自分の足跡だし、次の計画を立てる際にもおおいに役立つ。
(98/9/13記)