Canon A-1

 
 デジタル中心でやっていて、たまにフィルムを使うと「いいなあ」と思うことがある。自分が撮っている写真は記録や説明のための写真ではなく、作品としての写真である。必ずしも高精細な画像である必要はない。むしろきれいすぎる絵がメッセージを潰してしまうこともある。
 とくにネガの柔らかな味わいに気づいたのは、高画素デジタルカメラでピントのきっちり合った緻密な写真に傾倒していたせいかもしれない。

 また、自分でフィルムを巻き上げピントを合わせる、という行為がとても大切なことのように思えてきたこともあって、MFカメラを増強することにした。すでにAE-1PROGRAMを持っており、以前にNewF-1を使ったこともあり、今回はA-1というわけである。オークションでシャッターの鳴きがないものを選び落札。

 当時プロが使っていたこともあって操作性は上々。今のカメラと比べてはいけない。当時でこれだけの機能を揃えていたのはすばらしいと思う。絞り優先AEの使い勝手は悪いが、キヤノンはシャッター優先AEをポリシーとしていたので仕方ない。A-1の特徴ではなくMF機の特徴であるが、やはり絞りはレンズのリングで動かす方が使いよいと思う。

 さてこのカメラ、最初にフィルムを通したときは何の問題もなかったのだが、しばらく置いてフィルムを通したとき、ネガには同じ箇所に大きな黒点が見つかった。プリントすると白い。絵によって強弱がある。どうやらシャッター幕に穴があいているようだ。巻き上げて直後に撮った写真は点が小さい。巻いてからしばらくおいて撮ったものは感光されている点が大きくなっている。原因は不明。修理するにも高くつきそうで、直すかどうか迷っている。現在休眠中。


京都・東寺
NewFD50mm F1.8 FUJIスペリアVenus400


<スペック>
型式 35mmフォーカルプレーンシャッター式一眼レフレックスカメラ
画面サイズ 24×36mm
標準レンズ FD55mm F1.2SSC、FD50mm F1.4SSC
マウント FDマウント
シャッター 4軸式の布幕横走行フォーカルプレーン1/1000、1/500、1/250、1/125、1/60、1/30、1/15、1/8、1/4、1/2、1、2、4、8、15、30秒、B、X、全速電子制御式、10、2秒の時限調節式セルフタイマー内蔵(LED点滅作動表示)、多重露出可能 (多重露出レバーのセットによる)、レリーズ方式は電磁式
フラッシュシンクロ X接点、ドイツ型ソケットおよびホットシュー式
ファインダー ペンタ固定アイレベル式、倍率0.83倍、視野率=上下93.4%、左右95.3%、スクリーン中央にスプリットイメージ式距離計、その周辺にマイクロプリズム式距離計を備えたフレネルマット式、アイピースシャッター機能付き、サービスの対応の交換スクリーン6種完備、*後に スクリーンは明るくシャープネス性能に優れたレーザーマットに変更
ファインダー内情報 7セグメントの赤色LEDによるデジタル表示(シャッタースピード、絞り値、専用スピードライト使用時の 充電完了信号、マニュアル表示他、各種の警告信号)
測光・露出制御 SPC素子使用、TTL開放中央重心平均測光/TTL絞り込み測光、露出補正機構=±2EV、AEロック可能、AEモードはシャッタースピード優先式AE、絞り優先式AE、プログラム式AE、絞り込み実絞りAE、スピードライトAE、(専用スピードライト使用時) の5モード、モード入力はセレクターによるダイヤルインプット方式、測光連動範囲はEV-2〜18(ISO 100:F1.4)、フィルム感度使用域はISO 6〜12800(1/3ステップ)
使用電源 6Vの4G-13型酸化銀電池又は4LR44アルカリマンガン電池1個、バッテリーチェックはボタン押しLED 点滅周期式
フィルム装填・給送 裏蓋開閉スプール差し込み式、上部レバー120度回転、予備角30度(小刻み巻き上げ可能)
フィルムカウンター 裏蓋開放に連動して自動復帰する順算式(巻き戻し時逆算)
フィルム巻き戻し 折り畳み回転クランク式
大きさと質量 141×92×48mm、620g(ボディ)