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「開通まぢかの東西2つの道路考察」

八重洲出版ドライバー編集部「読者街道」係御中
 
「開通まぢかの東西2つの道路考察」
 
 今年の冬から来年の春にかけて、関東と関西にふたつの海を跨ぐ道路が開通する。東京湾アクアラインと明石海峡大橋である。どちらも完成には大きな期待がかかっているが、通行料金の設定が以前から話題になっていた。紆余曲折を経てアクアラインは四千円、明石海峡大橋は二千六百円(いずれも海上区間のみの料金)に落ち着いた。アクアラインは当初五千円程度の設定予定が、大幅値下げとなった。事前リサーチで「ほとんど利用しない」という回答の多さと、本四公団の料金設定に触発された格好だ。五年間の期間限定特別割引という条件付きにせよ、利用者にとってはありがたいことだ。ついでに瀬戸大橋も値下げするらしい。交通量からすると当然の結論だろう。この一抹を眺めていると、東西のサービスに対する考え方というものを感じさせる。かたや日本道路公団、かたや本州四国連絡橋公団という違いはあるが、どちらもほとんど役所みたいなもんである。その公団でも、このように違いがでてくるのはおもしろい。特に明石海峡大橋は今のフェリー利用でも三千円は超える。(明石岩屋間)「損して得するという」関西商売がしみついているのだろうか。このようなことはJRの通勤電車の質をみていてもわかる。東京の人がJR西日本の電車に乗ると、きっと質の高さに驚くだろう。とにかく、このような料金に落ち着いて一ドライバーとしてはやれやれである。ちなみに、名古屋でも来春、伊勢湾岸自動車道が開通する。名古屋港の三つの大橋が「名港トリトン」という名前に決定したそうだ。将来第二東名・名神の一部となるこの道路は夜景が綺麗ようだ。夜景といえば、阪神高速湾岸線である。開通してすぐにこの道路を走ったとき、「この道路は芸術だ」と思った。ぜひ関東の方も走ってみてください。首都高の羽田空港付近もいいけど、こちらは六甲の山裾に広がる逆夜景つき。大阪から神戸に向かう西行きがおすすめです。