国道奔走記〜愛知・長野の100番台未走破国道を走る


<7ヶ月ぶりの名神高速>
 久しぶりの名神だ。ここのところ、南や北の方の旅、あるいはレンタカーの旅が続いていたので、東に向かうのは、昨年10月の国道257号線を走りに行ったとき以来になる。今回は、そのときに走ったところと一部重なるが、走り残している国道153号の稲武付近と国道151号の長野県側を走破する予定だ。午前9時30分、自宅から2時間で新設されたばかりの名神尾張一宮パーキングエリアに着く。天気はまずまず。予報では快晴だったが、少し光が弱々しい。しかし、この様子だと雨は降らないだろう。
 最近パーキングエリアにはファーストフードの店が設けられている。ここ尾張一宮もケンタッキーが入っていた。
15分程度の休憩後、再び高速を走る。153号へのアプローチは、名古屋インターから猿投グリーンロードを経由するルートを採った。

<国道153号完走 豊田市〜稲武町>
 153号は名古屋と塩尻を結ぶ国道だが、このうち名古屋・飯田間は指定区間となっている。道路脇にはキロポストが整備され、狭隘区間もなく走りやすい。しかも、交通量も少ない。飯田街道と呼ばれ、指定区間でもあるので、土曜日でもトラックが多いのでは、と予想していたのだが、この空き具合は拍子抜け。足助町の香嵐渓は名所だが、行楽の渋滞もなく、駐車場もクルマはそんなに埋まってはいなかった。
 天気は快晴に変わり、快適なドライブが続く。
11時20分、稲武町の道の駅「どんぐりの里いなぶ」に到着。散策と軽い体操をして体をほぐす。日差しが強いが、抜けるような青空が心地よい。

茶臼山高原道路 面ノ木峠。これだけの標高があると涼しくて気持ちよい

<茶臼山高原道路から国道151号へ 稲武町〜長野県飯田市>
 国道257号との交差点は、この駅のすぐ北側。ここで進路をその257号にとる。国道153号は完走だ。しばらく行くと、茶臼山高原道路の案内標識が出てきた。左折して県道80号を走る。大学4年の時、豊橋から国道151号を北上し、茶臼山高原道路を通り、稲武町から153号で飯田まで抜けている。つまり、153号の稲武からグリーンロード入り口までと、151号の高原道路接続部以北を走り残していたのだ。これから高原道路経由で国道151号をめざす。
 茶臼山高原道路は国道257号とも接続しているが、今回は県道でショートカット。面ノ木峠は標高1109m。さすがに涼しい。ここでもパーキングでクルマを止め、森を散策してみた。通り過ぎるにはもったいないが、かといってあまりゆっくりもしていられない。今日中に走りたい道が、まだかなりある。
 クーラーを切り、窓を全開にして澄んだ空気を流し込む。ステレオのボリュームをあげ、椎名林檎の声がスピーカーから溢れるように響いてくる。いいねえ、こんなドライブは。

国道151号 愛知県から長野県に入る。

 国道151号に出る。これから愛知・長野県境の新野峠に挑む。2車線の快適な道だ。と思ったら、センターラインが消えた。それほど重要な国道ではないのか、と思ったが、新道への改良工事中だった。完成はまだ先のようだが。
 長野県の入ると、急に道がなだらかになる。山里、といった趣の阿南町では、信州そばの看板が目にとまり、迷わずここで昼食をとることにする。すでに13時前で腹のほうも具を求めている。残念ながら天ざるは品切れだったが、代わりに頼んだとろろそばをゆっくり賞味した。おせじにも、あまり「おいしい」と感動するほどでもなかったが、店が空いていて、ゆっくり休息することができたのでよしとしよう。
 5分ほど走っていい木陰を見つけたので休憩する。4つの窓を全開にし、エンジンを止め、シートを倒して疲れを癒す。通り過ぎるクルマが少ないのがいい。小鳥のさえずりは聞こえなかったが、窓から吹き込む風は、木々が吐き出す酸素を存分に含んでいるからなのか、とてもマイルドに思われた。
 適度なアップロードが続く道を北上すると、やがて河岸段丘の地形が見えてきた。飯田市である。ここにきて、少し眠くなってきた。昼食後の休憩から、まだ1時間もたってないが、”アップルロード”という愛称がついた153号バイパスには、建設省事務所に隣接してパーキングスペースが設けられていた。これ幸いとクルマを止め、再び横になった。

国道151号沿いにある 道の駅「信濃路下条」(長野県下條村)

道の駅「信濃路下条」にあった看板。すごい渓谷があるもんだ…。

<国道256号 飯田市〜南木曾町>
 暑くて眠れはしなかったが、眠気も去り、本日最後の走破区間、国道256号の清内路峠をめざす。時刻は15時前。いい時間だ。
 飯田から中津川へ向かうには、疑う余地なく中央道を選択するだろうが、ここには256号が併走している。中央道の恵那山トンネルが工事などで通行止めの時は迂回路として設定されるので、それほど狭隘な道ではないはずだ。
 ガソリンを補給し、国道153号を南に下ると、山並みが迫るにつれ天気が悪くなってきた。さっきは透き通るような快晴だったのに。
 国道256号の分岐は、インターチェンジの流出路のような形態だった。153号ではクルマが連なっていたが、こちらに流れるクルマはほとんどなかった。前方に1台、タクシーが走っている。「どこに向かっているのだろう?」と、不思議に思っていると、温泉街が現れ、タクシーも大きなホテルに入っていった。昼神温泉だ。けっこうな温泉街である。時間が中途半端のなので、賑わいこそなかったが、中央道の園原インターからすぐなので、名古屋から手頃な温泉ということなのだろう。

国道256号の清内路峠は、なぜかシェルターになっていた。

 山はどんどん深くなっていき、ついに雨が降り出した。天気予報ではそんなこと、言ってなかったのだが、山沿いということなのだろうか。しかし、この道路、観光バスが数多く走る割には貧弱な道路だ。幅は十分にあるが、センターラインがなくなっている。ブラインドカーブでバスに出会うと、少々きつい。しかも、バスは次々やってくる。きっと、馬籠などの旧宿場町と昼神温泉が観光のセットになっているのだろう。それなら、この道路も、もう少しなんとかならないものか、と思っていたら、トンネルの工事をしていた。出入り口はどちらも立派な装いに仕立てられている。完成は近いかもしれない。峠の頂上部は
なぜかシェルターになっていた。理由を確かめたかったが、バスが頻繁にやってくる状況で、しかも十分な駐車スペースがなかったので、写真だけ撮ってそのシェルターを越えた。
 少し下ると、妻籠の宿場町。馬籠もすぐ隣である。ここは「一度ゆっくり散策したい」と思いながら、いまだにその思いを果たせないでいる。今日も本降りの雨で、歩く気にはなれない。。中津川も近いし、時刻は16時。そろそろ高速に乗って帰ろう。あ〜あ、今回もまた、走るだけの旅になってしまったなあ。


総走行距離:648km  ガソリン消費量:48.4g  燃費:13.4km/g

今回の走破距離:320km   累計走破距離:27,631km

(旅行日'99/5/15)

清内路峠は、ただいまトンネル工事中