写真関係資料 目次へ

コンパクトカメラ研究
 
 
●サイト冒頭
 一眼レフより小さいデジタルカメラの可能性を模索している。デジタル技術の発展によって、新しい表現が生まれるかもしれないと期待するからである。
 
 実は、私は一眼レフ大好き人間でもある。フィルム中心の頃はポジがメインフィルムだったので
何より一眼レフが使いやすく、時折リコーのGR-1で撮影もしていたが、これを持ち出すのは「一眼レフを持っていけないから」という理由からだった。スナップ中心なので広角系のレンズがついていれば画角は問題ないが、露出補正ができないことにはポジは使い物にならない。操作性も問題で、すべてがオートというのは、作品づくりにおいてはかえって使いづらくなる。必然的に選択肢は少なかった。
 
 デジタルになって、フィルムという大きな制約がなくなり、大きさ・形とも様々なコンパクトカメラが出現してきた。一眼レフはたしかに使いやすくていいのだが、その構造上どうしてもかさばる。デジタルに限っての話しをすれば、液晶モニタでは撮ってからの画像しか見ることができない。
 
 コンパクト機なら、モニタを見ながら露出の調整ができるし、ファインダーをのぞかなくてもモニタを見ながらの撮影ができる。バリアングルモニタなら撮影の自由度がさらに広がる。そういった利点はフィルム時代には考えられなかったものだ。逆に言うと、デジタルならではのメリットともいえるので、これらをうまく使いこなせば新しい表現ができるのではないかと考えた。
 
 ただ、現状のコンパクト機は、操作性についてはとても一眼レフにはかなわない。コンパクト機ならではの機能がこの弱点を上回るメリットを生み出すのか。個人的にはとても興味をもっている。ここでは、コンパクト機の秘める可能性について研究してみたいと思う。
 
●サイト GX
 リコーCapioG4wideはデジタルにのめり込むきっかけとなったカメラである。2003年8月当時、それまで頑なにデジタルを拒み続けていた私は、モノクロをやりたいということでデジタルを検討しはじめた。銀塩では暗室確保や作業時間、子供が小さいことによる薬品保管など問題が山積していた。
 
 デジタルで銀塩の奥深いモノクロ世界が100%再現できるとは思っていなかったが、自分で画像をコントロールできることは変わりないので、どこまでできるかの検証も含めてテストしてみたくなったのである。
 
 いきなり一眼レフに手を出す勇気はなかった。ちょうどキスデジタルが発表になった頃なのだが、デジタルを実際自分で使ってみて納得できるものかどうか、その検証をするには高すぎる買い物と思い、コンパクト機を探すことにした。条件は28mm画角を備えていること。当時はこのG4wideくらいしか選択肢がなかった。
 
 幸いSDメモリカードが使えるし(CFでも良かったが、XDピクチャー、メモリースティックは自分の中では対象外)電源も別売の専用充電池以外に単3が使えるのもいい。実売価格も3万前後と手頃。とあるプロカメラマンのサイトではレスポンスがいいとの評価が書かれており、とりあえず最初の1台としては不満ないと、発売日当日に買った。ちなみに、デジカメはこれより3年ほど前に一度買ったことがあるのだが、レスポンスが悪くて使い物にならないという痛い経験をしていた。なので、シャッターのタイムラグが小さいという点でもかなり魅力があった。
 
 G4wideはそのプロカメラマンが言うとおりとてもいいカメラで、というか他のデジカメをほとんど知らないので比較した結果ではないが、少なくとも私の中では満足できるカメラであった。。自分で加工してプリントする過程を幾度か経験すると、デジタルへの疑念はすっかりなくなり、数ヶ月後にはデジタル一眼レフの購入へ発展していく。当初目的のモノクロ云々よりも、カラーで画像をコントロールすることの喜びが大きかった。
 
 そのようなわけでG4wideが大活躍していくのだが、デジタルにのめり込み知識や技術が蓄積されるに従って不満も出てきた。いちばんの問題は画素。A4にプリントしてコンテスト応募というのが創作活動のメインなので、324万画素は少しきつい。A4ではやはり400万以上は欲しい。そう思っていたところ、今年2004年5月、500万画素クラスのGXが発売というニュースが入ってきた。
 
 
●キヤノンPowerShot PRO1研究〜購入まで
 コンパクトカメラの可能性を求めて、ハイエンドデジタルを少し調べてみた。早い話、買うに値するものがあるかどうかということ。この春に数社から発売されたのだが、あまり詳しく見ていなかった。雑誌等でも「明確なユーザーが見えない」と否定的だったし、同時は自分も同意見だった。しかし、デジタルもかなり熟成されてきて、自分のなかで「果たして一眼レフでないと作品はできないのだろうか」という疑念が生まれてきた。コンパクトでも画質は十分だということは実証済み。ただ、撮っていて物足りないところや不便を感じることも確かである。そういったデメリットをハイエンド機では改善されているのか。一眼にどこまで近づいているのか。作品づくりに使えるものなのか。そういった点を実証してみようと思ったのである。
 目についたのはキヤノンのPowerShot PRO1。画像エンジンDOGICで画質は心配ない。
ディマージュA2も注目株だが、ミノルタの絵作りはあまり好きではないし、他の機種は興味が湧かなかった。インターネットの掲示板やカタログでだいたいの仕様はわかった。雑誌の特集も読み直して、まずは下記のような印象。
<気に入った点>
・操作性がよさそう(キヤノンに慣れているということもあるが)
・コンパクトである〜以前店頭で触ったときの印象
・バッテリーがキスデジと共通
・メモリがCFで、これもキスデジと共用できる
・バリアングルモニタ〜いろんな可能性を秘めていそう
 
<気になった点>
・ISO50が常用で200、400は実用外ほどノイズが多い
・EVFが使い物になるか〜PanasonicのFZ10を一時使っていたが、見にくかった。
・ズームが電動〜使いにくいのは確定的
・なぜ800万画素?〜宣伝文句ためしか思えない。画素数至上主義はとっくに終焉している、と思っている。
 
 これらを検証するため、カメラのキタムラ寝屋川店へ行ってみた。実機に触って得た感想は、まず操作性については問題なかった。露出補正も背面ダイヤルほどではないにしても、少なくともキスデジよりは使いやすい。これはとても気に入った点である。
 問題のEVFであるが、やはり決して見やすいというものではなかった。「これでストレスなく撮影できるだろうか」とちょっと不安に思った。電動ズームについては使いにくいことには変わりないが、リング式なので思ったほど不便でもなさそうだが、やはり手動にしてほしかったと思う。ただ、重量545gというのは、やはり軽く感じられた。
 価格は思った以上に安くしてくれるようで、かなり迷うところではある。とりあえずいったん家に帰って、頭を冷やして考えてみることにする。
 
 価格コムやその他の掲示板を一通り眺めてみたが、意見として多いのは
・AFの遅さ
・AF合焦までの画面フリーズ
・レンズ内のごみが多い
など。最後のごみの件は別にして、先の2件はかなり辛いところである。本来これらの内容をわかったうえで店に行くべきだったのが順序が逆になってしまった。
 後日ナニワへ行き、上記の点を検証してみる。たしかにAFは遅いし、画面フリーズも困ったものである。広角側ならフリーズ時間も短いと思っていたのだが、けっこうストレスを感じる時間固まってしまう。これでは動くものは撮れないような気がする。スナップでは致命傷である。さらに気になったのは
・シャッター後のブラックアウトが長い
・蛍光灯下でシャッターを半押しするとモニタがちらつく。(EVFも)
 ブラックアウトは仕組み上仕方ないのだが、これも時間が少し長いような気がする。バリアングルモニタで撮るときはまだ気にならないのだが、EVFだとかなり時間が長く感じられる。コンマ何秒の世界なのだが、確実にストレスが溜まる時間である。
 ちらつきは、始め強い光源が画面に入ったときだけかと思ったが、フレーミングを変え床にカメラを向けてもちらつきが発生していた。これもストレスが溜まりそうである。念のためそのデモ機以外に在庫品を出してもらって試したが同じだった。後日キヤノンの相談センターに電話したのだが、蛍光灯に限らず強い光源が画面に入るとその症状が出るようである。床に向けても出たのだが・・・。ちなみに店頭にあったS60等では出なかったし、他のコンパクトもいくつか試してみたがこのような症状が出るのはPRO1だけだった。
 
「これでは使えない」といったんはあきらめた。次機に期待と結論づけたものの、やはり気になる。「28mmで使うことがほとんどだから、レンジファインダー用のビューファインダーを付けたらいいのではないか」など、PRO1肯定の材料が思いついたりするのである。よって今度はヨドバシに行って確認することにした。
 そこではほとんどちらつきは出なかった。蛍光灯の相性があるのだろうか。さらに、いい発見があった。MF時、距離計がバーグラフで表示され、1m,2m,無限大等の表示も出てくる。これなら2m固定などの撮り方ができるし、MF・AF切替もやりやすい。MF時は当然すぐシャッターが切れる。AF時でもシングルモードにすれば若干合焦が速くなるようだ。さらにビューファインダーも取り付けて試させてもらった。総合的に「なんとか使えるのでは」という感触に変わってきた。ちなみに隣にあったディマージュA2は距離表示がデジタルの数字で、2mの次は無限大にいきなり変わるので「3mぐらい」という設定が難しい。露出補正も操作しにくく感じた。
 いずれにせよ、この日の検証で気持ちは固まった。さて、PRO1で新しい世界が開けるのか。もちろんそれは自分次第なのだが。
 
 
*** ジャンル別によるコンパクト機の可否 **************************************
コンパクトが不可能・・・風景、スポーツ、ポートレートなど
可能・・・スナップ、ネイチャーなど
 
<理由>
風景:とにもかくにも画質第一。800万画素ハイエンドでも、ISO50が一眼のISO400と同レベルという実態では選ぶ意味がない。
スポーツ:撮影条件がシビア。高速シャッターと連写が必須。一眼でも高性能なAFを備えたフラッグシップ機が必要。
ポートレート:ボケが命。実質焦点距離が短いコンパクトでは無理。ノイズも厳禁。よってコンパクト機では無理。
 
ネイチャー:接写が多いが、マクロに強いコンパクト機は有利。
スナップ:もともとカメラを選ばない。スナップというのはジャンルではなく撮影手法。でもジャンルを分類して解説を要する場合はネイチャーなどと並記される。個人的にはフットワークが命と思っている。機材は軽いほうがいい。フィルムでは「スナップならレンジファインダー」という意見が多い。その理由は「シャッター音が小さい」とか「小さくて目立ちにくい」「もともとレンジファインダーは広角が有利」など。個人的にはあまり説得力がなく、どちらかというとレンジファインダー機を使うためのこじつけとしか思えないのだが。これらの意見を素直に受け入れると、デジタルコンパクト機では先の2点に関してはメリットが重なる。
********************************************************************************
★キヤノンIXY DIGITAL L簡易仕様
撮像素子 1/2.5型CCD総画素数約420万画素
記録媒体 SDカード
撮影モード プログラムAE
レンズ 6.4mm(35mmフィルム換算:39mm)F2.8
レンズ構成:4群4枚(非球面レンズ1枚)
撮影距離 通常撮影:10cm〜∞ マクロ撮影:3〜10cm
ISO オート/ISO50/100/200/400相当
液晶モニター 1.5型低温ポリシリコンTFT液晶カラーモニター(約7.8万画素)、視野率:100%
フォーカス TTLAF、測距点:5点(AiAF時)/1点(中央固定)
測光方式 評価測光、中央部重点平均測光、スポット測光(中央固定)
露出補正 ±2段(1/3段ステップごと)
バッテリー 専用充電式リチウムイオン電池(NB-3L)
外形寸法 90.3×47.0×18.5mm(突起部を除く)
質量 約100g(本体のみ)
 
●キヤノンIXY DIGITAL Lの研究
 とにかく負担を感じずにカメラを持ち歩きたい、ということで買ったカメラ。だが、デザインにひかれたのも事実。これほどデザインが洗練されたカメラも他にないだろうと思う。加えてタバコの箱より小さいサイズで質量100gは胸ポケットに入れておいても全く違和感がない。さらに39mm相当の単焦点レンズという潔さ。キヤノンは、売れると確信して世に出したとは思えないのだが、実際にはかなり売れている。ブランド力もあるだろうが、手軽さ・わかりやすさとデザインがウケたのだろう。
 こんな小さいカメラなのだが400万画素なのでA4サイズに引き伸ばしてもシャープ。ただし、画面右端は画像が流れる。(私のだけかも) 画質云々というべきカメラではないので、私は特に気にしていない。それより、フィルムではなし得なかったこの大きさに、デジタルコンパクトの可能性を感じたりする。サイズだけでは、ペンタックスのOptioS4なども考えたのだが、正直スタイリッシュな点でこちらに食指が動いた。
 決してメインになるカメラではないが、いつもバッグに、ポケットにしのばせておけるカメラ。よって、あらゆるシャッターチャンスに強いということになる。
 いや、本音を明かせば、ポケットにあるから思いついたらすぐ撮れる、バッグの中なら面倒だから取り出さなかった、あるいは、かさばるから持って出なかった、ということがあるだろうと思う。IXY DIGITAL Lは写欲も引き出してくれるカメラであると思う。
 画像で右側が流れると書いたが、それをのぞけば画質はすばらしい。キヤノンの絵作りはほんとうにうまいなあ、とこの”L”の画像を見ていて思う。大きいカメラならきれいで当たり前。小さいからひいきめに見ているのは認めるが、それにしてもバランスがいい絵作りをしてくれる。私のまわりも「キヤノンの画像は心配なし」という理由でキヤノンを選ぶ人が多い。
 ちょっとリクエストさせてもらえるなら、やはりもう少し広角のレンズが欲しかった。もし、30mm相当の画角を持った”L”が出てきたら。
 そりゃ欲しくなるでしょう。
 
●キヤノンPowerShot PRO1研究〜購入を決断するまで
 正直、買おうかどうか迷った。28〜200mm相当のLレンズがついたカメラとはいえ、価格ではキスデジに匹敵するぐらい高価な買い物である。もともとスナップ撮るのにLレンズなんていらないし800万画素も不要。私の場合、何より操作性がカメラ選びの基準。これは「気持ちよく撮れる」という感覚的な部分も含んでのこと。PRO1は操作性は問題なかったのだが、AFを含めたレスポンスの悪さとEVF(液晶ビューファインダー)の見にくさがストレスを生み出すのでは、ということが懸念点。最後まで気になっていた。
 迷いに迷ったのだが、結局買った。高いコンパクト機と割り切って。そのとおり、コンパクト機にしては高いのだが、高価格を打ち消すメリットがあるのでは、いやきっとあるはず。固定概念を捨てるのだ、と完全にその気になっている。こうなると買う理由を自分でこじつけている感は否めないのだが。
 ただ、今回はかなり店頭で実機を確認した。前述のとおり、いろいろ懸念点があったからである。買う前にこれほど触って確認したのはEOS-1V依頼である。EOS-1Vも買う前に悩んだ。スナップに果たしてこれだけのカメラが必要なんだろうかと。しかし、実際使い始めてとても満足していた。重いにもかかわらず持ち出すのはこのカメラであった。デジタルシフトがなければ今もメイン機として使っていただろう。
 EOS-1Vと同様に店頭でいじり倒していたので、きっと満足できるはず。
 
●キヤノンPowerShot PRO1研究〜購入してから
 とりあえず400カットほど撮った印象。
 操作性は上々。キヤノンが作ったカメラだけあって、そのあたりはよく練られていると思う。以下、検討段階で懸念点としていたことについて。
★1. ISO50が常用で200、400は実用外ほどノイズが多い
 今までフィルムでもキスデジでもISO100を基準として撮っていたので、一瞬戸惑うことがある。とくにPL使用時に「なんでこんなにシャッターが遅くなるの」と思うことがある。撮り続けていると露出1段分にも慣れてくる。「ISO400はノイズが多くてとても使い物にならない」という記事を見かけるが、スナップでA4までのプリントなら何とか使えると思う。実はある個人のアマチュアカメラマンのサイトでISO400で撮った実画像サンプルを公開されており、ダウンロードして印刷テストをしていたので、この点は納得済みだった。神経質な方には許されないレベルかもしれないが、私には十分である。
 
★2. EVFが使い物になるか〜PanasonicのFZ10を一時使っていたが、見にくかった。
 たしかにそれほど見やすいものではない。しかし、今のところバリアングルモニター使用が8割以上である。コンパクトデジカメでこの撮り方に慣れているので、手ブレに神経を使うとき以外はあまりEVFを使用していない。ところでこのバリアングルモニターだが、少し角度が違っただけで見え方が大きく異なる。ふつうに撮っているとかなり露出アンダーに見える。で、モニタと垂直方向に見るとけっこう明るかったりする。(こちらが実際に記録された露出に近い) アンダーを意識して撮ったのに、予想以上に明るいということが多々ある。この点は不満。慣れるか、モニタを引き出して自分の顔の方に向けるようにするかどちらかである。
 
★3. ズームが電動〜使いにくいのは確定的
 人間、慣れとは不思議なもので、それなりに慣れてきた。とはいうものの、いくらリングを回しても一定の速度でしかズーミングしないので、やはりそれなりに使いにくい。でもまあ、ほとんど28mmで撮っているので、これも自分にとっては、さしてたいした問題ではない。
 
★4. AFの遅さ
 確かに遅い。動いているものを撮るには至難の技という気もする。コンティニュアスAFの性能が低いので、MFで置きピンで撮るのが妥当。このカメラを使いこなすのはMFの使い方にあると見た。
 
★5. AF合焦時にフリーズする
 これも困ったもの。撮りたいときに撮れない、よってストレスが溜まるということも何度経験した。★4にも書いたとおり、MFの積極活用で逃げている。被写界深度の深さを最大限利用するようにしている。
 
★6. レンズ内のごみが多い
 レンズの伸長差が激しいのでそれなりにゴミも入ると思う。これはある程度使い込んだ結果を見ないとわからないだろう。価格コムで指摘が多い新品でのゴミ混入だが、あまり目立つゴミは見えない。それほど真剣に見ていないというのもあるが。
 
★7. シャッター後のブラックアウトが長い
 液晶モニタを使用する場合、構造上仕方がないことなのだが、これをいかに短縮できるか。メーカーのコンパクト機に対する力の入れようがこの性能で推測できるかもしれない。現時点ではあきらめているが、この問題で一眼レフも手放せないと思う。
 
★8. 蛍光灯下でシャッターを半押しするとモニタがちらつく。(EVFも)
 今のところ、こういう特殊な条件で撮影していないので何とも言えないが、あのちらつきの中でシャッターチャンスを待つつすれば辛い。これも今後そういうシチュエーションでどの程度のものか体験してみるつもり。
 
 
 
 
 
@@@@@@ 以下 サイト用原稿 @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
 
●キヤノンPowerShot PRO1研究〜
 
●キヤノンPowerShot PRO1研究〜第一回総括
 高機能であるし、コンパクトできれいな絵を作るという点では優秀なカメラだと思う。さて、これで一眼レフが不要かというと、それはちょっと辛い。前述してきたように様々な問題点があり、これらは「いざというときは一眼レフで撮ろう」という保険、つまり安心感が背景にあるから寛容できるのであって、これ一台で作品を撮り続けるというのは、やはり難しいと思う。
 そういう問題点があったとしても、わざわざこのカメラを使う理由は、コンパクトな点とそれ故の機能(液晶ファインダー)ということになる。
 使いこなしのポイントはいくつかあると思うが、まずはMFの積極的な利用だと思う。これでAF時の画面フリーズ、レスポンス等は解決する。実質焦点距離が短いので、被写界深度を利用する。ただし、シーンによってはISO50ではつらいので感度アップが必要だろう。その際、ノイズに左右されないような作画が必要である。
 シャッター後のブラックアウトが長いという不満は、EVF使用時にとくに強く感じる。モニタだとそれほど長く感じないし、被写体の動きも直接見ることができるので、できればモニタを使って撮影したい。ただし、光量が少ないときの手ブレには注意。
 
 
・絵作りは、かなりあっさり。キスデジのデフォルトパラメータ設定に慣れていると、ずいぶん地味な印象を持つ。画像加工する前提ならこれでいいのかもしれないが、できれば一眼レフのようにパラメータ設定ができるとなお良かったのだが。
・フードとフィルターが同時に使えないのは考えもの。設計思想に欠陥があるのではないか。
・撮影情報を画像の外に置いてほしい。一眼レフのファインダーをのぞいたときのようにできないか。
 
 
 
●リコーCapio GXの研究