国道奔走記〜埼玉県初進出

国道299号 飯能市

 横浜の友人が結婚することになった。披露宴が日曜日の午後からということで、土曜日に横浜入りし、レンタカーで関東の国道をまわることにした。東京まで行かずに新横浜で降りたのは、翌日のレンタカー返却のことを考えてだ。宿泊は友人が式を挙げるホテルをとってくれているし、その場所は横浜の桜木町なので、新横浜をスタート地点とした。
 のぞみで新横浜に着いたには11時過ぎ。今回はレール&レンタというトクトクきっぷを使用した。のぞみの特急券は割引にならないけれど、ひかりなどの特急券は1割引。乗車券は2割も安くなる。

さて、今回の目的は2つある。ひとつは、今までクルマで踏み込んだことのない埼玉県を走ること。もうひとつは、走り残している国道1号の川崎〜東京間を走ること。そして、例によってできるだけ未走の国道を走るつもり。それ以外のプランは特になし。行きあたりばったりの旅だ。

<Sクラスを申し込んで来たクルマは?>

今まで、ほとんど見た記憶がなかったフェスティバ(横浜迎賓館にて)

 新横浜の駅レンタカーへ行く。JTB発行のクーポンを渡す。いちばんの楽しみは車種である。手続きをしている最中、車検証をちらと見る。「フェスティバ」と書いてある。ふだんデミオに乗っているので、これと兄弟車のフェスティバ・ミニワゴンだけは避けたかった。が、走行距離が8万キロと書いてある。どうやら、古いフェスティバのようだ。しかし、どんなクルマかよく思い出せない。ほとんどミニワゴンにチェンジする前のフェスティバの記憶がないのだ。まあ、乗ったことのないクルマだし、希少価値として歓迎しよう。
 駐車場まで行き、クルマに対面する。やはり知らない。こんなクルマあたのか、という感じ。すまんな、という気持ちで乗り込む。でも、このフェスティバ、なかなかグッド。Sクラスは安い代わりに、だいたいリッターカーか1300ccの低グレード車が充当されている。けれど、今回のクルマはパワーウィンドウに集中ドアロック、リモコンミラーを装備。ATこそ3速だが、これはなかなか快適にドライブできそうだ。

<まずは第三京浜へ 国道466号〜都道〜国道20号〜中央道・八王子>
 これから夜中に桜木町のホテルに入るまで、どのようなルートを走ろうか。行きの新幹線の中でも考えていたのだが、特に思い浮かぶこともなく、とりあえずクルマに乗ってしまったので、近くの第三京浜に乗ることにした。この道路も国道なので(466号)写真でもとっておこうという算段。近くの港北インターから第三京浜に入る。すぐの都筑パーキングで写真を撮る。すぐに出発して玉川から一般道。国道246号の交差点まで466号だが、466という数字を表示した看板は見あたらなかった。案内板には主要地方道311の表示のまま。国道マニアとしては不本意である。八王子から国道16号を北上することにし、調布インターから中央道で、八王子へ。この間、国道20号の写真も撮る。

<米軍基地を横目に秩父まで 国道16号八王子〜入間・国道299号〜秩父>
 国道16号八王子インター付近は大混雑。前来たときもそうだったから、とくに失望はしなかったけど。近くのマクドで腹ごしらえをし、まずは入間市をめざすことにした。16号は学生時代に八王子・横須賀間を走ったことがあるが、八王子以北は初めて。まずは順調な流れ。だが、方々で道路が直角に曲がっているので走りにくい。局部的にバイパスを作っていったらこうなったのだろう。福生市に入ると、米軍基地の横を走る。沿道にはアメリカ雑貨の店が並ぶ。ゆっくりと散策すると、おもしろい発見がありそうだ。Yナンバーのクルマが目立つ。米軍関係者が所有するクルマである。沖縄や岩国でもよく見かける。
 さて、このフェスティバ。カップホルダーがないのが、コーヒー好きの僕にとっては、いささか不便。入間市に入ってすぐ、オートバックスがあったので立ち寄ってみる。安いホルダーを買うつもりだったが、布製で取り外しが容易なホルダーを発見。以前自動車雑誌で紹介されていたものだ。1200円と、少々値が張るが、これからもレンタカーを使う機会が多そうなので奮発することにした。


左側の壁の向こうは米軍基地(国道16号 福生市)

国道140号は”彩甲斐街道”の愛称がつけられていた(秩父市)

 しばらくの間国道17号を南下する。またもや渋滞。夕方の幹線国道なら仕方ないか。行田市に入る手前で緩やかに左折し、国道125号に入ると交通量がぐんと減った。田園風景のなかを対面通行で突き抜ける。信号が少ないので流れは速い。バイパスは加須までで、ここからは旧道。時刻は19時前。さて、今日の夕食はどうしたものか、と店を物色している間に、飲食店は途切れてしまった。栗橋町で国道4号と合流。古河まではこの4号と重複区間である。交通量が多い国道4号は、この旧道の少し東側にバイパスが通っている。どこで折り返そうかと思案したが、いったん古河まで北上し、そこからバイパスを東京まで走るというプランをたてた。旧道の4号を北に進路をとると、すぐに利根川を渡る。実はここに来るまで知らなかったのだが、古河市は茨城県だったのだ。関西人には、このあたりの地理感覚が弱いのだ。
 その茨城県古河市の中心街付近で、125号は4号と別れを告げ、再び単独で終点の千葉県佐原市をめざす。バイパスの国道4号に入る手前で駐車場の広いラーメン屋を見つけた。クルマで旅に出ると、こういう形態のラーメン屋によく世話になる。僕がラーメン好きなのと、食ってからクルマのなかでゆっくり休憩できるからだ。チャーシュー麺をむさぼるように食べ、フェスティバの中でくつろぐ。地図を見ながら時間を計算し、今夜泊まるホテルに、到着は0時から1時の間、と連絡しておいた。

<国道4号・1号を走り継ぐ 古河・国道4号〜東京・国道1号〜川崎>
 茨城県三和町の国道125号との交差点から、一路東京をめざして南下する。交通量は、土曜日の夜でトラックが目立たないこともあるのか、全体的に少なめ。車線は片側1車線の対面通行。用地は広くとってあるが、拡幅工事の様子もなく、しばらくはこの状態で交通量をまかなえるのだろう。沿線には飲食店はほとんどなく、ガソリンスタンドも見かける機会は少ない。通過に徹している道だ。いつのまにか車線が増えた。埼玉県に入り、春日部市に近くなるとクルマの量も増えてくる。越谷市で旧道と合流すると、一気に郊外道路の雰囲気だ。外環道をアンダークロスし、草加バイパスで東武伊勢崎線を越えれば東京都だ。都バスとすれ違うようになる。千住新橋で荒川を越え、次第に町並みが込み入ってくる。首都高の上野線入谷入り口を過ごすと、右側に大きな建物が見えた。上野駅だ。首都高の下を走り、そして日本橋へ。日本の国道はここが原点だ。記念撮影をしたいところだが、夜なので軽く通り過ぎる。ここから国道1号線。東京駅をくぐり、丸の内で左折。中央分離帯には、電光掲示のルート看板が備わっている。皇居をとりまくように走り、桜田門から虎ノ門へ。クルマはひじょうに少ない。オフィス街だからだろう。土曜の夜10時ならば、渋谷や新宿はごった返しているはずだ。静かな都内を抜け、少しにぎわいを感じる五反田を通り抜け、一気に川崎まで走った。国道1号完走。二つの目標を達成したわけだ。


<おまけ>
 川崎から桜木町のホテルまで、少し寄り道をした。国道409号でアクアラインの入り口までと、川崎港までの国道132号。そして国道15号で横浜へ。
ホテルに着いたのは0時45分頃。いっしょに泊まる予定の友人たちは、夕食に出かけていてまだ戻ってきていなかった。
 ちなみに、この夜の宴会は朝方5時半頃まで続いた。翌日、皆寝不足のまま披露宴に列席した。

総走行距離:366q ガソリン消費量:26.3g 燃費:13.9q/g

今回の走破距離:217q 累計走破距離:26,672q

(旅行日99/3/13)


本日最後のカット(国道125号 埼玉県行田市)