インクジェットペーパーをいろいろ試している。プリンタがキヤノンip9910なので自然と純正紙を使う機会が多いが、表現の幅を広げるため純正紙と違った仕上がりをする紙を自分なりに試している。 とくにモノクロ表現は色転びをはじめ、階調表現などで銀塩プリントの格差が大きい。モノクロプリンタではEPSONのPX-G5500の評価が高い。しかし店頭で見本を見た限り、銀塩プリントには及ばない。むしろ新しいモノクロ表現と捉えた方が良さそうだ。 さてピクトリコのベルベッティである。光沢ではないのだが、かといって半光沢という表現もあてはまらない。独特の風合いである。ベルベット調という表現は想像がしにくいが、要はしっとりした表面である。したがってシャドーはつぶれやすい。最初使ったときは、これはモノクロでは使い物にならないと思った。モノクロの階調が出ないからである。 しかし、これはこれで味があると思い始めたのはフラットな画像をプリントしてみたときのこと。快晴下でオレンジフィルターをかけたような強いコントラストは向かないが、逆は謳い文句どおり、しっとりした表現ができる。曇りの日にぼんやりと眺めた風景のイメージといえばいいだろうか。 顔料プリンタよりも染料プリンタの方が相性がいいと思う。 |