出張絡めて走破の旅 その2 茨城千葉周遊

今回のクルマはトヨタスターレット・ルフレfリミテッド。フル装備。

 仕事が終わった金曜夕方、予約してある常磐線松戸駅前にあるトヨタレンタカー松戸駅前店に向かった。ここをセレクトしたのは、まず国道6号線を走りたかったのと、駅前という条件が合致したからである。6号線は、今までに北側の仙台からいわきの間は走ったことがあるのだが、いわき以南は未走である。できれば始点の日本橋からスタートしたかったのだが、金曜夕方ということでかなりの渋滞が予想されたため、前述の条件から考え、松戸をスタートとした。

<小雨降るなか、国道6号を北上 松戸〜水戸>
 雨がぱらついている。レンタカーのワイパーはときおりゴムが劣化していることがあるので、店の前でチェックしておくほうがいい。今回の旅の友、スターレットはだいじょうぶだった。市街地を西側からまわりこむようにして6号線に入る。時刻は18時。かなり混雑している。走っては止まり走っては止まり、の連続だ。低速の時は気付きにくいが、高機能舗装が施されている。水しぶきが上がりにくく、騒音も低減するこの舗装は高速道路で勢力を伸ばし、いまやこうして一般道にも採用されている。グリップ感が一般の舗装とは段違いで、低速でも安心感があり、初めての道を運転する者にとってはひじょうにありがたい。
 柏付近で激しい渋滞。ラジオを聴いていると、首都高などはかなりひどい渋滞が続いているようだ。10kmあまりを通り抜けるのに1時間近くかかっていると、交通情報が流している。こちらといえば、利根川をやっとのことで渡り、取手を通過したのが19時過ぎ。距離は松戸から30km少し。平均時速30km。首都高は10km。まだマシか。
 茨城県内でも渋滞は続く。腹も減ってきたので、牛久で夕食をとることにし、COCOSへ寄る。腹が膨らんだところで気分一新。土浦へ入ったぐらいでやっと流れだす。雨は相変わらず降り続いている。市街中心部はバイパスで抜け、渋滞はなくなったとはいえ、交通量の多い道を流れに乗って北上する。
 水戸市手前の美野里町(みのりまち)にはパーキングがあった。道の駅の指定は受けてないが、トイレ完備のありがたいパーキングである。少し休憩してから出発すると、ほどなく水戸市に入った。

<水戸市内うろうろ>
 国道50号は水戸と群馬県の前橋を結ぶ国道で、始点は前橋である。この国道は国道6号と常磐道水戸I.C間が未走破だったので、ここをクリアしておくことにした。バイパスを降り、水戸駅前を通って水戸I.Cまで数km。I.Cからは国道50号のバイパスを通って国道6号へ。先ほど降りた地点より少し東京側で6号に突き当たり、再び6号を走って、またもや先ほど降りた地点へ。I.Cへは左折だが、右折すれば国道51号だ。

<茨城県水戸市〜千葉県小見川町 国道51・356号>
 国道51号に入ってから交通量がぐっと減った。走りやすい道を快調に飛ばす。すぐに、北海道へのフェリーが出ている大洗町。ここから鹿嶋市までは海岸沿いを走るが、ほとんど海は見えない。鹿嶋は最近市に昇格した。「鹿島」町だったのだが、鹿島市は佐賀県にあり、市名は同じ文字を使用できないので「鹿嶋」市になった。ちなみに、同じ市名が一組だけ存在する。府中市だ。東京と広島に存在する。これは偶然にも昇格手続きがほぼ同時で、受理されたあと発覚したため、仕方なくどちらもそのまま「府中市」を名乗ることになったとか。
 鹿島サッカースタジアムを通り過ぎるあたりから霧が出てきた。鹿嶋市街を抜けるといっそう霧は深くなった。利根川の影響だろう。視界はどんどん悪くなり、ヘッドライトを消しフォグランプだけで時速30kmくらいでそろそろと進む。その利根川にさしかかる頃は、視界が10mくらいになった。千葉県に入っても霧はおさまらず、進路を迷ったが、そのまま予定していた国道356号で南下することにした。同国道は利根川沿いに延びているので、霧から開放される可能性は低い。けれど、時刻は1時近くで、そろそろ寝場所を探す頃だったし、川沿いなら駐車スペースがあるだろう、という読みだ。
 実際はそれどころではなかった。霧は少しもマシにならず、駐車スペースにしても、視界が悪いため、道路脇の状況しかわからない。しかも、この道沿いには適当な空きスペースがない。仕方なく国道を離れ、県道を進み利根川・常陸利根川とふたつの大きい川を越えた。霧は相変わらず深い。すると、前方に道路の真ん中でハザードランプが点滅しているのが見えた。どうやら大型トラックのようだ。「どうしたのかな?」と近づいてみると、中央分離帯に突っ込み、分離帯を跨いで立ち往生していた。それを見て、僕はこれ以上走るのをやめてすぐに寝よう、と思った。幸いにもその事故現場すぐ横に大きい駐車場があったので、朝まで止めさせてもらうことにした。何台かのクルマが止まっている。エンジンがかかっているので、休憩しているのだろう。何軒かの店が集まって、そこの共同駐車場のようだが、その店というのが自動車整備とラーメン屋とファッションマッサージなどという、まったく統一性のない意味不明な場所だった。あと5軒ほど店があったが霧でよく見えなかった。疲れ果て、シートを倒して眠りに就いた。


茨城県波崎町の、ごていねいなルート看板。

千葉県小見川町〜千葉県銚子市 国道356、51、124号>

 目が覚めたら8時だった。霧こそなくなっていたが、泣きそうな曇り空。天気予報では午後から雨らしい。とりあえず朝食を求めてキーをひねった。
 昨日来た道を戻る。佐原から国道51号で利根川を渡ると、潮来(いたこ)町にマクドがあったので、モーニングセットを食べる。鹿嶋まで戻り、国道124号で銚子をめざす。4車線の広い道は鹿嶋と銚子の中間付近で対面通行に車線が減り、波崎町の市街付近では少し混雑したが、難なく利根川河口を渡り、銚子市に入った。犬吠崎まで行ってみたい衝動にかられたが、時間に余裕がないので、引き続き国道の旅を続ける。

<海が見えない・・・。 銚子〜勝浦 国道126、128号>
 とりあえず房総半島を南下するが、ひじょうに単調で退屈だ。しかもクルマが多いときている。とりたてて景色の綺麗なところがあるわけでもなく、単なる消化作業が続く。東金から国道128号に入ってもそれは変わらなかった。数キロ東側は九十九里浜。ここでも「行きたい」衝動にかられるのだが、やはり国道を走るほうを選択する。時間に余裕があれば、海を見に行く・・・ことはぜずに、その分走ってない国道をなぞってるかな。
 茂原を過ぎ、岬町で少し海が見えた。時刻は13時。そろそろ昼食にしよう、と思っていたらガストが見えたので、迷わず立ち寄る。ほんとは活きのいい魚食べたいんだけど。
 とうとう雨が降り出した。写真撮りにくくなるなあ。そうこうしているうち勝浦市までやってきた。そろそろ戻ったほうがいいだろう、と国道297号で市原へ戻ることにした。

あいにくの雨模様。海は鉛色だった。(国道128号 千葉県御宿町)

<ラストスパート 勝浦〜千葉 国道297号>
 房総半島を横断する形で、国道297号は勝浦と市原を結んでいる。もっとも、起点は勝浦でなく、半島先端の館山で、館山・勝浦間は国道128号との重複である。山中の297号もやはり単調で、とりたててポイントもなく、やはり消化作業が続く。牛久を越えたあたりから小湊鉄道と併走し、時折単行のディーゼルカーとすれ違う。テレビコマーシャルの舞台によく使われる鉄道だ。東京から近いわりにはローカルムードを程良く漂わせているのが理由らしい。
 比較的単調な走破が終わり、スターレットをトヨタレンタ千葉駅前営業所に返却した。今回のルートでは、房総半島の国道は右折レーンが備わっていないことを感じた。他の道路はわからないが、126・128・297号とも共通して感じたことだ。これが海水浴シーズンの大渋滞に拍車をかけているのではないか。

総走行距離:497q ガソリン消費量:31.6g 燃費:15.7q/g

今回の走破距離:441km   累計走破距離:27,227km