RICOH GR DIGITAL





 
 満を持して2005年10月に登場したGRデジタル。当初は冷ややかな目で見ていたが、次第にこのカメラに惹かれていくようになり、その年の暮れに購入。コンパクトデジカメで8万円弱というのはかなり高価だが、それなりの価値があると納得しての購入。価値とは単焦点レンズの優秀さ、しっかりとして質感のあるボディ、よく洗練された操作性など、使ってみて満足感はさらに高まった。
 しかし、買って3ヶ月もしないとき、突然不調に見舞われた。電源を入れてレンズが繰り出すとき、途中で止まってしまい、電源もきれなくなった。レンズがむき出しの状態である。ネットを調べると、前年暮れに購入した人に同様の症状が出ているらしい。いわゆる不良ロットと疑った。店に持って行くと、あっさり交換してくれた。こちらから要求せずに交換してくれるとは意外だったが、同様の事例が多発していたのかもしれない。
 で、気を取り直して撮影していたが、2週間後また同じような発症。いいかげんこのときは腹が立ち、店に返品を申し出たら、これもあっさり受け入れてくれた。狐につままれたような気分。やっぱり不良が多発していたのだろうか。
 そんなわけであっさりさよなら。写真が撮れないカメラはたんにがらくたである。しかし、それにしても8万円弱するカメラがこうも故障多発とはいかがなものか。ちょっとメーカーに対して不信感が残る。金銭的には損をしていないが、お金の問題でなく気持ちの問題である。カメラは消耗品ではない。
(2006.5記)


2005.12 京都・河原町