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クルマ関係の投稿
 
96年式 デミオ GLーX
 
 「本当に使いやすくていいクルマは何だろう」ということを考え始めたのは、前の愛車・90年式サニーが走行距離12万キロを越え、パワーアンテナが引っ込まなかったり、渋滞中にエンストしたり等のガタが出始めた頃だった。その前に乗っていたのが、ファミリア4ドア。二台続けてセダンに乗り、またキャンプにいったりする機械も増え始めていたので、荷物が多く積めるミニバンを買おうと思っていたが、嫁さんが運転に自信がないということでクルマ選びはますます困難に。しかし冷静に考えて、ミニバンを必要とするほど荷物を載せる機会がどれほどあるだろうかということと、仮にその機会があったところで高い対価の支払いに見合うだけのメリットがあるだろうかということを思い始めた。そんなとき、このデミオが発表されたのである。はじめはさして興味なく、ただマツダがえらく力を入れて宣伝しているので、どんなものかとひやかしがてらにディーラーへ行ったのだが、そこに止めてあったクルマは、まさに自分のコンセプトにぴったり合致した「マルチパーパスコンパクトカー」だった。さらに、私を引きつけたのは、多彩なシートアレンジ、妙に丸すぎないまとまりのよいデザイン、それに剛性感のあるしっかりとしたボディ。そんなわけで、すっかり気に入ったこのデミオが我が家に来たのは、ディーラーに行ってから3ヶ月後のことだった。
 さてこのデミオであるが、初代プリメーラの如くパッケージングがしっかりしていることは、最近の日本車に失望していた私としては、非常に喜ばしいことである。(多少思いこみもあるだろうけど)とはいえ、例によってこのクルマの欠点であるが、まずサスが堅すぎることである。確かにコーナーを攻めるにはおもしろいが、このクルマにこんなハードなサスペンションが必要だろうか。おまけにタイヤは175/60ー14である。デミオの性格を考えれば、65クラスにもう少ししなやかなサスでもいいと思う。次に、発進時のアクセルに対する応答のくせが悪いこと。軽く踏み込んだだけでクルマが飛び出してしまう。渋滞時など、ミッション車で2速発進するときのクラッチあわせのような感覚を必要とする。私の車に限ったことであろうか。それと、次のマイナーチェンジには必ず改良してほしいのが、自動車雑誌にも書かれているリアドアの件。オープナーでしか開かないのは本当に使いにくい。後は細かくなるが、Aピラーが太い、ドアポケットが小さい(地図を入れるとスピーカーが隠れて音が聞こえないのは設計ミス!)、灰皿にライトをつけてくれ、ということであろうか。
 一方長所は、何せ全長3800mm・最小回転半径4,7mは扱いやすい。クルマが小さいとこんなに楽かということを感じさせられること多々である。運転が苦手な嫁さんにも好評である。それにシートアレンジは拍手モノである。たまたま引っ越しすることになったが、その時も大活躍。この小さい体に、大食漢の如く荷物を飲み込んでしまった。ただ、今は二人でこの容量は十分だが、子供が生まれて大きくなると少し手狭かもしれない。まあ、それも使い方次第であると思うが。また、助手席の小物ポケットは非常にグッドである。ちょっとした物を置いておくには、とても使いやすい。ただ、あくまでも物置なので、万が一の時、けがをしないように、重い物や角のある物は置かないようにしている。
 全体的にこじんまりしているデミオだが、普段乗る分についての不満は前述した以外、特にない。長距離走行でも、たっぷりした肉厚と堅めのシートに高いアイポイントが幸いして、疲れも感じさせない。1500ccのエンジンも1トンのボディにはまずまずで、高速道路
での追い抜きに、ストレスは感じない。ただ、この大きさなので仕方がないが、燃料タンク容量が40gというのは、長距離が多い私には不足気味である。
 これからの予定としては、アルミホイール&65タイヤへの変更、スタッドレスタイヤ、ステレオの換装等であるが、希望だけで具体的な内容はまったく未定である。それよりもデミオで、どこか遥かなる遠方の地へ出かけてみたい。初代のファミリアは日本最北端と最東端、二代目のサニーでは九州最西端と最南端の地を踏むことができた。とすればこのデミオでは、もはや沖縄、もしくは海外しかない…。いや、本州最北端ぐらいにしておこう。
 
〒573 枚方市星丘3丁目14ー21
 
井上 修一
 
27才  会社員
 
TEL&FAX0720ー98ー2621
 
以上 
 
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イケイケみんなの大放談
フォレスター、いいですね。新しいSUVの方向性を示してい
るような気がします。ともすれば、中途半端に終わってしまい
そうなこの手のクルマを、よくぞうまく仕上げたもんだと感心
します。これも、トヨタ・日産ではつくれなかったでしょうね。
また、そこそこの装備で、4WDターボつきが、200万円以
下なんて涙もんじゃあないでしょうか。ただ、ディーラーに行
って実際に見てきた感想は、ターボ部の空気取り入れ口が邪魔
なのと、なんといっても問題はルーフレール!なんですかあり
ゃ。あの形状じゃまずスーリー等の市販品はとりつけ不可能で
しょう。(事実セールスマンもそう言っていた。)あれでは、
はじめからないほうがましじゃないでしょうか、スバルさん。
まあ、要改良の点もあると思いますが、クルマとしてのできは
良いと思います。販売が軌道に乗ったら、ノンターボを追加し
てもよいでしょうね。元気な富士重工に期待したいもんです。
〒573 枚方市星丘3丁目14ー21
井上 修一 27才 会社員
TEL&FAX 0720-98-2621
 
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 平成9年6月1日
ラウムを見て思ったこと
 トヨタのラウムを見てきた。私が感じたのは、環境・人間・無形の豊かさという現代に求められる要素を、クルマとして具現化したものという印象であった。そしてそれらはソツなくまとめられ、このクルマを手にした人達はそれこそ失望することなく、そこそこ快適なカーライフを過ごせるだろうなというものであった。しかし、私はそこにこのクルマを所有する喜びは感じないだろうとも思った。あくまでも私個人の見解だが、最近のトヨタ車は、ほんとうに面白味がなくなったように感じる。次々と発表されるクルマ群は、どれも完成度が高くユーザーを後悔させるようなことはないであろうと思われる。しかし、あまりにもマシーンに徹しているように思われるのだ。あたかも、緻密に計算されたスーパーコンピューターから出てきたような冷たさ。そこには、官能や温かさや情熱が微塵も感じられない。ただ、快適なマシーンであるとしか思われないのだ。マークUしかり、レジアスしかり、そして今度も…。トヨタのクルマにこのようなことを求めるのはもう無理なのか。読者のみなさんはどう思われます?
 
〒573 枚方市星丘3丁目14ー21
 
井上 修一 28才 会社員
 
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以上
 
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平成9年9月28日
FENEK編集部・創造カンパニー係御中
 
 この度、マツダデミオを購入を機に、「何かいいRV雑誌はなかろうか」と、書店を訪ねたところ、貴誌が目に止まり、ぱらぱらとページをめくると自分が求めていた雑誌にぴったりだったので、さっそく購入して家に帰りました。情報量が多いのもさることながら、表紙にも書いてあるとおり、RVを使った生活提案という内容にひじょうに好感をもちました。もちろんクルマ自体の記事も、いわゆる「クルマ雑誌」を求める読者にも不足ない内容で、価格以上の価値ありと満足した次第です。
 さて、あえて辛めの感想を述べさせていただきたいのですが、ひとつは貴誌のめざすところから読者参加というコンセプトがひじょうに大切なのではないかと思うのですが、その反面、そういったページが少ないのではないでしょうか。さらにもうひとつ、ある意味では仕方ないとは思いますが、やはり扱う情報について関東向けが重すぎるような気がします。自分が関西在住という偏った見方もありましょうが、このあたりご一考いただけたらと思います。
 私自身RVに乗り始めたのはつい最近ですが、免許を取得してから続けていることに、日本の国道を走破するということがあります。それがきっかけで、個人的に道路の研究をするようになりました。その成果を最近各方面で発表させていただいています。もちろん仕事は一切関係なく、あくまでも趣味の領域ですが、なんらかの形で貴誌に参加したく、初めて買ったにも関わらず、あつかましくも感想を述べさせていただきました。どうかご査収いただきますようお願いします。貴誌のますますのご発展を期待しております。
 
〒573 枚方市星丘3丁目14ー21
 
井上 修一 28才 会社員
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ドライバー編集部 「読者街道」編集部御中
 
俺はクルマの税金に対して怒っている!
 
最近クルマの税金に関して、腑に落ちないニュースが多い。ひとつは環境に関する炭素税ともうひとつは旧国鉄債務への充当だ。
 炭素税については、いわゆる地球温暖化防止の目的で検討されている税金であるが、二酸化炭素排出に対する対策として、12月に行われる京都会議にむけて政府の主導のもと草案が作られているという。某自動車雑誌の記事によると、ガソリン1リッターあたり2円の炭素税を上乗せし、消費抑制と環境対策の財源を確保するとのこと。私はこれを読んで「いい加減にしろ」と言いたくなった。クルマを所有している人は皆が感じていることだろうが、ただでさえ自動車関係の税金は多重払いである。自動車に関する消費は、「おとなしくて金がとりやすい」のかどうかわからないが、とにかく本来の費用以外に課せられる金が高くつく。二酸化炭素排出抑制をはじめとする環境対策の早急な整備は必要だと思うが、この記事を読む限りいわゆる「取れるところから取る」という安直な発想としか考えられない。もし炭素税がどうしても必要なら、重量税等従来の税金からその枠の中で割り振りを変えるべきであって、これ以上クルマの税金を増やすことは許されるべきことではない。また、実際この税金の使い道が明確に伝わってきていないので、例によって一般財源化するのではという疑問も拭えない。強制的に金を取るなら、使い道をはっきりさせろ!。
 もうひとつの旧国鉄債務に道路特定財源をまわす、というのも国民を馬鹿にするのもほどがあるというものである。なぜ、われわれがクルマに乗って納めた税金を国鉄の借金返済に充当できるのか。クルマの普及で国鉄が赤字になったなんて、そのような幼稚な責任不在の発言が活字で踊ること自体恥ずべきことである。あげくの果てには、従来の自動車関係の税金をとりまとめて「総合交通税」とかなにかに名目を変えようとしているらしい。どうも政治家の方々は、税金は集めたら何に使ってもいいと思われているらしい。
 ドライバー読者の皆さん、これらのアホらしい政策を止めまっとうなクルマライフをおくるために、さしあたり我々は何ができるでしょうか。
 
〒573 枚方市星丘3丁目14ー21
 
井上 修一 28歳 会社員
 
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MAZDA WORLD編集部御中
 
前略 四国・四万十川は、免許を取ってすぐ、買ったばかりのファミリアで訪れた思い出のある場所。欄干のない沈下橋をおそるおそる渡ったものです。その沈下橋の特集はその頃を思い出させ、とても興味深く拝読しました。
 これ以外にも、「MAZDA WORLD」は、記事の質が高く、どれも読み応えのあるものでした。たまたま1ヶ月点検でディーラーに立ち寄った際に見つけたのですが、これほどの雑誌を持ち帰っていいのか判断がつかず、思わずお店の人に確認してしまいました。
 
 さて、私は現在デミオGL−Xに乗っており、これで私のライフワークである「日本の国道全線走破」を楽しんでおります。各国道では、ルートナンバーの看板とともに愛車の写真も撮っています。(ポジではなくネガですが)これは前述の四国旅行以来約8年に渡って継続しており、現在のところ、全国の国道のうち、走破率は約40%といったところです。デミオは買ってまだ1年ですので、せいぜい新潟まで行ったぐらいですが、最初の愛車のファミリア・スーパーXEでは東北を縦断して北海道をまわりました。 このような私の趣味に合致するクルマは、
1、燃費がよい
2、長距離ドライブでも疲れない
3、小回りが利く
4、荷物がたくさん積めて、しかも車中泊も快適
5、もちろん、スタイルが良い
以上の条件を満たしたのが、数あるクルマのなかでもデミオだけだったというわけです。
 
このような私が、MAZDA WORLDの雑誌づくりにおいて参加できましたら、この上ない幸だと思っております。一見の価値ありか、と目に止まられましたら、ご連絡下さい。
最後に、貴誌の益々のご発展を期待しております。
                                      草々
 
 
〒573 枚方市星丘3丁目14ー21
 
井上 修一 28才 会社員
 
TEL&FAX 0720-98-2621
 
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デミオリポート
1、購入動機・使用状況
・「燃費がよく、コンパクトで、荷物がそこそこに積める」という自分の欲求を満たしていたから
・「マルチパーパスコンパクト」のコンセプトに自分の希望が合致していたから 
2、動力性能
特にストレスは感じない
3、操縦性
・最小回転半径4.7mは狭いところでも大活躍
・ホーンが鳴りにくい
4、快適性
・程よい硬さのシートが疲れを感じさせない。また、アイポイントが高いため長距離のドライブでも疲れない。
・多彩なシートアレンジは魅力
・このクルマにこのサスはハードすぎる。175/60のタイヤも疑問
5、装備
 
6、造り
・Aピラーが太い
・ドアポケットが小さい。地図を入れると音がこもって聞こえにくい。
・助手席のダッシュユポケットは非常に便利。
・灰皿にライトをつけてほしい
7、燃費
12/8 332km 27.2L 12.2
1/12 354km 31.5L 11.2
1/19 414km 33.7L (長距離) 12.3
3/2  331km 32.5L 10.2
8、不調故障
 
 
9、その他
・引っ越しでも大活躍。こんなもの載るかなというものでもデミオは飲み込んでしまう。
・妙に丸すぎないデザインはグッド
・リアハッチは外からでも開けられるようにしてほしい
 
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平成十年六月三0日
八重洲出版ドライバー編集部「読者街道」係御中
 
「昨今オーディオ事情」
 
 この十年でのカーオーディオに関する進歩はめざましい。私が免許をとった十年前といえば、CDチャンジャーが出始めていた頃だが、当時CDプレイヤーをつけているクルマなどごく少数で、ほとんどの人は1DINデッキアンプに4スピーカーを組んでサウンドを楽しんでいた。それがCDは当たり前となり、カーナビが普及し初め、カセットの代替えとしてDATとMDが地味な競争の末MDが勝利となり、序々にカセットデッキの領域を侵しつつある。さて、いまやオーディオは残るメディアをめざして戦国時代といった様相を呈しているが、これからカーオーディオを組むとしたらどんなシステムがいいのだろう。自分が持っているソフトの環境を照らし合わせて考えてみた。まずカセットはやはり現時点では手放せない。MDはカセットに代わる有力候補だが、いかんせんディスクが高すぎる。いま持っているカセットのソフトをすべてMDに録音し直すなんていくらお金があっても足りない。CDも必要だろう。これもすべてMDに録音というのは現実的でない。といつつ、最近借りてきているレンタルCDはすべてMDに落とし込んでいるのでMDプレーヤーも外せない。カーナビはまだ過渡期と思うが、いま買うなら絶対DVDだ。検索のスピードがCD−ROMとでは話にならない。モニタは7インチくらいが妥当か。
 さて、これらのハードをどうやってクルマに積むか。我が愛車のデミオは、セパレートの1DINスペースが2つ。これに、デッキとCDプレーヤー、MDプレーヤーにカーナビ、そのモニタ。おい! いったいどうやって組み込むんだっ!! これはどういうことなのだろう。免許取ったころは空いたDINスペースには千五百円くらいの小物いれで誤魔化していたというのに。カセットデッキは必然的に1DINを占領する。ならば残りの1DIN。CDとMDはチャンジャーという手もあるが、前のクルマでチャンジャーをつけていたとき、ディスク交換の煩わしさに辟易した。いまの愛車にはシングルプレーヤーを付けている。しかし、MDのオリジナルソフトのことを考えると優先順序としてはMD。よってCDはチャンジャーにしてラゲッジに据え付け。ナビはシート下にでもつけてモニタを立ち上げる。しかし、あんまり使いやすそうじゃないな。他の国産車を見ても、モニタがポップアップになって収納できる以外は、どのクルマでも問題は解決しないみたいだし。根本的にオーディオ関係のスペースが不足している。背の高いミニバンなど、トラックみたいにルーフに付けることできないのかな。けっこう格好いいと思うんだけど。それとも、自分が欲張りすぎてるんでしょうか。皆さんは昨今のオーディオ事情、どう思われています?
 
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井上 修一  28歳   会社員
 
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平成十年十月三一日
八重洲出版ドライバー編集部「読者街道」係御中
 
「自動車産業の未来予想図」
 
 日経ビジネスの一〇月一二日号に、「自動車の未来」という特集があった。記事の内容は三つの柱で構成されていた。一つは、燃料電池の登場でガソリンエンジンがなくなる可能性があるということ。二つめは、ITS(高度道路交通システム)の実現で、自動運転が可能になるということ。もうひとつは、インターネット販売が広く普及すること。これらによって、日本の自動車産業構造がここ近年において大幅に変わるであろうという内容であった。ITSは一部において実現するかもしれないが、そう簡単に普及するとは思えない。莫大なインフラ整備費用が必要だということは素人でも容易に想像できる。インターネットも、単価が高く、さらにある程度嗜好性が伴うという自動車という特殊な領域において、通販がそれほど躍進するとは思えない。クレーム修理やメンテナンスの件でディーラーはその存在価値を失うことはないだろう。食品や衣服とはわけが違うのだ。また、燃料電池で走るクルマが市販されたとしても、早急にガソリン車が姿を消すとは思えない。このあたりは、本誌でも館内氏が述べられていることに、まったく同感である。しかし、小生がこの特集でショックを受けたのは、完成車メーカーと部品メーカーの力関係が逆転する、ということだ。そのポイントは燃料電池であるらしい。各社の燃料電池車開発スケジュールは、ダイムラーが二〇〇四年に量産を開始するといいだすと、GMも同年に実用化を発表。これに対しトヨタが二〇〇三年に発売するといえば、本田が二〇〇三年、日産も二〇〇三〜二〇〇五年商品化するといいだしている。ところが、この燃料電池、ほとんどのメーカーはカナダのバラードという会社から購入しているとのこと。ちなみに、バラード社はダイムラーとフォードの三社で共同出資で、燃料電池車を生産開発する会社を発足させている。技術的難易度の高い燃料電池は、パソコンのインテル社のように、その市場をほぼ押さえる世界の業界標準企業になりうるわけである。そこで問題になるのが、自動車は、その要であり付加価値の大部分を担ってきたエンジンを外部から「購入」することになる。各メーカーが差別化をはかり、またメーカーを頂点としたピラミッド型産業構造のメインともいえるエンジンの部分は、主導権が完全に「部品メーカー」の手中に収まるというわけだ。そのぶん、各自動車メーカーは、エンジン(燃料電池)以外の部分で差別化をはかっていかなかれば生き残ることはできない。各社が発表している来世紀初頭に実用車が出てきても、それがどれくらいの速さで普及することになるかはわからない。けれど、自動車業界をとりまく情勢はこの数年で大きく変わるのだろう。出力の数値等で見た目の差別化を押し出しているようなメーカーは生き残ることができないのでは、と思えてしまう。伏木氏が常々おっしゃっている「走りをデザインする」ような発想が、これからのメーカーにはいっそう要求されるだろう。そういう観点で日本の自動車メーカーを眺めてみると、「勝ち組」「負け組」が見えてくるような気がする。ちなみに、トヨタはあくまでも自前にこだわり、松下電池工業とグループ各社に呼びかけ、独自の開発を行っているらしい。寡占企業に支配された市場には、おもしろいものなど出てこない。私はトヨタを応援したいし、ぜひ独自の商品化を実現させてほしい。メイド・イン・ジャパンの名にかけても。
 
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井上 修一  29才
 
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平成十年十一月十六日
八重洲出版ドライバー編集部「読者街道」係御中
 
「無差別級燃費バトルをやってください」
 
 不景気で、給料が下がるどころか、給料が入ってくるのかどうかさえ危うい今日この頃。こういうときにクルマの出費で気になるのは、税金・保険といろいろあるけれど、やはり燃料代、つまり燃費だろう。とくに、小生のように長距離走行が多いと、最近のリーンバーンや直噴エンジンとやらは、おおいに興味をそそられる。バブルの頃、シビックに、いかにも頼りなさそうな細いタイヤを備え、ウォッシャータンクにビニール袋のような素材を使って軽量化をはかった低燃費車などがあったけれど、本格的な低燃費車はトヨタのDー4が先駆けだった。その後、三菱のGDIが現れ、とうとうハイブリッドカー・プリススが世界の注目を浴びて発売された。その後も、日産やスバルからもリーンバーンエンジンが続々と登場してきている。しかし、直噴はたしかに燃費はいいが、すべてハイオク仕様。経済性に関しては、一概に良いとはいえない。そういう観点で考えると、やはりディーゼルか。ちなみに、わが愛車の、マイチェン前のデミオGL−X(4AT)は、一〇・一五モードが一四.八km/g。実際町乗りでは一〇km程度。夜中の国道を走って約一四〜一五km。しかし、最近登場したプリメーラの直噴・ハイパーCVT仕様は一七.六km。ちょっと待て、というデータ。まあ、ハイオクだからまだ許せるが。そこでどうでしょう。「無差別級燃費バトル」というような企画をやってみては。MT/AT、二駆/四駆、ガソリン/ディーゼル、ミニバン/セダン、排気量関係なし、軽も含めて、あくまでも燃費を主題として経済性を競う誌上対決を行ってみては。「これじゃコンパクトカーの意義が薄れるなあ」なんて発見があるかも。もちろん、そうなったらメーカーの奮起を期待する、ということになるのだけれど。そういえば、そのコンパクトクラスに燃費の良さを全面に押し出せるエンジンがないですね。やっとサニーで一五〇〇ccのリーンバーンが出てきたけれど。この一六.八km(十・十五モード/4AT)も立派。プリウスは別として、もっと強烈な低燃費車出てこないかな。燃費で思い出したけれど、目先のことでこれをよくするにはアイドリングストップ。これは環境保全にも貢献できる。最近のバスは、ギアをニュートラルに入れるだけでエンジンが自動的にストップする。クラッチを踏めば再起動するらしい。乗用車にも何らかの「装置」が必要かもしれない。たとえば、Pレンジもしくはサイドブレーキを引いた状態で一分以上経つと、キー抜き忘れ時に鳴るような警報音を出す機能をを備えるとか。ところで、冷凍車ってフェリーに乗っているあいだはどうなってんでしょう? 以前航行中に冷凍トラックのエンジンから出火したというようなことを新聞で読んだことがあるけど。コンテナには発電器のようなものがついているけど、あの電源はどこからとるの? 長距離フェリーにはそれ用のプラグでもついているんだろうか? 誰か教えてくれませんか。
 
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平成十一年二月七日
八重洲出版ドライバー編集部「読者街道」係御中
 
「高度な新交通システムは僕たちを幸福にするか」
 
 
 3−5号、舘内氏のインアンドアウトを読んで、目の前のモヤが一気に晴れたような気がした。「ITS」と呼ばれる新交通システムの件である。昨年あたりから一般新聞紙上にも頻出するようになったこのことば。クルマの全自動運転を開発するこの計画を雑誌で読んだのは、かなり以前のことだった。そのときは遠い夢物語と、さして関心もなく読み過ごしていた。
 ところが、ここにきてそれが夢ではなくなる様相を呈してきた。上信越道が開通する直前、無人運転の実験が行われ、最近では日産が実用車を発表し、各メーカーも研究開発が中盤にさしかかっているような話を聞いたりする。こういった報道を聞く度、どうもすっきりしない感覚が頭の隅のほうに残り、同時に、このシステムのよい面ばかりが強調されて、どうも腑に落ちないところがあった。氏はコラムで『自動車は、土地や領主にがんじがらめにされていた中世封建社会から、人間を個人として解放したといえる。新交通システムは、自動車を再びコンピューターという土地と領主にしばりつけるものではないだろうか』とおっしゃっている。そうなのだ。いまめざしている技術は、人間の本質を見失った「誤認の桃源郷」なのではないかと。かつて、平等を理想とした社会主義国が崩壊に至った例を用いて『交通ソビエト連邦の建設』と氏の表現は、まさに的を射たものと思う。
 自分なりにITSというものを考えてみた。考えるにしたがって、これは、いまいわれている自動車交通の問題解決には、ほとんど寄与しないのでないかと思った。
 まず、誘導システムによる渋滞緩和だが、結果として渋滞は今よりひどくなるのではないか。その根拠は、第一に、今まで危険性や疲労等でクルマを避け、自転車や公共交通機関を利用していた人々がクルマを選ぶようになり、道路にあふれるクルマの量が道路キャパを著しく越えてしまうのではないかということ。第二に、交通の流れが悪くなるであろうということ。例えば、平日朝の交差点と休日では、青信号1回あたりにさばけるクルマの量が全く異なるという事実がある。平日の朝ラッシュ時は慣れているドライバーばかりなので、すばやい動きで多くのクルマが流れるのに対し、休日では不慣れなドライバーも多く、信号待ちで「この場所なら、朝だと通過できるのに」という経験を持っている人も多いだろう。自動運転の「さばき具合」はおそらく後者のペースになると思われる。
 次に、交通事故の減少についてだが、著しい交通事故減少には至らないのではないか。自分で運転している人は、おそらく制限速度で走る自動運転のクルマにストレスを感じるだろう。無理な追い抜きや発進などで、今までとは違うシチュエーションで事故が起こることが予想される。また事故が起こった場合、どこが責任をとるかという問題がある。全自動運転で他人にけがをさせた場合、現在の法律が有効に作用するのか。新しい法律を作るにも、責任の所在に関してかなりの議論が必要であると思われる。自動なら眠っているドライバー(この場合ドライバーというのが正しいかどうかわからないが)も多いことだろう。そこで事故になれば、加害者はメーカーが、あるいは自動運転を管轄している団体が悪いと主張するだろう。そんなリスクの大きいことを誰も引き受けはしない。仮に、このような事態を懸念し、ドライバーは自動運転でも前方を凝視していなければならない、という法律のもとにこの自動運転が実現されたとしよう。しかし、これほど苦痛なことはない。それこそ「眠ってください」といっているようなものである。まだ運転しているほうが楽のような気がする。全自動運転が有用だと思われるのは、渋滞時の高速道路ぐらいであろう。ただこれも、渋滞出口で人間運転との切り替えが問題になるだろう。うまく切り替えできなければ渋滞の距離を伸ばすだけになりそうだ。
 社会的な観点でITSをみると、郊外・地方において公共交通機関が実質的に経営が成り立たなくなるであろう。現状においても利用者が減っているというのに、ITSが普及すれば利用者減による経営圧迫は避けられない。とくにバス事業は深刻だろう。値上げ、廃止を伴って、低所得者はますます交通弱者になってしまうのではないか。
 以上のような理由で、たとえITSが技術的に確立したところで、これが我々を幸福にしてくれるようなものになるとは考えにくい。だいたい「新交通システム」などと呼ばれるものにはロクなものがない、ということが公共交通で実証済みだ。東京のゆりかもめや神戸のポートライナーなど、この手の乗り物は不便きわまりない。ホームは高く階段が多いし(エスカレータの長さも辟易だ)乗り心地は振動が多く最悪だ。おまけに悪天候に弱く、少しの雪等でもすぐに運休である。こんなものを作るなら地下鉄を延長するか、専用道を作って、最近幕張に登場した連接バスなどを走らせるほうがよっぽど便利で安価なはずだ。これは国の補助金システムに問題がある。「みかけ」の建設費が安くつくから、開発団体はこの誰も歓迎しない電車を走らせようとする。
 開発後も様々な問題が予想されるITSや、不便な電車の建設に注ぎ込むカネがあったら、もっと優先的に投資しなければならない対象物があるように思える。利権が社会的必要性を上まわっているのだろう。
 話が少しそれてしまったが、クルマにまつわる技術はそのほとんどがクルマ社会を快適なものにするべく発展を遂げてきたと思う。この先、環境に対する社会的負担は避けられないだろうし、それによって「クルマを楽しむ」ことの一部分は捨てなければならないかもしれない。けれど、かつて排ガス規制を乗り越えスポーツカーが復活したように、技術の発達によって新たな楽しみが創造されるに違いない。人間とはそういう生き物だと思う。ITSはどうだろうか。ここには、たんに技術だけの問題ではなく、「交通ソビエト連邦」という思想的な要素が含まれている。我々はそういった事実を踏まえて、果たして新しいクルマ社会を受け入れることができるだろうか。いま開発されているシステムは、どうも心地よいものとは思えない。快適な移動手段、渋滞緩和、交通事故防止などの目標は別の視点からのアプローチが、現実的で効率的でもあると思うのだが。
 
 
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ドライバー編集部 読者街道係 御中
 
「買うに値するクルマの条件とは」 
 
 本棚を整理していたら、十年近く前に読んでいた、沢木耕太郎の『バーボンストリート』というエッセイの本が出てきた。懐かしく思い、久しぶりにその本のページをめくっていたのだが、その中に「寅さん」を題材にして映画評論家のことを書かれている文章があった。彼はこのエッセイのなかで、次のようなことを主張していた。評論家が選ぶ映画ベストテンなどは、なぜこれが選ばれているのかわからない作品ばかりである。自分の判断とは隔たりが大きい。それはおそらく、評論家が身銭をきって映画をみているわけではないからだ。「芸術性が高い」などと評される映画は、見終わってから「金を返せ」という代物ばかりで、大衆的な娯楽作品は常に黙殺されている。
 すなわち、一般人は映画に対して相応の対価を払うわけだから、それに見合う映画なのかどうかという基準を持っているのに対し、評論家はほとんど無料で映画を見て評価を下すので、一般人と評論家の間には大きな「認識のズレ」が発生している、というのだ。
 彼が結論としていいたかったのは、大衆娯楽作品の扱いがあまりにも粗末であることに対する批判である。「寅さん」は、ストーリー的にマンネリで、評論家も批判めいたことしか書かない。けれど、このマンネリ映画が長らく大衆に支持され、いつも多くの客を映画館に呼んでいるのはなぜか。沢木氏はこう述べている。「大事なことは、世の中には同じようなストーリーだから見ないという人ばかりでなく、同じようなストーリーだからこそ見るという人が決して少なくないということだ。(中略) 『男はつらいよ』を見に行く人は、自分の好きな、狎れ親しんだ世界に浸りたいからこそ、千五円からの金を払って映画館に入る。」(注:この本の初版発行は昭和五十九年)
 これを読んで「クルマにも同じことがいえるよなあ」と思った。すべてがそうであるわけではないが、概して評論家が絶賛するクルマは、あまり売れ行きがよくないような気がする。クルマとしての完成度の高さと、それを受け入れる市場とのズレがあるのだろう。完成度が高い、というのはどういうことなのか。これは、視点の違いによって定義もまた変わってくるのだろうが、総括的には、時流に合い、コンセプトがしっかりと煮詰められ、それが具現化されたものは完成度が高いといえるだろう。けれど、このコンセプト、というものが厄介なのだ。
 クルマは嗜好性が高い商品である。そういう商品において、コンセプトを絞るということは、最終的には、ある特定のシーンを想定する、ということだろう。しかし、これは生活のなかでも特別なシチュエーションである。クルマのように生活に大きく影響を与える商品は、この特別以外の、つまり日常の使用状況をも含めた想定をしないと、いわゆる「マニア向け」で終わってしまう。ほとんどの消費者は、そういう日常も含めた生活シーンを想定して、対価に等しいかどうか判断して金を払うわけである。売れるためには、日常も快適でなければいけないわけだ。
 クルマに限らず、ものづくりすべてにいえることだが、小ロット生産というのは、こういうデフレ下ではかなり辛い。メーカーに携わるものとして、売れなければ商品化しにくいという事実は身にしみてわかる。売れなければ、廃止せざるを得ない。バブルの頃のように体力が残っていないから。家電でもそうだが、概して提案型商品というのは、まず売れない。というのは、作り手側がコンセプトを絞っていったとき、往々にしてそのコンセプト提案と、実際の使用状況では、かなり違いがあるのだ。作り手の思いと、買い手の価値判断のズレといってもいい。スポーツカーでも快適性は必要。同乗者に気を配っていないクルマは、いっそ一人乗り仕様にして売ればいい。クルマを「走る」ことだけに視点をおいた批評などの解説を読んでいると、シラけた気分になってしまう。クルマ評論家の方はそのあたりをどのようにお考えか。
 GT−Rのようなクルマを否定するわけではない。夢のあるクルマ、わくわくするようなクルマが無くなってはいけないが、それらが必ずしも我々一般大衆の払う対価に等しいとは限らない。その点、アルテッツアの商品化は見事だ。買う人間の心理と、対価への考え方をしっかり見極めている。アルテッツァに対する評価は、発売前はどの雑誌もおしなべて歓迎ムード一色だったが、発売後は手厳しいものもけっこう見受けられる。これらはすべて、視点が「走り」だけに偏った、独りよがり的解説だ。ある雑誌のインタビュー記事で読んだのだが、設計者はこう考えて仕上げたという。このクルマを買う人でも、運転する9割以上は日常で、特別に「走らせる」シチュエーションはごくわずかである。この二つの状況を両立させるように作り込んだと。
 ターゲットはヤングファミリーのお父さん。家族のことを考えないわけにはいかない。けれど、ごく短い時間だったとしても、ひとりでクルマを操る時間を存分に楽しみたい。そういったお父さんの夢をかなえたアルテッツァはまぶしく映り、同時にトヨタの巧みな商品開発力に感心してしまうのである。
 
〒573−0013
枚方市星丘3−14−21
 
井上 修一  29歳  会社員
 
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EV
 
 内燃機関に取って代わる電気自動車もしくは燃料電池車については、ここしばらく大きなニュースを聞かないが、おそらく水面下ではし烈な開発合戦が繰り広げられているのだろう。
 電気を動力源とするクルマがが台頭すれば、電車の技術がけっこう応用されるかもしれない。
たとえば、エンジンに相当するモーターと制御部分。ただでさえ低速トルクが強いモーターに、VVVFインバーター制御が加わるとさらに強力である。新しい電車に乗ると聞くことができる「キュイーンキュイーン」という高い音が連続する、あのユニットである。
 蓄電技術が進めば、低速トルクを必要とする大型車に最適である。(超伝導はどうなったのか)あるいは、最近の電気式ディーゼル車が参考になるかもしれない。JR貨物が北海道で運用している新型ディーゼル機関車は、エンジンで発電し、その電気を使って、車両をモーターで走らせる。この方式は何も新しいものではない。数十年前に実用化されていたのだが、いろいろとトラブルがあったようで、大量には生産されなかったようだ。パワーエレクトロニクスの技術が発達し、安定した運用ができるようになったらしい。これなら、坂道で排気ガスが溜まることがないし、交差点の発進で不快な思いをすることもない。
 かつて、鉄道車両が自動車技術を応用したことがある。富士重工のレールバスは、空調やドアなどにバスのそれをそのまま利用した。車両もこじんまりとして、まさにレールを走るバスそのものだった。目的はコストダウンで、当時国鉄の赤字ローカル線廃止に伴う第三セクター化に大きく貢献したようだ。もっとも、やはり輸送力に難があり、その後はもう少し大きくなったレールバスが量産されるようになったけど、このように、分野を越えた技術導入は、新しい可能性を生み出す。新幹線の技術もなにかに応用できないか、と考えてみた。ひょっとして、近い将来、EVのレースが開催されるようになったら、トヨタ・JR東海連合チームと日産・JR東日本、ホンダ・フランス国鉄(TGV)各連合チームのデッドヒートが展開、なんてことにはならないか・・・。
 
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平成十二年三月一日
 
八重洲出版ドライバー編集部 
「クルマ生活熱中リーグ」係御中
平成8年式 デミオ GL-X
 
 買って間もないときにレポートを送らせてもらってから約三年が経ち、このたびデミオもマイナーチェンジを受けた。デミオはこれまでに何度か改良が加えられており、現在のモデルは私が所有する初期型よりかなり使い勝手がよくなっているようだ。今回は、それらの比較も含めてレポートしたいと思う。
 愛車のデミオが納車されたのは、平成八年の一〇月末。納車には二ヶ月を要した。デビュー間もない当時の型は、最上級のGL−Xでも電動格納ミラーではなく、リヤゲートもオープナーかキーでしか開けることができなかった。これらは一年後のマイナーチェンジで改良され、同時に燃料タンクも40リットルから43リットルに拡大された。エンブレムやグリル、サスの見直しなど、細かな改良は頻繁に行われたが、これは同クラスのクルマが他社からも続々登場し、さらなる競争力を高めるためだったのだろう。デミオの売れ行きは私が説明するまでもないが、マツダとしても予想外だったのではないか。まさに同社を支える屋台骨にまで成長したデミオの牙城を、あっさり奪われるわけにはいかない、というようなマツダの真剣さが伝わってくるような気がする。もっとも、本音では「最初からやってくれてりゃいいのに」という気がしないでもないが。
 さて、私が当時乗っていたサニーの乗り換えでデミオを選んだのは、小さいわりには室内が広く、シートアレンジも豊富で、なおかつ試乗してみて、フィーリングがかなり良かったからである。これらについては、各自動車雑誌に書かれているそのままだが、ほんとうにその通りである。このデミオが火付け役となり、その後続々とコンパクトカーが各社から発売されたが、デミオの持ち前は全く色あせず、名前こそ出さないが、クルマによってはたんにデミオの良さを引き立たせるような出来のものあったと思う。
 三年間デミオを乗った所感は「実に便利なクルマ」ということだ。最小回転半径四.七mで全長が四m以内というスペックは、町中でとても扱いやすい。車庫入れも楽だし、洗車も楽。車内は広々。リヤシートがリクライニングするので、車中泊も快適。シートの出来がいいので、長距離もそれほど疲れない。硬めのサスと程良いパワーで、ワインディングもそれなりに楽しい。
 逆に、欠点は、まずウルサイこと。エンジン、ロードノイズとも大きい。タイヤサイズの175/60・14インチというのも中途半端。市販品が少なくて選べないし、それがゆえに高くつく。それ以外の細かな欠点は、ほとんど改良されたので、ここではカット。
 今まで約四万キロを走ったが、トラブルは一度もなし。燃費は、町乗りで一〇キロを切るくらい。高速では一三キロ台。
 今回のマイナーで最大のウリは、一三〇〇ccのオートマが四速になったことだろう。一五〇〇ccのオートマも改良されているらしいが、試乗できたのは前者のほうだけなので、よくわからない。静粛性も高められた、とのことだったが、これもどうなのだろう。
 むしろ、私が興味をもったのは、オーディオスペースが2DINになったこと。今までは、セパレートの1DIN×2だったが、これでオーディオを選ぶ幅が広くなる。内装の質感は、正直それほど良くなったとは思わなかった。
 さて、そろそろ次のクルマが欲しくなってきたのだが、我が家の車庫はかなり窮屈とあって、思うようにクルマを選ぶことはできない。デミオでもけっこうキツかったりする。ファンカーゴやbBという選択肢もあるが、なぜかトヨタのハイトコンパクトは小回りが利かない。最小回転半径五m以上では車庫入れができないかもしれない。
 となると、次期デミオが気にかかるが、サイズアップはしないほうが賢明だと思う。個人的事情から言っているのではなく、この大きさが多くの女性ユーザーを獲得したはずだと思うし(女性だけじゃないだろうけど)、この扱いやすさを実感しているのは私だけではないはず。
 問題はエンジン。低燃費、もしくは環境をうたった新開発エンジンでないと、並いる競合に勝てるとは思えない。直噴にこだわらなくてもいいだろうが、新エンジン開発は必須だろう。
 見た目だけの装飾を付け足した改良は必要ない。シンプルな素性の良さがデミオの取り柄なのだから。燃費や静粛性を向上させたり、シートアレンジの使い勝手を良くしたりするなど、熟成のモデルチェンジを期待したい。
 
 
 
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