国道奔走記〜浜松あたり

 会社の電子メールで、奥浜名湖の三ヶ日町で花火大会があり、部屋から観覧できる契約保養所の空き室がある、という内容のメールがはいってきた。契約しているホテルなので安く泊まれるし、花火も長い間見てなかったので、久しぶり、これを機会に家族で旅行することにした。
 浜名湖は過去何度が訪れているが、湖の東隣、浜松の周辺には走っていない国道が何カ所か残っている。これ幸いと地図を眺めてみると、まず東名の浜松インターに近いところで国道152号。これに絡めて国道362号。帰りは301号の未走区間が走れそうだ。もちろん、国道を走ってばかりいると妻からクレームが出るので、走破ルート周辺の観光地も洗い出す。いつも走ってばかりなので、たまには観光もいいか。

国道152号 天竜市の船明トンネルにて 息子と

<国道152号 浜松〜秋葉ダム>
 家を出て、途中息子の散歩などの休憩を含めて、約3時間半で浜松インターに着いた。インターを出てさっそく国道152号へ。152号を走るのは初めてだ。インターを降りて県道を数q走った場所が始点。この県道と国道1号、152号が交わる立体交差の交差点で、じつに効率がよい。152号は浜松市の中心部へ向かう。途中、ファミリーレストランを見つけ、ちょうど12時なので寄ることにする。まもなく2歳になろうかという子供を連れて食事するには、ファミレスが最適だ。
 1時間後、再び152号を走り始める。この道は、浜松から長野県の上田を結ぶ国道だが、途中の通行不能な場所が2箇所ある。今回は、とりあえず国道362号の交差点より少し北の、秋葉ダム付近まで行こうと思う。そこから引き返し、国道362号で三ヶ日町のホテルへ向かう算段。
 混雑する市内を西進し、国道257号との交差点で152号は右折。市役所があり、さすがに広々とした道で、よく整備されている。しばらく郊外道路のような4車線の道を北上する。

国道152号にあった電話ボックス

 浜北市にはいると、152号は二手に分かれる。数q先で再び合流するのだが、ここは広くて走りやすいバイパスを選ぶ。直進だ。右折すると旧道。しばらく走って旧道に突き当たる。その向こうには遠州鉄道の赤い電車が通り過ぎていった。
 旧道は対面通行の細い道。天竜川を渡る橋は古いが立派なトラス橋。天竜市街を抜けると左手にダムが広がった。船明ダムである。道は適度なコーナーが続き、快晴も伴って快適なドライブだ。息子もご機嫌である。
 秋葉神社へ抜ける県道との三叉路を過ぎると、急に道が狭くなった。センターラインも所々途切れる。やがて、壮大なダムが見えてきた。秋葉ダムである。梅雨で水量が多いためか、大規模な放水を見ることができた。

秋葉ダムでは豪快な放水が行われていた。

 少し観光を、と思い、秋葉神社へ行くことにした。そのための県道が、なんとトンネルの中で分岐する。「トンネルのなかに交差点があるなんて、初めてだな」と最初は感心して通り過ぎたが、神社への道がその道だと気づかず行き過ぎてしまったが、地図をよく見ると、たしかに国道152号のトンネルの中から分岐している。信号も看板もないので、よそ者には知っていないと気がつかないだろう。
 さて神社で参拝を、と思ったのだが、息子は寝てしまっていた。起こすのもかわいそうなので、クルマを降りずに下山。やれやれ。
 
<国道362号 天竜市〜三ヶ日町>
 先ほど通った152号を戻る。天竜川を越えると、ほどなく国道362号が分かれる三叉路。その362号を三ヶ日方面に右折する。息子が起きたので、どこか遊ぶ場所を、と思い地図を眺めると、近くに浜北森林公園という文字を見つけたので、さっそく行ってみる。けっこう大きな公園で、散歩にはちょうどよさそうだ。アスレチックがあったので、子供を遊ばせる。ずっとクルマに乗りっぱなしではかわいそうだ。
 30分ほど遊び、16時を過ぎて蚊も出てきたので、今日の宿泊地である三ヶ日町のホテルへ向かうことにした。
 国道362号はしばらく単調な道が続く。細江町では夏祭りが行われていた。やがて浜名湖が見えてきた。東名の高架下をくぐり、交差点を左折すると有料道路のレークサイドウェイ。今夜宿泊する奥浜名湖ホテルは、この終点にある。

今回宿泊した奥浜名湖ホテル

<国道1号潮見バイパスと301号で愛知県新城市へ>
 夜の花火大会は、ホテルの目の前で行われた。おかげで前半は湖畔で、後半はクーラーの効いた部屋でと、ずいぶん贅沢な花火観覧を楽しんだ。
 翌朝、湖畔を散歩したあと、10時頃ホテルを出発。まずは国道301号の未走区間、三ヶ日から新城の間を走りに行きたいところだが、妻が海を見たいというので、浜名バイパスまで往復。愛知県と静岡県との境に完成した、国道1号の潮見バイパスも試しに走ってみる。豊橋側から浜松方面へ向かうと、まるで海に飛び込んでいくような景色が展開し、さらに道は右側に太平洋を臨みながら浜名バイパスへと通じる。快適なバイパスだ。夜明け頃走ったなら、たいそう美しいだろうな。
 三ヶ日町からの新城市までの国道301号は、東名高速と絡み合いながら県境を越える。カーブが続くが、それほど走りにくい道ではない。
 新城市で国道151号と合流。301号はこの先、豊田市まで続くが、以前走っているので、これで完走。さらに山奥へとはいってゆき、国道420号走破が今回のラストメニューだ。

国道301号 静岡県と愛知県の県境付近

<国道420号>
 鳳来町でおいしいそばを食べた後、今回最後の未走国道、420号へは、国道257号ではいる手もあるが、道路は県道のほうが整備されている。県道32号と389号を利用し、設楽町で国道257号に合流。2q走って国道420号が分かれる。ところどころ、センターラインのない細々とした道が続く。設楽町と下山村の間はちょとした峠だが、トンネル工事が行われていた。下山村の阿蔵までは国道473号との重複区間。ポールには丁寧に二つのルート看板を掲げている。その阿蔵からは、おおむね2車線でたんたんと山中を走る。15qほどで国道153号に合流。けっこうあっけなく走破は終わった。
 さて、まだ時刻は14時だし、香嵐渓でも寄っていこうかと思ったら、妻も息子も熟睡中だった。

総走行距離:772q 
ガソリン消費量:62.5g 
燃費:12.4q/g

今回の走破距離:161km   
累計走破距離:27,792km

(旅行日'99/7/17〜18)