R309で奈良県縦断

<往路>
 7時50分過ぎに自宅を出る。今日はR309の大淀町からR169交点までが、まずは目標だ。そこから時間をみてその先のルートを考えるつもり。選択したルートはR307とR24。日曜朝の道路はよく空いている。順調に進み、9:00過ぎに郡山を通過。懸念された郡山・橿原間も思ったほど混んでいなかった。橿原はバイパスを利用し、大和高田もR165のバイパスを利用する。周りに高い建物がないので眺めがいい。再びR24に戻るが、奈良の道路はわかりにくい。各道路が整備途上ということもあるのだろうが、幹線道路が町中でジグザグに走っているので、地図を見てイメージを描く、という作業が困難で、何度も地図とにらめっこしなければならない。方々に遺跡があるので仕方ないが、円滑な交通の妨げになっているのは事実である。

<R309 御所市〜黒滝村>
御所の室交差点からR309にはいる。R169やR370が集積する大淀町を抜け、吉野川を渡ると下市町の街中を走り抜ける。ここを過ぎると山岳路が始まる。一気に高度をかせぐ急勾配だが、2車線の整備された道路は走りやすい。それにしてもいい天気だ。雲一つなく、抜けるような青空が広がっている。黒滝村に入ったところにある道の駅・吉野路黒滝に立ち寄る。腹も減ってきたのでなにか食べようかと思ったが、手ごろな価格のものがなかったので、自動販売機で緑茶を買っただけで再び走り始める。新笠木トンネルは最近完成したようでコンクリートはまだすすけてなかった。長大なトンネルと豪快なそのアプローチの完成で天川村までは一瞬だった。さて、ここから先、センターラインは消え、細々とした道が続く。しばらくは新宮川の美しい渓谷が続き、キャンプや川遊びを楽しんでいる人も多い。
 
<行者還林道>
さて村の中心部から20分ぐらい走ると、行者還林道にはいる。地図によっては、この先R169までR309が開通しているような表示のものもあるが、正式には林道。でも利用者にとっては国道であろうが林道であろうが、そんなことはたいして問題ではないのだろう。とりあえず「309」と表示しているほうがわかりやすいからか、R169での分岐表示も、林道ではなくR309だった。林道にはいっても道路形態はさして変わらず、相変わらず狭いカーブと凹凸の激しいアスファルトが続く。あたりは落石がごろごろしている。なかには、「こんなの落ちてきたら洒落ならんで」というとんでもない石が転がったりしており、いちおう金属ネット等で落石対策を施しているが、アスファルトにめりこんでいるような石もあり、とても安心して走れたものではない。しばらく雨が降っていなかったので、地盤がゆるんでいるということはなさそうだが、だからといって落石がないわけではない。「落石注意」との看板どおり、注意して走るが、注意だけでは防ぎようがない。少し恐怖におののきながらサミットの行者還トンネルまでくると、突然大量のクルマに出くわした。最初は渓流釣りに来たクルマかと思ったが、ここは登山口のようだ。品川など関東のナンバーもいくつか止まっていた。明かりひとつないトンネルを通り過ぎ、上北山村側は天川村側よりカーブはきついものの道は広くなった。眼前には大台ヶ原の大パノラマが広がる。ほとんど人家にでくわすことなくR169交点までくる。さすが100台の国道だけあって走り易さは比べものにならない。もっとも100台の国道全てが走りやすいわけではないが。



落石ごろごろ。こんなのが落ちてきたらひとたまりもない(行者還林道にて)

<R169重複区間・上北山村〜熊野市>
 12時も過ぎたので、道の駅・吉野路上北山で昼食をとる。ハンバーグ定食1000円也。ここには日帰り入浴ができる温泉も併設されており、大人一人500円で汗を流せるが、時間がないので惜しみつつあきらめた。それにしても暑い。9月の半ばだというのに真夏並の陽光だ。クーラーを強めにして再び南下する。時間の計算をし、熊野市のR42交点まで往復することにした。ほぼ2車線のR169は適度なコーナーが続き、走りを楽しむにはもってこいだ。バイクが多いのも頷ける。熊野市にはいり、未開通区間が残るR169と別れをつげ、R309にはいる。もっとも道路の連続性はこちらのほうであるが。難所もなくR42までたどり着いた。これでR309は完走だ。太平洋を拝みたかったが、時間がないのですぐに来た道を折り返す。ほとんどの場合、行きと帰りは違うルートをとるのだが、今日は時間の関係からとんぼ返りすることにした。

<帰路>
 関西のナンバーのRVが連なる。そろそろ帰宅の時間なのだ。川上村に入ったところは狭い1車線の区間が残り、若干の渋滞が発生する。もちろん新道が工事中で、数年で開通するだろう。道の駅・杉の湯川上の手前付近の道路改良には驚いた。豪快なバイパスが完成し、走り抜けるにはもったいなく、県道の橋を渡り、谷の対岸から国道を眺めてしまった。
 予想されたこととはいえ、大淀町で渋滞にはまった。R169が右に直角に進路をとる土田交差点が先頭だ。30分ちかく渋滞と格闘している間、その先の進路について迷っていた。R169を橿原方面に北上すべきか、行きに通ったR309を利用するか。前者は橿原市の手前が渋滞するだろうし、R309利用は大和高田でハマるだろう。その先もルート選択がわかりにくい。迷った末、R169を選んだ。結果はひどかった。芦原トンネルの出口から渋滞していた。岡寺付近からだろうと踏んでいた渋滞は、その遥か手前から続いていた。絶好の行楽日和だったから仕方ないが。地図と格闘し、途中から県道を利用し、R24の橿原バイパスと県道・R25とR168を走り次ぐルートで帰った。このルートは地図を見ながら思いついたルートで、思わぬ収穫だった。ときにはこんな「怪我の功名」があってもいい。
(旅行日98/9/13)


美しい渓谷が広がる国道309号
奈良県天川村