Canon ip9910


 
 以前メインで使っていたのはエプソンPX-G900。顔料インクで光沢紙も印刷できるタイプである。(ただしA4まで) それと比較しての感想。

 もともとこのプリンタを買った理由は、写真展があるのでA3対応のプリンタを必要としたことがきっかけだった。比較対象としてはエプソンのPX-G5000。価格も9910よりわずかに高いぐらいでどちらの機種にするか少し迷った。しかし、染料インクのしっとり感を手に入れたかったのと、ちょうど新インク対応のこの機種が発売されたことから決心がついた。

 顔料は鮮やかで見栄えのある色を出してくれる。色あせに強いという以外に、出力後すぐに色が安定しているのでプリントのやり直しが素早くできるというメリットもある。いっぽう染料は出力後最低でも1時間、できれば1日置かないと色が安定しないので、作業効率はかなり落ちる。この色が安定するという要素はけっこう重要で、とくに後述するモノクロでは厄介の種となった。わかっていたこととはいえ、やはり正直面倒くさい。

 それでもスピードに関しては、このキヤノン・9910は素晴らしい。A4の最高画質でもあっというまに出力が完了しているという感じで、すぐに次のプリントにかかれる。

 プリンタドライバはいろいろ触ってみたが、エプソンほど細かい設定はできない。しかし、フルオートでかなり近いイメージのものを印刷してくれる。少し設定を触ってみたのだが、ほとんどの場合プリンタに任せるのがいちばんきれいだった。PX-G900はモニタのプレビューと印刷結果の差が大きかったのが、こちらはその差も少ない。結果的に、プリンタお任せで済ませることが多くなった。

 モノクロについてだが、かなり緑に転ぶ。プリントした直後は赤気味。ちょっと赤すぎたかな、と思っても翌日は少し緑に振れている。数日たつと、もっと緑カブリを起こしたこともあった。フォトショップのレイヤーでカブリ調整を行った後でも、ストレートプリントよりはマシだが、やはり緑側に転んでしまう。用紙はPX-G900のときからコニカミノルタのフォトライク・シルキーを愛用していたのだが、キヤノン純正紙のほうがまだ緑転びが少ないので、最近はもっぱらスーパーフォトペーパーで出力している。

 カラーはモノクロほど用紙にこだわりはない。純正紙はもちろんだが、フジの写真仕上げもなかなかの出来だった。
 以後も用紙による出力の差を確認していく予定である。



<スペック>
吐出方式
 
FINE(Full-photolithography Inkjet Nozzle Engineering)
解像度(dpi) 最高4800(横)×2400※1(縦)
プリントヘッド 総ノズル数 計6144ノズル
各色ノズル数 Y/M/C/BK/PM/PC/R/G×各768ノズル
プリント幅 最長322 mm(12.7inch) フチなし時:最長329mm(13inch)
プリント可能領域(カット紙) 完全フチなし
プリント時※2 上下左右0mm(対応用紙サイズ:A3ノビ・A3・A4・はがき・L判・2L判・パノラマ)
通常時 上端3mm、下端5mm、左右:3.4mm※5(レター・リーガルは左:6.4mm、右:6.3mm)
自動両面
プリント時 -
使用可能用紙サイズ※3 カット紙/当社純正紙 A3ノビ〜A5・レター・リーガル・洋形封筒4号/6号・長形封筒*3号/4号・はがき(官製はがき・インクジェット官製はがき・当社純正はがき)・往復はがき(官製往復はがき)
*Mac OS Xは非サポート
当社純正用紙のみ L判・2L判・パノラマ
自動両面プリント可能用紙 -
給紙方式 ASF
給紙可能枚数 普通紙(64g/m2、A4) 150枚
官製はがき 40枚
DVD/CDダイレクトプリント 12cm/8cmメディア(プリンタブルディスク)対応
インタフェース USB 2.0 Hi-Speed(Bポート)/USB(Bポート)/FireWire(Macintosh専用)
制御コード※4 BJラスタイメージコマンド(非公開)
インクタンク BCI-7Y/7M/7C/7BK/7PM/7PC/7R/7G
インク残量検知機能 光学式/ドットカウント併用方式
主な付属品 インクタンク一式/アプリケーション一式/プリンタドライバ一式/使用説明書一式/データマニュアル一式(CD-ROM)/CD-Rトレイ
稼働音 約37dB(A):最高品位時
動作環境 温度:5〜35℃ 湿度:10〜90%(但し、結露しないこと)
消費電力 プリント時:約28W/待機時:約1.8W
電源 AC100V 50/60Hz
外形寸法(横幅×奥行き×高さ) 577×334×182(mm)
質量 本体:約9kg
※1 用紙の下端で最高4800×1200dpiになります。
※2 完全フチなしプリントに対応している用紙の種類は、プロフォトペーパー/プロフォトはがき/スーパーフォトペーパー/スーパーフォトペーパー・シルキー/エコノミーフォトペーパー/マットフォトペーパー/キヤノン光沢紙/フォト光沢ハガキ/ハイグレードコートはがき/官製はがき/インクジェット官製はがきです。また、完全フチなしプリント時、用紙の後端に近い部分でスジやムラが発生する場合があります。
※3 対応の当社純正用紙についてはこちらでご確認ください。
※4 BJラスタイメージコマンドはMS-DOSに対応していません。
※5 ファインアートペーパーは、上下端3.5mm、左右3.4mmはプリントできません。
 
1分間のプリント枚数 カラー 15枚
モノクロ 17枚
1枚のプリント時間 A4イメージ 51秒
L判フチなしイメージ 32秒
 
※ プリントスピードは、すべてオートシートフィーダの給紙から排紙が終了した時点までを測定。
 
 
1枚当りのインクコスト A4イメージ 40.0円
L判フチなしイメージ 15.1円
 
※ インクコストは税別表示です。
※ 用紙およびヘッド部分の消耗によるコストは含まれません。
※ インクコストは、当社測定環境下における参考値です。実際の使われ方に応じて変動しますので、あくまでも目安としてご覧ください。
※ 測定方法の違いにより、一部機種においてマニュアルと異なる場合があります。
※ 同じヘッド/インクカートリッジを使用している機種でコストが異なるのは、各機種のプリンタドライバ側の色変換処理が異なるためです。