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国道エッセイ1 「これって国道?」
 
 国道とは名ばかりで、実態はダートの荒れ果てた道もある。皆さんの近所にも「あの
国道XXX号線は自宅の前の道よりも狭い」なんてこともあるだろう。それが三〇〇台
や四〇〇台の国道ならいざ知らず、一〇〇台の国道でもそのような道は存在する。私が
知っているのはまず、R166。この道は元々大阪の羽曳野から三重の松阪を結ぶ国道なのだが、あまり人口の多い地区を通過しない。敢えて言えば大阪府・奈良県西部が都市近郊地区と言うことになるのだが、この区間がその影響によるものかどうか分からないが、とても国道といえたシロモノではないのである。例えば、奈良県大和高田市内で、R165を南下すると、左折方面R166羽曳野の看板が出ているのだが、ひとたび看板通りに左折すると家の軒先をかすめるように走るまさしく生活道路。道幅はどんどん狭くなりやがて一方通行になる。わずか数百メートルだが、ほとんどの人は道を間違えたと思うであろう。やっとまともな道に戻ったと思うのもつかの間、羽曳野市内に入ると、また同じ様な状況が展開する。極めつけはこのR166の起点である近鉄古市駅付近。なんと国道は商店街を通っているのである。(よって、時間によってはクルマ等は通れない)こんなルートをなぜわざわざ国道に指定したのかと疑問がわいてきて当然なのだが、R166のルートは、羽曳野市内では竹内街道(奈良県北葛城郡当麻町竹内)、奈良県では榛原街道、伊勢街道呼ばれ、三重県にはいると180度視点が変わって和歌山街道と呼ばれるように、それなりに使命を持った国道なのである。それならばもう少し整備すればと思うのだが、これはこれでなかなかオツというものである。なおこのR166走破を目指す方は、看板の整備具合、一方通行等により、松阪から、羽曳野を目指す西行きをおすすめする。このほか、ルート数字の大きさと道路環境のギャップが大きいところは、R23の蒲郡西部の幸田町付近であろう。R23は四日市から知立までは実質的にR1のバイパスであり、名古屋付近では都市高速のような道路なのだが、バイパスが終わる西尾市から幸田町にかけてはセンターラインもなくなり、人気のない山道はとても都市高速もどきの延長線上であるとは信じられない。そのまま進むとあぜ道の様な道を通り、JRの踏切をわたるとまた立派な道に戻り蒲郡を目指すことになるのだが、ただローカルムードあふれるこの付近は拡張工事中。立派な道路に変身する前に、偉大なる(?)2桁国道を体験したい方はどうぞお早めに。
 
〒573 枚方市星丘3丁目14ー21
 
井上 修一 27才  会社員
 
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以上