国道奔走記〜富士五湖周遊

<国道139号 富士インター〜北山インター>
 夏休み家族旅行第2弾。今回は富士山周辺である。
 スタートは東名富士インター。ここに接続する西富士有料道路は、国道139号の一部である。東名は、夏休み真っ盛りとあって、愛知県の三好インター付近で渋滞があり、ここ富士インターに着いたのは、15時30頃だった。
西富士道路は約7qで一般道に接続する。指定区間になっている139号は交通量も多く、4車線道路にもかかわらず、なかなか前に進めない。周りはトラックが中心だ。
 しばらく富士宮の市街を走ったあと、以前の有料道路区間が始まってすぐの北山インターで降りる。ここからは国道469号で御殿場へ向かう。富士の頂上付近がわずかに雲間からかいま見られた。

<国道469号 富士宮市北山インター〜御殿場市>
 469号は富士山麓を東西に走る道路であるが、そのロケーションからそれなりの交通量と道路状態を想像していたが、実際は交通量も少なく、道路も改良途上であった。所々、整備された広い道路が現れたかと思うと、再び森の中の狭隘路となる繰り返し。
 夕立が通り過ぎた後なのか、アスファルトはあたり一面が濡れており、窓を開けると流れ込んできた雨上がりの湿った空気がそれを感じさせた。富士山は、7合目あたりより上が雲に隠れており、その秀麗な全貌を眺めることができない。まあ、3日間もいれば、一度は拝むことができるだろう。
 富士サファリがある裾野市までくると、道はかなり良くなる。観光スポットが多く、クルマの量もそれ相応に多くなった。このサファリは明日訪れる予定だ。
 ここから御殿場までの途中に、自衛隊の演習場がある。あたりは草原で気分も爽快だ。北海道を思い起こさせる広々としたところだが、時折戦車が通過するらしい。そういうハプニングを期待したが、残念ながら戦車は影も形もなかった。この日は演習を行っていなかったようだ。

東富士五湖有料道路の須走料金所

<国道138号 御殿場市〜山中湖村>
 御殿場市の国道138号に合流し、469号は御殿場市街の中心部で終点である。
 この138号は完走しており、市街地へ向かうことなく山中湖をめざす。また雨が降ってきた。空は晴れているので、道路の反射がやけに眩しい。クルマを停めるスペースがあれば写真を撮りたいところだが、残念ながらそういう適度なスペースは見つからなかった。
 山中湖へは東富士五湖有料道路を使うことにした。須走料金所を過ぎ、どんどん標高を上げていく。トンネルに入る。篭坂トンネルだ。出るといきなり視界を奪われる大雨。ライトを消さずに慎重に進む。山中湖インターに着く頃には雨はほとんどあがった。トンネルを出てこの間わずか3分ほど。いわゆるスコールだ。
 17時30分、明るいうちに着いた。長旅だったので、今日は早めに宿で体を休めることにし、予約してある会社の保養所へ向かった。。

国道139号 上九一色村 青木ヶ原樹海が広がる

<国道138号山中湖村〜国道139号富士宮市>
 翌日、まず山中湖の近くにある、花の都公園清流の里に寄った。花がきれいだったが、突然の雨が降ってきて、急いでクルマに戻る。しばらくして雨はやんだが、息子の機嫌もあまり良くないので、クルマで走ることにした。
 国道138号で富士吉田へ。延々渋滞が続く。これなら有料を使った方がよかった。晴れてきたが、相変わらず富士山は見えない。
 富士吉田から国道139号で、まずは鳴沢氷穴へ。富士山の周辺には大小さまざまな洞窟があるらしく、この河口湖の西にある鳴沢氷穴もそのひとつで、文字通り真夏でも氷の塊が見られる。洞窟はそれほど奥に深いわけでもないが、途中かなり狭い場所があり、足下もしめっているので子供を抱きかかえて歩くには少し注意が必要だ。さすがに氷がある場所は寒く、半袖Tシャツでは長居はできない。
 汗もひいたところで再び走る。青木ヶ原樹海が見えると上九一色村。精進湖のそばを過ぎ、本栖湖の看板が見える頃に、再び大雨に見舞われた。今日は晴れと大雨の繰り返しだ。
峠を越えることなく山梨県から静岡県にはいる。青々とした高原が広がる。朝霧高原だ。レストハウスがあったので、ここで昼食。土曜日なので、観光客でごった返している。
 少し休憩したのち、139号を南下する。白糸の滝へ向かう交差点付近から、道幅が広がる。以前の有料区間だ。北山インターで再び496号へ。昨日から今日にかけて、富士山のまわりをぐるっと一周してきたわけだ。

富士サファリパーク

<富士宮市〜山中湖村>
 サファリへ寄ることは決めていたが、そこへの最短路は昨日通った469号。同じ道を走っても面白くないので、富士山スカイラインと南富士エバーグリーンラインを使うことにした。
 相変わらずガスがかかっており、富士の雄姿は隠れたまま。
サファリを楽しんだあと、昨日通った469号を再度御殿場へ向かう。
 国道138号を、今日は一般道のほうへ。ヘアピンが続くが、指定区間でもある138号は、道幅が十分確保されている。静岡県と山梨県の県境を越え、山中湖村へ下っていくのだが、山中湖が標高1000m近くあり、下る距離は短い。森の中へ入っていき、別荘やおしゃれな美術館が立ち並ぶようになると、湖は近い。この雰囲気だけでも一般道を選ぶ価値アリ、というところか。

国道469号 裾野市の自衛隊東富士演習場。 信州のような風景が展開している。

<国道137号 富士吉田市〜国道20号小淵沢町>
 3日目、曇り。やはり富士山は見えない。
 湖畔でカフェの後、昨日の渋滞に辟易し、有料で富士吉田へ。
 国道137号にはいると、市内で大きな鳥居をくぐり、さらに商店街の中をゆっくりと進む。華らかな雰囲気が感じられたと思ったら、河口湖。標高が800m台のはずだが、さすがに昼間は暑い。
 土産物を買い込み、甲府へ向かうことにする。富士吉田市内と湖畔は狭い道路だった137号は、河口湖を越えると車線幅も広がり走りやすくなる。ぐんぐん高度を上げ、御坂峠に挑む。
長いトンネルを越えると、ひたすら下り坂が続く。対向車線は延々と登坂車線が続いてる。河口湖と甲府盆地との標高差をあらためて感じる。ここ御坂町は桃の産地。沿道にはあちこちに、桃狩り園があり、時間があるなら寄ってみたいところだ。
 信号もなく、アクセルも踏まず、快適なドライブを続けて町に降りてきた。中央道の一宮御坂I.Cを過ぎ、ほどなく国道20号線と合流して137号は完走。
 4車線の甲府バイパスを走る。甲府市街を過ぎると、対面通行の2車線に。 所々、仮設トイレを設けた休憩所があるのは助かる。韮崎の川沿いでもそのようなパーキングを見つけ、休憩をかねて立ち寄る。子供を河川敷で遊ばせた。うだるような暑さだが、退屈していた子供は大喜び。つくづく子供は元気だと思った。
 昼食を、と思って走っていたが、適度な店が見つからない。ここまではファミレス等がいくらでもあったのに。
 結局ランチはおあずけのまま小淵沢。この先の20号は走ったことがあるので中央道の小淵沢インターへ。八ヶ岳は、やはり雲に隠れていた。

国道137号御坂峠 料金所があったと思われるトンネル甲府側

<御坂峠について>
 富士五湖と甲府盆地を結ぶ国道137号の新御坂トンネルは、昭和42年4月に開通。長さが2778m、標高は1020mで、当初は有料だったが、現在は無料である。
 御坂峠では、太宰治が「富士には月見草がよく似あふ」と詠んだ『富獄百景』を執筆した天下茶屋が有名だが、これは旧道沿いで新御坂トンネルはそれよりもかなり西側を通る。旧道はその天下茶屋を経由し、昭和7年開通の御坂トンネルで峠を越えるが、こちらは標高が新道より約300m高く、その分ヘアピンカーブも多く、道も狭隘路である。

総走行距離:1,118q
ガソリン消費量:94.8g
燃費:11.8q/g

今回の走破距離:188q
累計走破距離:27,957q

(旅行日 '99/8/6〜8)