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 国道走破のルール

 
 走破をめざすからにはルールがなければならない。というわけで、独自にルールを作っている。基本的には起点から終点までを走ることなのだけれど、鉄道と違って道路の起終点はかなり曖昧だ。ほとんどの場合国道に接続しているので、起終点がわからなくても途切れなければいい、という考え方で走っている。ただし、市街地などは複雑なルートをとる場合も多く、できるだけ忠実にトレースするように心がけている。幹線道路のバイパスが完成したときなどは、めざす方角によってはかなり大回りをしなければならないときもあるが、もちろんこのような場合でも律儀に国道を選択して走る。べつに誰かに報告する義務もないので、適当にショートカットしてもいいのだが、僕自信が納得できないので、「めんどくさいな」と思いながらも遠回りしたりするのである。
 バイパス完成などで同じ国道が併走している場合がある。これは、どちらか片方を走ればいいことにしている。たとえば、箱根新道などは1号線に含まれるので、こちらの方を走れば「クリア」である。時間があったり興味があれば、旧道を走ることもあるが、そのときの気分次第だ。余裕があれば旧道の方が楽しいことが多い。町並みを観察できるし、おもしろい発見があったりする。渋滞に巻き込まれる可能性も高いが・・・。
 昼夜は問わない。東京、大阪、名古屋などの大都市は夜中に走る方が効率がいい。昼間は走る気にならない。これは区内・市内に限らず、その周辺の衛星都市にもあてはまる。むしろ周辺の都市の方がよく混雑するくらいだ。あくまでも趣味でやっているので、うんざりするようなやり方はとりたくない。もともと夜の走行が好きなので、都市部は夜を選んで走ることが多い。もっとも、写真撮影は困難で、三脚を立てバルブ撮影を試みたり、昼間に絵になりそうなところへ行きなおして撮影、というかえって効率が悪いようなこともするのだが、まあ趣味でやっていることなので、そのあたりは適当だ。
 やっかいなのが「重複区間」である。国道はこれが多い。たとえば、国道8号線は、起点が新潟市で終点が京都市なのだが、滋賀県の栗東町から京都市までは1号線との重複区間である。地図等には一般的に若い数字が示されるので、地図を見ただけでは栗東町が終点かと思ってしまう。実際、この区間に8号線の表示はない。このような「重複区間」が国道にはあらゆるところに存在する。何でそれを調べるかというと、僕のバイブルともいうべき「道路時刻表」に載っているので、これを参考にする。これは高速道路のサービスエリアや道の駅、大都市の大型書店などで売っている。発行は毎年8月上旬。時刻はあてにならないが、国道のデータがぎっしり詰まった、その筋の人にはたいそうありがたい書物である。これで正確な起終点を調べ、重複区間も「走り残し」がないよう、丹念に道を進むわけである。
(‘98/9/7記)