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第ニ章 有名になる法
 
 
有名になるとは
 
 
あなたが有名になるということは、どういうことなのでしょうか。それは、あなたがどれだけ沢山の人達に知られているか、ということです。
それでは、何人の人に知られていれば有名というのでしょうか。有名とは、数値で計れるのでしょうか。
結論から言ってしまえば、有名とは実体のないイメージの集合体なのです。
辞書で引くと、有名とは、「世間にひろく名が知られていること」、などと説明がありますが、ひろくとはどの範囲を言うのでしょうか。村で有名でも町では有名でない場合もありますし、町で有名でも都市では有名ではない場合があります。
あなたは、友人との会話で「あの写真家は有名」だとか、「有名でない」とかを言ったことはありませんか。その場合の基準はなんでしたか。
簡単に言ってしまえば、あなたが有名カメラマンになれるには、あなたが考えている有名の基準に合うような人物になればよいわけです。
その基準とは、有名新聞社系か有名出版社から写真集を発行した。有名写真展に作品を発表した。有名写真コンテストで入賞した。有名写真評論家から作品を絶賛された。有名人の知己をブレインに持っている。等等。
つまり、無名から有名になるには、有名○○のバックアップが必要だということです。
それでは、このバックアップを得るにはどのようにすればよいのでしょうか。
そのためには、有名についてもう少しその実体を知る必要があるでしょう。
有名になるということを、たとえば次のようなゲームとして考えると理解し易いかもしれません。
同心円の椅子の輪があるとします。同心円の輪が多ければ多いいほど、その団体は権威があるとします。そこで、あなたが外側の椅子から、中心の椅子へいかにして進んで行くかというゲームです。
同心円の椅子の輪では、その同心円の外側より、内側に座っている人のほうが、人数が少ないため人々の注目率が高くなっていきます。注目率が高くなるということが、有名になるということです。
このゲームを応用したのが、名門(有名)ゴルフクラブのブランド作りでしょう。
このゲームでは、まず世界的有名ゴルファーにコースを設計させます。そして、有名建設業者にコースを造成させます。その造成中に、メンバーを集めるのです。ゴルフコースが出来上がっていないのに、名門ゴルフクラブの会員を募集するのです。すこしおかしいと思いませんか。
そのゴルフクラブ会員募集は青田買いですから、名門(有名)のイメージ作りが大切なのです。
そのイメージ作りとメンバーの集め方が、同心円の椅子のゲームというわけです。
まず一次縁故者募集をするわけです。同心円の中心ですから人数は少なく、理事という肩書きがつきます。この募集でいかに超有名人を集められるかで、そのゴルフクラブの運命が決まってしまうといってもよいでしょう。
ですから、一次縁故者は、政界の超有名人、財界の超有名人、そして超有名文化人などです。そのメンバーを顔写真を載せた豪華パンフレットで世間に宣伝し、名門イメージをアピールするのです。そして、その次に募集するのはその業界の少し有名人です。最後に、そのトリックにひっかかるのは、世間的に誇れる中小企業のオーナーなどの成金です。
そのような同心円を構成して、一番外側の椅子を覗き込むのが一般人というわけです。決して一般人はメンバーに入れません。もし、一般人をメンバーに入れたとしたら、名門のイメージが壊れてしまうからです。そのようにして、一般人の入会希望の羨望を喚起させることによりそのゴルフクラブは有名になれるのです。
基本的には、有名といわれる組織はこのメカニズムで構成されているといっても過言ではないでしょう。
以上の説明で、なんとなく「有名」のイメージ作りの方法が理解できたと思います。
もし、あなたが有名になることを望んでいるのなら、このゲームに参加しなければなりません。しかし、参加する前に、このゲームで勝つポイントを知っておく必要があります。
それは、同心円の中心に向かって行こうとしても、同心円の椅子は、外側と内側とは接触していないということと、何処にあなたの座れる空いている椅子があるか分からないことです。それに、中心に行けば行くほど、目標に向かう反発力が強くなって行くことです。
このゲームで、あなたが勝者となるには、そのポイントを理解し解決する方法を知ればよいでしょう。
それらのヒントは、空いている椅子をあなたに教えてくれる人は、あなたの外側に座っている人ではなく、内側に座っている人です。
それと、中心に向かっていくことによる反発力とは、人間関係ということです。
有名カメラマンとなるには、撮影が上手でなければならないということは異論の余地はないと思います。しかし、現実として、腕の良いカメラマンが総て有名カメラマンになれないということは、どうしてなのでしょうか。
それは、有名になるためのゲームのメカニズムを知らないことと、知っていたとしても心情として参加しないからです。
あなたがこのゲームに参加する前に、もう一度、あなたが知っている有名カメラマンをどのようにして知ったかを考えてみましょう。
あなたが、直接会ったこともない外人カメラマンを、あのカメラマンは有名だとか、このカメラマンは有名ではないという基準は何によったのでしょうか。
その基準とは、多分評判だと思います。あなたが、一度もそのカメラマンに会ったこともなく、ましてやそのカメラマンのオリジナル作品を鑑賞したこともないのに、そのような判断を下すのは、あなたが読んだ写真関係の書籍とか写真学校の講義などで聞いた評判などを基準にしたからでしょう。
このことから考えられるのは、有名になる方法のひとつは、権威ある人達に良い評判を語ってもらう必要があるということです。
このことは、箴言第二十七章に「自分の口をもって自らほめることなく、他人にほめさせよ。自分のくちびるをもってせず、ほかの人にあなたをほめさせよ。」と書かれています。
そこで、あなたが有名になるためには、あなた自身があなたをほめるのではなく、ほかの人にほめさせればよいのですが、あなたの何をほめさせればよいのでしょうか。
写真評論家が、写真の歴史上有名なカメラマンの誰それの作品は、どうとかこうとかを論評する場合、その例に持ち出される作品は、その評論家の眼に触れた作品以外にはありえないわけです。その作品は多分オリジナル作品ではなく、写真集などの書籍の中の作品でしょう。
あなたも、ほかの人に知られるために、作品集を創ることは、このゲームに参加するための必須条件でしょう。もし、あなたが創った作品集が歴史に残るものであるならば、あなたは必然的に有名カメラマンになれる可能性があるでしょう。
歴史の流れの中には、写真の教科書で有名なカメラマンより腕のあったカメラマンが沢山いたかもしれません。それらのカメラマンは、作品をひろく知られる手段としての写真集などを創らなかったから、後世の人に知られることなく、歴史から去っていったのでしょう。
さて、このゲームに参加するわけですが、あなたが座るべき椅子を教えてもらうために、あなたは、あなたの内側に座っている人と知り合いになる必要があります。
あなたが、もし有名人の子息であるとしたらこのゲームの勝者になるのは簡単です。しかし、そうでない場合、あなたは、あなたの力で内側の人と接触する方法を考える必要があるでしょう。
その方法のひとつとして、有名カメラマンの助手となることも考えられますが、それとても、採用されるための条件をあなたが兼ね備えていなければなれないでしょう。
ではどうすればよいかといえば、地道ですが、あなたは、あなたの存在を示す作品を創り、同心円の規模の大きな内側の、できるだけ中心の人に観てもらう方法を考え、そしてそのことを実行することです。
つまり、同心円の椅子のゲームで、あなたがまずやることは、あなたの存在をその内側の人達に知らせることです。
その方法のヒントは、「有名人は有名人を友達にする。」ということです。
人に知られるということは、簡単なようで、なかなか難しいことです。それも、マイナスのイメージであるならともかく、プラスイメージで人に知られることはなおさらです。
世の人達は、自分の人生ゲームに夢中になっています。その基本は、状況を自分に有利になるような情報を優先的に取り入れることです。それは、自分と他とを区別して、自身の生命を維持増進させることが潜在意識の回路に刻印されているからです。
ですから、あなたが、あなた中心の人に知られるための方法を色々駆使したとしても、世間の人達は、あなたの存在を意識することはないでしょう。
しかし、あなたのカメラマンとしての存在が、世間の人達の利益になると知れたら話は別です。
ここに、あなたが世間の人達に知られるためのヒントがあります。
あなたのカメラマンとしての活動は、あなた自身のためではなく、広く世間の人達のために行っている、ということをひろくアピールするのです。その基盤の上で、行動することにより、あなたの存在は徐々に知れ渡っていくことでしょう。もしかしたら、その人達の中に、同心円の椅子の内側に座っている人がいるかもしれません。
人に知られるための行動において、人間関係という問題が生じます。同心円の外側であるならば、その問題も大したこともないかもしれませんが、中心に進めば進むほど、その問題も大きくなってきます。
その人間関係の問題の一つは、「嫉妬」です。
人間関係における嫉妬の感情をコントロール出来るとしたら、有名になれる確率は高くなることでしょう。それほど嫉妬の感情をコントロールすることは難しいのです。
嫉妬とは、支配と被支配、あるいは優位と劣位との関係において、自分が被支配あるいは劣位の立場に立ったことを認識し、その状態を変えようとしたが、結果として出来ないと思った時に起こる感情です。つまり、自分が他の人と比べて、不利な状態にされたことに対する怒りの感情をその人に見出す心の動きです。
この感情は、表面上はともかく心の中では強力なエネルギーを内在しています。ですから、このエネルギーをプラスに使えば、これほど強い素材はないのですが、これがマイナス、それも自分の対象者に向けられた場合、厄介なことになります。そのことを一般的には、「足を引っ張る」と表現しています。
ひとは、自由がひとに与えられた特権だと言うのに、思うままに自由に行動したり、暮らすこととは別のことだ考えているようです。一般的に、ひとは自由に楽しく、何の悩みもなく暮らしている人は嫉妬される可能性があるのです。
それとは反対に、何の不自由もなくスイスイと出世したのではなく、個人的に不幸な歴史を持っているとか、苦労に苦労を重ねて暮らしている人には、嫉妬の感情ではなく、同情の感情を示します。
この同情の感情は、嫉妬の感情と拮抗します。つまり、その苦労の人の足を引っ張るのではなく、上に持ち上げてくれる作用を示します。
ここに、あなたを同心円の内側に導いてくれるヒントがあります。
それには、あなたのカメラマンとしての行動は、嫉妬心ではなく同情心を起させることを基本にすることです。
次のことを考えてみて下さい。
例えば、ここに二枚の山岳風景写真があるとします。それらの二枚の写真は客観的に観て、それぞれ同じように人々の心を感動させるものだとします。
しかし、その写真を撮影した裏話として、その一枚はカメラマンがヘリコプターを使い、その写真を撮影したものであるとします。他の一枚はカメラマンひとりで数十キロの写真機材を背負い何日もかかって登山し、その写真を撮影するのに数日間その場で狙って撮影したものであるとします。
さて、その裏話を知った後で、この二枚の写真に、人々は前と同じ称賛をあたえるでしょうか。
前者は評判を落とすことでしょう。しかし、後者は有名カメラマンに変身できる可能性があります。
このように作品を文章で修飾することで有名カメラマンをデビューさせることは、マスコミの常套手段です。そこで、次にマスコミについて考えて見ることにしましょう。
 
マスコミの使い方
 
 
あなたが有名カメラマンになる方法として、同心円の椅子ゲームに参加することを前節で提案しました。そのゲームで勝者となるには、内側の人にあなたの存在を示し、知ってもらうことだと述べました。
そこで、この節では、効率良く沢山の人達に知ってもらう手段として、マスコミの使い方を考えてみましょう。
マスコミは、一度に多くの人達に情報を発信して、瞬時にして人々に知らしめる手段として、時代の流れと共に、新聞、ラジオ、テレビ、インターネットなどの流れのなかで発展してきました。
一昔前でしたら、印刷物であれ電波であれ情報を発信する手段としての設備投資が莫大なものでしたから、選ばれた企業でしか起業できないため、その発信元は権力を持っていましたし、啓蒙活動をして世の中を少しでも良くして行こうというポリシーが感じられました。
しかし、電波媒体が発達した現在はどうでしょうか。
マスコミが地に落ちたといわれて久しいですが、まだ発信情報の信頼性がゼロになったわけではないようです。ある調査によりますと、情報の信頼性の序列は、新聞、テレビ、専門雑誌、ラジオ、一般雑誌、そしてインターネットという事らしいのです。
この順序は、そのマスコミに情報を載せ易いことを示唆しているようです。
インターネットなどに情報を載せるには、誰の許可(プロバイダーによってはチェックがかかることもありますが)も指導もなくフリーです。しかし、信頼性の最も高い新聞などは、いくらお金を積んでも、情報の掲載基準をパスしなければ、情報の掲載は不可能です。
ですから、あなたの存在を示す情報を掲載するところの最終目標は、信頼性が高いといわれる新聞ということになるでしょう。
目標は遥か遠くても、そこに到達するための手段と方法とが見つかれば、それは不可能なことではないでしょう。
マスコミなどど言うと、権威がありなんだか近寄りがたく得たいの知れないものだと思われがちですが、良く観察してみますと、そこに近づく方法を見つけることができるでしょう。
それは、マスコミが啓蒙元としていくらエリート意識の態度で活動しているとしても、そのマスコミ活動が一般大衆の支持を得られなければ、一般企業と同じく倒産ということになるということです。
一社が取り上げた情報が、一般大衆に評判が良いと、各社いっせいにその情報を扱います。それは、マスコミが一般大衆に迎合しなければ企業として存続できない運命にあるからです。一般大衆に迎合しなければ、どんなに立派なマスコミ企業も倒産する、ということは、一般大衆が渇望している情報をあなたが提供できれば、マスコミはあなたの存在に注目する可能性があるということです。
でも、そのように最初から最終目標の新聞にあなたの存在を示す情報を掲載することは不可能ではないにしても、今現在としては可能性は低いでしょう。
では、どのようにすればその可能性に近づけるか考えてみましょう。
次のように考えれば、マスコミの使い方のヒントが得られるでしょう。
マスコミ企業とは、記事にするための情報を仕入れ(取材)、それを自社のイメージに合うように加工(編集)して、それぞれの媒体の店先に並べ(出版・放送)、一般大衆にその情報を販売するビジネスをする所です。
マスコミも情報を売るビジネスをしているわけですから、一般大衆の望む情報を市場調査をして集めるわけです。
ですからあなたも、マスコミ企業と同じく市場調査をして、一般大衆がのぞむ情報を作品として発表することは、マスコミに一歩近づいたことになります。
それでは、もう一歩近づく方法を考えてみましょう。
さて、マスコミ企業は、一般企業と同じく情報という原材料を仕入れているわけです。その仕入れ方法は、自社の社員を使い取材をして情報を集めるわけですが、規模の大きなマスコミ企業では、どうしても社員だけでは手薄になります。そこで、他に情報の仕入れ先を求めるのです。それらの大仕入先としては、ロイターや共同通信などの情報収集販売企業や各業界のプレスクラブ、官庁の記者クラブなどです。
これらの仕入先は、やはりそれなりのニュース価値を持った情報でなければ、あなたが売り込みに行こうと思っても近寄れません。
民間企業のマスコミは、純粋の情報を販売するだけでは、企業を正常に運営することは難しいでしょう。ですから、スペースを売ることで収益増を図るわけです。
そのスペース売りをビジネスとしているのが広告代理店とPR会社などです。
広告代理店とPR会社との違いを喩えますと、玄関から訪問するのが広告代理店で、勝手口から入り込むのがPR会社とでもいえるでしょう。
PR会社とは、ある情報をマスコミに流したいとする企業に対して、その情報を目的とするマスミ媒体に掲載する手伝いをすることにより、報酬を得るところです。
それでは、広告代理店と何処が違うかといえば、PR会社の情報の載せ方です。それらは、広告情報としてではなく、記事の中に紛らわしたり、記事風として情報を発信させるところです。
ですから、マスコミ側との窓口もちがいます。広告代理店でしたら広告局ですが、PR会社は広告局ならびに記者です。
優秀なPR会社の社員なら、一流マスコミ記者とは友達関係です。その仕事はアフター5に行なわれていると一部では噂されています。
ここにあなたが、マスコミに近づけるヒントがあります。
もし、あなたの見えない資産のなかに、それらPR会社と関係のある人がいるとしたら、その人を、同心円の椅子の内側の人にすることです。その人は、もしかしたら、あなたの座るべき椅子を教えてくれるかもしれません。
さらに、マスコミに近づくための別の方法としては、ストックフォトエージェンシーが考えられます。
もし、あなたが、ステップ1で提案したように、ストックフォトエイジェンシーからデビューいているとしたら、その営業マンが、椅子の内側の人になるかもしれません。
マスコミの規模の小さい企業は、その情報の仕入先として、ストックフォトエイジェンシーをよく利用しているからです。
マスコミとは、大きな声を出す口です。それに喋らせるのは、一般大衆の小さな口です。マスコミには、その小さな口に反したことは喋れません。
ですから、マスコミは、つねに小さな口からでる情報に注意し、収集し、それを分析しているのです。
そのようなマスコミにあなたの存在を示す情報を載せる方法として、直接大きな口に喋らせようと努力するのではなく、まず、小さな口に喋ってもらえる方法を考えることです。
小さな口から、あなたのカメラマンとしての評判がでて、それが沢山の小さな口から評価されるとしたら、あなたの名前は、大きな口から自然と出でくることでしょう。
 
プロとして認められるとは
 
 
前節で有名になるためのヒントを述べましたが、有名カメラマンが全て一流カメラマンとして、世間から認めてもらえるわけではありません。しかし、アマチュアであるにもかかわらず有名カメラマンとして認めてもらえる人も存在しています。
あなたは、昔プロカメラマンを目指していた頃、写真が上手だからという理由で、誰かの結婚式の撮影を依頼されたことはありませんか。
今でも、写真が上手だと評判の人は、冠婚葬祭の撮影を依頼されていることでしょう。
それでは、そのカメラマンは、依頼者からプロとしての待遇が受けられるのでしょうか。
そのアマチュアカメラマンの腕がプロ並と認められたとしたら、当然その待遇としての報酬を支払らわなければならないわけですが、実際はどうでしょう。現像代ぐらいの薄礼が受け取れればまだしも、実際、無報酬ということもありえるわけです。
アマチュアカメラマンの腕をプロとして認めているのなら、当然ギャラを想定して撮影の依頼をすることでしょう。
ということは、一般的に、写真の撮影が上手なだけでは、プロとして認めてもらえない、ということになります。
それでは、アマチュアではなく写真学校を卒業したてのカメラマンはどうでしょうか。
写真学校でプロとして営業するための技術を習得しているわけですから、アマチュアより数段プロに近づいているのですが、その人は卒業と同時にプロとして認めてもらえるのでしょうか。
一体全体、世間の人達のプロのイメージとはどのようなもので、なにを基準にしているのでしょうか。
長い間、カメラマンを職業としているのなら、当然世間の人達は、腕の良し悪しはあるにせよそのカメラマンをプロとして認めることでしょう。
では、写真学校を卒業したての人や転業してこれからプロカメラマンとしてビジネスを始めようとしている人は、どのようにしたら世間の人達からプロとして認めてもらえるのでしょうか。
そもそも、プロカメラマンという職業の定義はあるのでしょうか。
プロカメラマンとなるには、今現在では資格や許可証を必要としません。国家試験を受けて資格を得ることや写真学校の卒業証書がなければ、なれないということはないのです。
誰でも、「私はプロカメラマンです。」、と宣言すれば、今からでも自称プロカメラマンになれるのです。だからと言って、その自称プロカメラマンを、世間の人達はプロカメラマンとして認め、仕事を依頼するでしょうか。
それでは、その自称プロカメラマンがプロフェショナル機材で身を固め、一流ロケーションに写真事務所を開業して世間にアピールしたらどうでしょうか。
一歩プロカメラマンのイメージに近づくことはできたとしても、やはり世間の人達は疑問を持つことでしょう。
それでは、どのようにしたら無名カメラマンが、プロデビューできるのでしょうか。
そのヒントは、権威ある写真団体の入会規約に見つけることができるでしょう。
その団体の入会条件の重要な規約は二つです。一つは、カメラマンとしての実績。もう一つは、その会員二人の推薦があることです。たしか、このような入会条件は有名ゴルフクラブでも掲げています。
ということは、あなたがプロの仲間に入るには、まず、カメラマンとしての実績を作る必要と、プロカメラマン仲間からプロとして認めてもらう必要とがあるわけです。
プロカメラマンから推薦してもらう方法は、前節での同心円の椅子ゲームを研究することで解決できることでしょう。
そこで、次節では、カメラマンの実績作りを考えてみることにしましょう。
 
あなたの実績をつくる写真展
 
 
あなたは職安(現在ではハローワークスというそうですが)へ職探しにいったことがありますか。ある人なら理解できると思いますが、自分の能力を他人にアピールすることは大変なことなのです。
職安の職員は、職をさがしている人に問います。「ところで、あなたは今まで何をしてきました。誇れることを列記して下さい。そして、お持ちの資格も。」、この質問の答え方で、その求職者の運命は半ば決まってしまいます。
この質問は、カメラマンのあなたにも言えます。
「あなたはカメラマンとして今まで何をしてきましたか。誇れる実績は何ですか。」この問にすらすら答えられるカメラマンは、プロ予備軍です。時の流れに上手く乗れば、プロとして世間から認めてもらえることでしょう。
しかし、この問に答えられないカメラマンは、今から実績を作る必要があります。それでは、プロカメラマンとして世間から認めてもらうための実績とは何んなのでしょうか。
そのひとつに、写真展開催があります。
あなたは近くの本屋さんへ行って、著名写真家の写真集の奥付を見て下さい。そこには大抵その写真家のプロフィールが書かれています。そして、その下にずらずらと今までの実績としての写真展開催を時系列で列挙しているのを見ることでしょう。
写真集に限らず、著名写真家の紹介記事などにも、その写真家がいかに立派かを証明する手段のひとつとして、写真展開催の時系列情報を掲載しています。
こうみてみますと、写真展開催はプロカメラマンとして世間から認めてもらうための重要な条件のひとつであることが分かると思います。
写真展開催のための作品を創ることは、今までこの本を読んでそのヒントをもとに実行したカメラマンには容易くできることでしょう。しかし、開催のための手段と実行には、開催資金と会場の問題が発生します。
言い忘れましたが、写真展開催の場合、その会場を何処にするかは重要です。書籍の奥付をもう一度見て下さい。その写真展開催の日付の横に、その開催地、例えば外国ですと、パリ、ロンドン、ニューヨーク、国内ですと銀座、渋谷、新宿などの記載があり、もっと詳しい記述は、有名○○サロン、有名○○画廊などの記載があることでしょう。
一流プロとして世間一般に認めてもらうには、写真展開催地も重要な条件なのです。
話をもとにもどして、開催資金と会場のことを考えてみましょう。
開催資金は、バイトなどしてコツコツ貯めることで解決できますが、開催会場、それも一流の会場などは、無名カメラマンがいくら金を積んでも貸してくれる所はないとはいえませんが、稀でしょう。それでは、無名カメラマンは、有名会場で写真展を開催できないのでしょうか。
無名カメラマンが一流会場で写真展を開催する方法はあります。その方法のひとつは、あなたが使用しているカメラや感材あるいはデジタル媒体にヒントがあります。
それは、そのメーカーの宣伝部に作品を持参することです。
普通のメーカーは、自社製品の優位さを証明する手段として、宣伝をします。もう少し資金的にゆとりがあり戦略に長けているメーカーは、写真サロンなどを運営しています。
つまり、自社製品愛用者向けに、作品の発表の場を提供しているのです。
てすから、あなたは、あなたが使用している機材や感材またはデジタル媒体のメーカーが作品発表の場を運営しているか、その会社の広報部に電話をして確かめることです。
もし、あるとしたら、次に宣伝部に連絡して、作品を観てもらえるか尋ねることです。その時、あなたが見えない資本を使えるのなら、それを利用することは賢いことです。
そのようにして、もし、写真展が開催できたら、そのことを情報として媒体に掲載してもらう方法を考え、実行することです。一番可能性があるのは、開催メーカーの情報誌でしょう。
なぜそのようにしておくことが必要かというのは、「他人にあなたをほめさせる」ことになるからです。
もし、運悪く目指すメーカーが、あなたの才能を認めてくれなかった場合は、外国それも先ほどの写真書籍の奥付に記載されている所で、写真展を開催することです。その場合、一流でも有名でもない所でもよいでしょう。外国で写真展を開催した事実だけでも誇れる実績となるからです。
写真展を開催する戦略とそれを実行するための戦術を計画しましたら、後は行動あるのみです。
写真展開催は莫大な資金を必要としますが、それは浪費ではなく、見方をかえてみれば、見えない財産を作っているともいえるでしょう。それが、時系列的に羅列され、その数が多くなるにつれて、あなたは有名プロカメラマンへの道を歩いていることになるのです。
あなたの存在を示す手段としての写真展は、マーケティングでいえば、ピンポイント戦略です。もっと広く知らしめる面拡戦略もしなければなりません。
それでは、カメラマンにとっての面拡する方法とは、何んでしょうか。それは、写真集です。
 
コミニュケーションツールとしての写真集
 
 
あなたのカメラマンとしての存在を示す手段として、前節で写真展開催について述べましたが、プロカメラマンとしての実力を示す手段のひとつとして写真集があります。
面識のないプロカメラマンを値踏みする基準としては二つあります。ひとつは写真展開催会場と回数、それに写真集を出しているかです。
写真集を出している場合、必ず聞かれるのは、「どこの出版社から出していますか。」ということです。写真集ならその作品に相応しい装丁で作られていれば、どこの出版社から出ていようと関係ないことです。
しかし、この質問は必ず出ます。それは、世間の人達は、その写真作品自体を評価するのではなく、その写真集を発行している所を評価の対象とする傾向があるからです。勿論、基準の最高は新聞社系の出版社です。それに対して、名の知れない出版社からの写真集は低く評価される傾向があります。
何故かといいますと、エレクトロニクスの発達した科学時代の現代でも、人の心の奥深い所では、今だ魔術時代にあるからです。科学的に分析しても説明できないイメージの伝達メカニズムが潜在意識の回路にあるからです。それは、接触したものは、その感染源のイメージが移るという「感染魔術」によるからです。このことは、プロカメラマンになれる本(2)「魔術篇」で詳しく述べるつもりです。
人に広く情報を発信して、送り側の意図する状態を作り出そうとするコミニュケーションの手段のひとつとして、広告・宣伝があります。広告代理店がいくら科学的な言葉で広告・宣伝を理論的に説明しようとも、その根底は魔術そのものです。
さて、話を写真集にもどしましょう。そのように考えれば、あなたのカメラマンとしての実力を示すには、新聞社系の出版社から写真集を出すことでしょう。しかし、誰でも出来ないところであるから、そこから出版することに価値があるわけです。
それでは、あなたはどのようにしたらその出版社から写真集を出せるのでしょうか。
その方法のひとつとして、あなたの見えな資本のなかに、その流れにいる人がいたら、その人を仲立ちとして、その出版社と交渉してもらうのです。その交渉とは、あなたがその写真集を何割か引き取る条件を提示することです。その場合、あなたの作品が、世間の人達に広く受け入れられるという前提条件があってのことです。
写真集を出すということは、プロカメラマンとしての権威付けのためだけではありません。それは、あなたのカメラマンとしての存在を示す媒体と考えられます。そう考えれば、なにも有名あるいは一流出版社から出版することもないでしょう。
写真展であるならば、それを鑑賞するには、時間と空間の制限がありますが、写真集であるならば、その制限から解放されます。つまり、コミニュケーシヨンの手段としては、写真展より写真集のほうが優位でしょう。
写真集をコミニュケーションの手段と割り切るならば、その媒体として出版としてではなく、他の方法も考えられるでしょう。オリジナルプリントで作成することでもよいし、インターネットで作品を発表することもよいでしょう。
しかし、考えなければならないことは、出版社から写真集を出せば、それは全国の本屋さんの店頭に並ぶことになるわけですが、インターネットは別として自分自身で写真集を作った場合、それを配布する手段を考えなければならないわけです。
そこで広告・宣伝ということになるわけですが、その方法のひとつとして、あなたの作品をハガキにして友人知人に、写真集購入の情報を発信することです。それも定期的に発信することです。そのことにより、あなたのカメラマンとしての存在を示すことができるでしょう。
この章で、あなたは有名になる方法を考えてきたわけですが、それらのことを実行したからといって、直ぐ有名にはなれないかもしれません。それにはやはり時代の流れに乗る必要があります。それは、あなたが時代の流れを創っているのではなく、あなたは時代の流れの役者のひとりなのです。
今有名な役者にも、無名時代はあったのです。その無名役者は何かのキッカケで有名役者に変身したのです。あなたも有名になる方法を実行しながら、何かのキッカケがくるのを待つことです。そのキッカケは多分、同心円の椅子の内側の人からもたらされるでしょう。あなたがその望みを持ちつづけていれば、必ずそのようになります。
「ひとは、その思うところの人物となる。」ということは真理です。
 
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第三章 事業家となる法
 
 
発想の転換をすること
 
 
あなたは、プロカメラマンになることと事業家となること、とは関係ないと思っていることでしょう。ここで言うところの事業家とは、雇われカメラマンになるのではなく、小さくても自分で写真の仕事を運営していく人のことです。
そこでこの章では、あなたが事業家となる方法を考えていくわけですが、何も難しい事をしようというのではありません。事業を起すというと、何か途方もないことをするのではないかと思われがちですが、基本的なルールさえ知っていれば、誰にでも事業を起こし事業家となれるのです。
まず、あなたが事業家となるための準備段階として、その心得について考えてみましょう。
ビジネスの世界には大きく分けると二種類の人種が働いています。ひとつは、他人を使って仕事をさせる人種、そしてもう一方は人に命令されて仕事をさせられる人種です。人間は誰でも平等だと言われていても、何時の時代でも、人に使われようとする人達は、人を使おうとする人よりも少なくなった時代はありません。ですから、常に人を使う人達は少人数で、大勢の人達に仕事をさせているのです。
需要と供給とのルールでは、どちらが優位かでその支配側が決まります。仕事においては、仕事を命令される人が命令する人よりも多い、つまり過剰なため、仕事を命令する人が仕事をする人を支配しているのです。
何故、ひとに支配される人達が多いのかといいますと、簡単に言えば、人間はその人自身が弱いものだと自覚しているからです。弱いということは、肉体的、精神的にということです。ですから、その弱さを補填、補強しようと無意識に「むれ」つまり組織を作るわけです。
多くのヒーロー物語では、その主人公は一匹狼であるわけは、人々の願望が群れなくても事態にひとりで立向かいたい願望があるからです。人々のその願望を満たすこと、つまり、悪の大組織にひとりで立向かうことでヒーロー物語は成り立っているのです。
しかし、現実の世界では、人々は群れに入ることで自己防衛を計ろうとするわけです。この組織ができる過程で、人々の心の中に色々な感情が起こるのです。それらの色々な感情をいかにコントロール出来るかで、その人が人に使われる人か、それとも人を使う人になるかを決定してしまのうのです。以下では、それら二種類の人達を支配者、被支配者と呼ぶことにします。
さて、それらの感情の中で最も重視されるのが、「希望」と「恐怖」の相反する感情です。これらの感情はつねに心の中で戦っています。「希望」を前進する感情とすれば、「恐怖」は後退する感情です。この戦いにおいて、支配者と被支配者を観察して見ますと、支配者においては「希望」が「恐怖」を打ち負かして未知の世界へ前進して行けますが、被支配者では、「希望」は「恐怖」に敗れて過去の世界に戻ろうとします。
このことを喩えてみますと、ここに体育で使う平均台の板を地面の上に置いてみます。そして、端から端まで歩いて行けた人には、その人の好きなものを与えることにして、その板の上を歩くように促すとします。そうしますと、普通の運動神経の持ち主なら簡単に歩いて行けるでしょう。普通の子供などは、その平均台の板の幅より狭い鉄道レールの上をなんなく歩いていけるのですから。
この誰でも出来ることでも、環境をちょっと替えることで、多くの人達は、その平均台の板の上を歩けなくなってしまうのです。それはどのような環境かといいますと、十メートルの高さにその平均台を上げてしまうのです。この場合、無風なことは勿論です。
理論的には、平均台の板の幅は同じなのに、何故その上を歩いて行ける人が少なくなってしまうのでしょうか。
それは、その上を歩こうとする人達の心の中に戦いが起こるからです。それが、「希望」と「恐怖」の戦いです。多くの人達は、足を滑らして下に落ちてしまうのではないかという「恐怖」の感情が、平均台の先にある「希望」を打ち消してしまい、前進することが出来なくなってしまうのです。そのような人が被支配者ということです。支配者の場合、その心の中の戦いで、「恐怖」は「希望」に負かされ、その上を一歩一歩目標に向かって歩いて行けるのです。
ひとりがその平均台を渡りきるのを見れば、あとの人は続いて渡り始めます。それは、未知の「恐怖」が消えるからです。
このことは、ビジネスの世界でも言えます。ですから、ビジネスの世界には、先導する人とされる人が存在するのです。それらが支配者と被支配者ということです。
この平均台の板の上を歩いて行くということを、事業を運営していくことと置き換えて考えてみてください。そうしますと、事業において支配者となるための条件の一つが理解できると思います。その条件とは、大きな希望を持ち、そして未知の一歩先の闇も恐れずに着実に一歩一歩進んで行く姿勢が必要だということです。
一般的に、事業家を志す人は、その情報を得ようと事業の成功物語を読むようです。ビジネス書や雑誌などには時の成功者の物語が溢れているのはこのためでしょう。しかし、そのような情報は無駄とはいえないまでも、時間の浪費の可能性があります。
人が成功するのは、時代の流れの背景が、その人の考えている方向とたまたま一致していたからです。ですから、あなたが、ある人の成功物語を参考にビジネス成功物語を考えたとしても、時代背景が違うのですから、成功の可能性は低いということです。
ではどうすればよいかといえば、それは、成功者の物語ではなく、事業の失敗者の言葉を参考にするのです。
事業の成功者となるには、事業において致命的な失敗をしなければよいのです。ですから、その失敗の集大成をあなたの潜在意識にインプットし、もし、そのような場面に遭遇してしまった時、その対処方法を会得しておけば、失敗も大事に至らないことにより、再起することで成功者の道を歩んでいけるわけです。
そのためには、あなたは成功者ではなく失敗者の言葉に耳を傾けることです。失敗の大部分は「恐怖」に対する対処の仕方です。その対極に「傲慢」の心があります。失敗談において、「恐怖」と「傲慢」に対処するヒントを見出すことにより、あなたは、「平均台の板の上を」一歩一歩、歩いて行くことができることでしょう。
さて、ここであなた自身のことを考えてみて下さい。あなたは支配者タイプですか、それとも被支配者タイプですか。もし、あなたが被支配者タイプであったとしても、その状態があなたにとって最適であるとしたら、そのままの人生を歩んで行けばよいでしょう。
しかし、あなたが支配者タイプなのに、今現在の状態が被支配者の状態、つまり、人に命令され、指図されて仕事をしている状態の場合、あなたの心には葛藤があることでしょう。そして、そのことにより、あなたは人生を十分に楽しむことが出来ないでいるかもしれません。
人生は楽しむためにあるのです。人生は重き荷をおいて遠き道をゆくが如し、ではありません。それは、昔の経験則では正解でも、今の時代に合うかは疑問です。荷は出来るだけ軽くして、楽しく行きたいものです。
さて、あなたが現在の状態に満足せず、人生を楽しめないでいるとしたら、それを変える方法があります。その方法は、あなたが人に命令されるのではなく、命令する立場になればよいのです。つまり、平均台の板の上を先頭に立って歩いて行けばよいのです。
それでは、あなたが事業家となって支配者となること、つまり、人に使われるのではなく、自分の力で人生を切開いて行く方法を考えてみましょう。
あなたがする事業とは、カメラを媒介として仕事をすることですから、その売るものは決まっています。銀塩カメラであれデジカメであれ、その映像という情報を売ることです。物を売るということは、別の表現では、お金や対価物と交換することです。
事業を行なうとは、大企業であれ町の小売店であれ、それらの人達がおこなっていることは、物あるいはサーピスをお金や対価物と交換することなのです。このことを別の角度から考えてみますと、それは構造的に言って、子供の好きなゲームと同じことだと分かると思います。そうです、事業とは交換ゲームなのです。
そこで、事業を起すということを、ゲームをおこなうことと考えれば、肩の力が抜けて、誰でも出来ることだと理解できるでしょう。
ゲームをすることは楽しいものです。たとえゲームの途中で数々の困難があったとしても、諦めずゲームを続けてゴールにたどり着いて、後を振り返った時、その数々の困難は人生のエポックとなるはずです。
さて、この交換ゲームであなたが勝つ方法を考えてみましょう。あなたが交換するもの、つまり、映像の情報あるいはサービスは、他のカメラマンにはできない、または持っていないものであることが必要です。それらのことを一般的には付加価値といいます。その付加価値とは時代の流れが要求するものですから、あなたは時代の流れを読んで、それを探す必要があります。
その時代が要求することを映像の情報として商品化し、交換ゲームをすることにより、あなたはカメラマンとして人生を楽しむことができるでしょう。
このゲームで成功するヒントは、常にあなたは相手より不利な状態にいることです。つまり、お客様との交換ゲームをする時、「こんなに安くてもいいのですか」と言わせることです。そのような状態でゲームをすれば、お客様は、「どうもありがとう。また交換しましょう。」といって、このゲームは続くということです。ゲームが続くということは、成功の道を歩んでいることです。
お客様は、自分が満足しているゲームを他の人に話したがる傾向があります。ですから、あなたがお客様と長くゲームを続けるられるということは、そのことにより、お客様が増えていく可能性があるということです。
事業家としての目的のひとつは、利益を上げることです。ですから、お客様が他のお客様を紹介してくれることにより、ゲームの規模が大きくなっていきます。そのことにより、利益も多くなり、あなたは事業家として成功者となれるわけです。
ゲームは楽しむためにするのですから、事業を起せば当然人生も楽しくなることでしょう。しかし、ゲームですから、勝つことだけではなく、時には負けることもあるでしょう。でも、ゲームなのですから、勝ったからといって傲慢になり自惚れることもないでしょう。また、負けたからといって人生がそこで終わるわけでもないのです。負けたら、またチャレンジすればよいのです。それに、ゲームはやはり勝つことがわかりきっているとしたら、その面白味が半減してしまうでしょう。勝つか負けるか予測がつかないところにゲームのスリルと面白味があるのです。
人生には、人道に外れなければ、こうしなければならないというルールはないのです。人は時の流れとともにこの世にひとりで生まされ、時の流れとともにあの世にひとりで去って行きます。何も考えず時の流れに翻弄され、なすがままに日々を暮らすのも人生です。しかし、一度しかない人生ですから、大いに楽しみたいものです。
人生は苦しみの連続だ、などという先人の暗示を信じてはいけません。人生は、人生としてただ観念として存在しているだけです。それを他の人達の立場や状態と比較するのはやめましょう。ひとはひと、自分は自分です。人生を苦しいと思うか、楽しいと思うかはあなた自身が決めればよいのです。
もし、あなたが現在の状態に満足せず、何かをしたいと思っているとしたら、事業を起してはいかがですか。チャンスの神様との巡り合いを何もしないで待っていても、その神様はあなたのところにこないでしょう。天は自ら助くる者を助く、ということは真理です。何もしない人には、何ごともおこらないのです。
さて、そこで次の節であなたができるゲームを四つほど考えてみましょう。
 
ストックフォトエイジェンシーゲーム
 
 
 
[ゲーム概要]あなたの写真か、他のカメラマンから預かった作品を顧客に貸し出すか、販売するかによりお金と交換するゲーム。
[ゲーム相手]同業者、広告代理店、プロダクション、デザイン会社、出版社、雑誌社、その他。
[ゲーム備品]作品、連絡事務所、電話、ロッカー、スライドビュアー、ルーペ、コンピューター、その他一般事務用品。
[ゲームに勝つヒント]時代の要求する作品を集めること。
 
この節は、ステップ1の「ストックフォトエイジェンシーからのデビュー」の続きです。ですから、この節を読む前にもう一度読み直して下さい。
ストックフォトエイジェンシーにあなたの作品を預けたことにより、その作品に市場性があるかないかをモニターできたわけですから、そのことを分析することにより、このゲームをすることが可能かどうか分かるでしょう。
もし、あなたの作品に市場性、つまり、借り手がなかった場合、あなたの作品がプロの域に達していないか、そのエイジェンシーの顧客のニーズに合っていなかったからでしょう。その場合、エイジェンシーの人に素直に教を請うことです。原因が前者の場合、テーマの絞込みや撮影テクニックを勉強し直すことで解決できるでしょう。後者の場合、他に相応しいエイジェンシーに預け直すことで解決できるかもしれません。
運良く、あなたの作品が貸し出されているとしたら、このゲームを始めることは可能ということです。でも、あなたは考えるかもしれません。作品がどれほどあればよいのかと。それは、あなたがどれほどの事業家になりたいかによります。
現在一流といわれている大企業のオーナー社長も、その創業時代は家内工業的規模でその事業を起したのです。このように言うと、ある人は、「事業を起すには大資本がなければできない」とか「時の権力とのパイプがなければ事業は成功できない。」とか言います。しかし、考えて下さい。人がこの世に生まれて、初めから資本を持っていたり、権力とパイプを持っている人などいないのです。現在、大金持ちあるいは財閥と呼ばれている人達でも、その何代先の人達はただの庶民レベル時代もあったのです。歴史を辿って行けば、権力者などは時代の流れのうたかたのごとく、かつ結び、かつ消えてとどまるためしはないのです。先祖が一般レベルでも、志と才覚と運に恵まれた人が、何かのキッカケで財を手に入れる方法に巡り合い、そのチャンスをものにして事業を起こし、時代の流れがたまたま合ったことにより財が財を呼び、莫大な財となり、その結果財閥となれたのです。
こう考えてみますと、もし現在のあなたに大資本やチャンスがないとしても、このゲームができないということはないのです。あなたに今現在ある資産とアイデアとによりこのゲームはスタートできるのです。それでは、どのように考えればよいのかを述べることにしましょう。
一般的に、何かをおこなうには一人では何も出来ないのではないかと思われるのか、人は何かをおこなうことになると、まず組織を作ろうとするようです。特に、ビジネスゲームの場合そのような傾向があるようです。
そこで、あなたもこのゲームをおこなうために組織を作ろうと考えているかもしれません。この場合の組織とは、会社のことです。
それは、何かをするには、一人でするより会社組織を作って事業を起したほうが、大きいことが安心してできるように錯覚しているからでしょう。
事業の業種により、個人よりも会社組織を作ったほうが有利なこともありますが、あなたがこれからおこなおうとするストックフォトゲームでは、運営方法を工夫することであなた唯一人でも事業を起すことは可能です。むしろ、一人ではじめたほうが有利かもしれません。
ストックフォトゲームは、潜在顧客開拓がゲームを成功させるポイントですから、地道な営業が基本です。ゲームを始めてすぐに利益が計上できれば話は別ですが、潜在顧客開拓には、少なくても3年の覚悟は必要です。ですから、ゲームを始めた当初は収入が得られるかどうか分からないので、まずはあなた唯一人でゲームを始めることは賢いことです。そして、顧客開拓が徐々にでき、収入が確保できると思われたら、その時点で会社組織を作ればよいのです。
さて、あなたはこのゲームをするには、販売商品としての写真作品の品揃えとその販売をするわけですが、あなたは多分このゲームは一人では出来ないのではないかと思っていることでしょう。作品を撮影することとその作品を販売することの時間の配分が難しいと思われるからでしょう。
しかし、考え方を一寸変えることにより、あなた唯一人でこのゲームをすることは可能です。それではどのような方法でゲームを進めればよいかといえば、あなたが売り歩くのではなく、顧客のほうから買いにきて下さるようにすればよいのです。それには、あなたの作品が顧客の足を運ぶほどの魅力がなくてはなりません。
老舗といわれるお店に、長蛇の列をつくらせるのは評判です。そのようになるには、それなりの時間の経過が必要です。現在では、テレビなどのマスコミで瞬時にして有名店を創り出すことは可能でも、あなたの場合その手法を使えるかは疑問です。
あなたのお店は今はまだ有名店ではありませんから、地道な営業が必要です。それでは、作品創りの撮影と販売のための営業はどのようにすればよいのでしょうか。
一週間は7日間あります。この7日を作品の制作日と営業日に分けることにより、ひとりでゲームをこなせるでしょう。つまり、一般の会社が休みの土日曜を作品の制作日とし、月曜から金曜までを営業日とすればよいでしょう。
もし、あなたがインターネットに詳しければ、インターネットで作品を販売することも可能でしょう。しかし、インターネットビジネスは性善説を前提としていますので、思わぬ落とし穴があるかもしれませんから、慎重にいきたいものです。
やはりこのゲームは対面販売がよいでしょう。それは、あなたが、あなたの作品を持参して顧客に直に会うことで、プロカメラマンとしてのあなたをセールスできるからです。つまり、有名とは、どれだけ多くの人に知られているかで決まるからです。ですから、あなたが、ストックフォトゲームの営業で顧客に会うということは、有名ゲームも合わせてしていることになるのです。
それでは、営業の内勤と外勤はどのようにすればよいのでしょうか。それは、一日を午前と午後とに分けて、それぞれの業務分担をすればよいのです。つまり、電話の受付や来店の接客の内勤は午前中とし、午後は事務所を閉めて外勤の営業とすればよいでしょう。連絡は携帯電話を活用することで事務員も不要です。
このような営業形態は、自由業の一つである診療所では、昔から行なわれています。診療所の受付時間などは、診察は午後一時までで、午後の数時間は往診時間で、午後の診察時間は3時からです、とかの張り紙を診療所の待合室で見たことはありませんか。
何の事業でもそうですが、事業の仕方には、法律で決められた事は別ですが、絶対の決まりなどないのです。ですから、あなたが一番有利と思われるゲーム方法を考えだすことです。つまり、あなたのゲーム方法をお客様に納得してもらい、従ってもらうようにすればよいでしょう。
さて実際にゲームを始めるには、ゲームをする場所、つまり事務所が必要です。あなたがお金持ちの子息なら、一等地に事務所を構えることです。
しかし、そうでない場合、無理をしてまで事務所を借りないほうが得策です。ゲームを始めたばかりの時は、お客様も沢山来ないでしょうから、事務所のためにお金をかけるより、作品を多く集めるために使った方がよいでしょう。家賃はその場限りですが、作品は将来のための財産となるからです。
事務所はゲームが軌道に乗った時に構えればよいのです。ですから、ゲームの始めは、まずあなたの住居を事務所にすることです。自宅の人は、そこを事務所とし、賃貸マンションの人は、そこを事務所にすればよいでしょう。
このゲームは映像の素材を販売することですから、あくまでも作品の内容および質で勝負ということです。事務所ばっかり立派でも作品の内容や質がリッパでないと、先行き見込みがないでしょう。
事務所を構えたら、次はゲーム相手を探すことになります。あなたのゲーム相手とは、同業者、広告代理店、デザインプロダクション、印刷所、出版社等です。何故、同業者がゲーム相手となるのかは、有名エイジェンシーの軒下を借りることで、ゲームの幅を広げることができるからです。
ゲーム相手を探すとしても、あなたの作品がそのゲーム相手がさがしている写真でなければならないわけです。
プロカメラマンを目指す人は、その対象が何であれ美しいもの、綺麗な被写体を映像化しようとする傾向があるようです。例えば、花を被写体とした場合、花のなかでも美しいバラとかゆりなどを映像化することを考えるようです。しかし、それらの美しい花の写真はストックフォトエイジェンシーのボックスに溢れています。その溢れているテーマにさらに同じようなテーマの作品を売込むことは、困難が予測されます。
そこで、発想の転換をするのです。花の写真でも、たんぽぽ、ぺんぺん草そしてひまわりの洗練された写真はそれほど多くはありません。あなたは、美しくない草花の写真を借りる人はいないのではないかと思っていることでしょう。借り手はあるのです。その借り手とは教科書の出版社です。小中学校の理科の教科書は、テーマの決まっていないカメラマンの宝の山です。ですから、テーマの決まっていないカメラマンは、それらの教科書に掲載されている写真を撮り続けるのです。その場合、その写真はあくまでそのものの実体を表現していなくてはなりません。芸術ぽく逆光ではなく順光で素直に撮影することはいうまでもありません。
さらに、ブタクサやカモガヤなどの雑草も近年需要のある写真です。それらの写真は何に使用されるかといいますと、薬屋さんの販促用としての花粉症のポスターやリーフレットに使用されるのです。実際に、それらの雑草写真で家を建てたプロカメラマンはいるのです。ですから、あなたはそれらの写真を集めて医薬専門広告代理店を訪問することで、道は拓けることでしょう。
あなたはゲームの視点を変えて、そして時代の流れを読んで需要先を考えてテーマを決めることにより、このゲームを一歩有利に進めることができるでしょう。
そのように需要のある作品を集めながら、ゲーム相手を探すとしても、あなたの足だけに頼るのでは潜在顧客を回る範囲もそれほど広くはないでしょう。そこで、次の手として、見込み客へDM作戦を開始することです。電話帳や業界名簿などでリストアップして、あなたの作品を掲載したハガキをそこへ郵送することにより拡販面が広がるでしょう。
さらに資金的余裕があれば、デザイナーやクリエイターが購読している雑誌に広告を掲載することです。その場合、1回ではなく、継続することが必要でしょう。
インターネットという手もありますが、いずれにしても宣伝効果が現れるのは、時間がかかります。「石の上にも三年」などと言われているように、事がうまく行くには日数がかかるという事です。ですから、あなたはそのことをあなたのゲームスケジュールに組入れておくことでこのゲームの成功率を高めることができるでしょう。
そしてあなたが、このストックフォトゲームを続けて行くことにより、次の出版ゲームを開始できるのです。
 
出版ゲーム
 
 
 
[ゲーム概要] あなたのあこがれの写真集を出版社の手を借りずに、あなた自身で作り、それを販売するゲーム。
[ゲーム相手] あなたの親兄弟および親戚一同、あなたの友人、カメラメーカーの宣伝部、小さな書店、行きつけの喫茶店など。
[ゲーム備品] 出版資金、あなたの作品。
[ゲームに勝つヒント] ユニークな内容と装丁。
 
プロカメラマンを目指す人なら誰でも写真集を出版することを願っている事でしょう。そこでこの節では、出版ゲームを考えることにしましょう。
ここで言う出版ゲームとは、前章で述べたプロカメラマンとして権威を付けるために有名出版社へアプローチすることではありません。目標としてはそこを目指すわけですが、このゲームはその前哨戦なのです。
有名出版社へ売込みに行ったことがあるカメラマンなら分かると思いますが、そこを訪ねるとまず言われるのは、「今まで写真集を出した実績はありますか。」ということです。そこでその実績作りをすることがこのゲームの目的の一つです。もう一つの目的は、プロカメラマンとして、自ら生活費を稼ぐことのノウハウの習得です。
それでは、写真集をいかにして作るかを考えてみましょう。
現在は、エレクトロニクスの発展で、色々な分野で仕事の内容が変化しています。そのひとつに出版業があります。それはインターネットを利用した販売方法だけではなく、本の作り方までも変えてしまいました。デジタルプリンタの出現で小部数でも、採算が取れる本作りが可能となったのです。一昔でしたら、印刷するには、分解フィルムとか刷版とかの仕掛けが必要でしたが、今は原稿をスキャナーで取り込みデジタルプリンタで出力可能です。その仕掛け費用が高額なため、初版は三千部が採算の分岐点でした。三千部を完売するのは大変なことなのです。ですから、出版社も本を出すのは、社運を賭けたゲームだったのです。しかし、昔の夢の受注出版(オンデマンド出版というそうです。)が、今は可能です。
そこで、出版資金のある場合、あなたは写真集を作るために、出版社に行くのではなく、街のデジタル出力ショップへ行くのです。そこで、あなたの企画した写真集制作の見積もりを取るのです。もし、その見積もりがあなたの予算に合えば、そこに写真集制作の発注をすれば、あなたのオリジナル写真集ができるのです。写真集作りは、昔に比べれば簡単なことなのです。
もし、資金不足なら、あなたにデジタルプリンタを所有している知人がいれば、その人に出力を頼み、プリントアウトされたバラの作品を本の装丁屋さんに持ち込めば、写真集が出来るでしょう。
出版資金のない場合、それらの自費出版ではなく、他の方法を考えてみましよう。
出版物には大きく分けると二種類あります。ひとつは有料出版物、つまりその出版物を売ることを目的に作られたものと、もうひとつは無料出版物です。無料出版物の代表的なものはカタログやPR雑誌です。無料出版物だといっても、今日では一般有料出版物と同等のような体裁のものもあります。
カメラ店に行きますと、各カメラメーカーのカタログが陳列されているでしょう。それも年々リッパな作りとなってきています。その内容には、作例としての写真作品が掲載されています。つまり、カメラメーカーのカタログも視点を変えてみれば、写真集とはいえないまでも、あなたの作品の発表の場であるとも考えられるでしょう。
そういう考えでみてみますと、カメラメーカーの宣伝広告部は、あなたの写真集出版の企画を売込む余地があることがわかるでしょう。
その場合、あなたの作品を撮影した機材・感材のメーカーの宣伝広告部を訪問することです。各カメラメーカーは、常に新鮮な広告宣伝作戦を考えています。特に、デジタルカメラメーカーは、銀塩カメラメーカーほど歴史が長くないため、作例写真の需要があることでしょう。
方法としては、あなたの企画する写真集の作品を撮影したメーカーの宣伝部に、アポを取り、あなたの写真集の企画書と、それに使用する作品を添えて、できれば撮影データを明記し、割付をしたダミー本を作って、訪問することです。
全ての売込みに言える事ですが、見ず知らずの人にいきなり売込みに行っても、それは成功しないでしょう。あなたは手当たり次第のゴムヒモの押し売りではないのです。まず、あなたは、見えない資本である友人に援助してもらうのです。つまり、人脈を使って、目指すメーカーの宣伝部の人を紹介してもらうのです。人脈がない場合、そのメーカーのサークルに入会することです。入会については、サービスステーションやインターネットで調べられるでしょう。入会し、サークル活動をしながら、宣伝部の人との人脈作りをするのです。「急がば回れ。」です。
あなたの売込む写真集の企画に、メーカーが何らかのメリットを認めた場合、あなたの作品は、メーカーの賛助を得て写真集になる可能性があるでしょう。そのようになるためには、あなたの写真集のスポンサーになることが、そのメーカーの営業上の見返りがあることを理解させる企画をたてることは言うまでもありません。
カメラ店の店頭で無料配布しているカタログは、一部当たり何百円も費用をかけている、ということを考えてみて下さい。金がない、チャンスがないなどといって無為に毎日を過ごすのはどうかと思います。あなたには、現在写真集を出版するための資金がなくても、アイデアを考え出す能力は無限にあることを忘れないで下さい。
良いアイデアを考え出すには、お金など必要ではありません。お金をひき付ける良いアイデアを思いつけば、チャンスは向こうからやってきます。そのチャンスの芽は、あなたのアイデアの種を蒔くことから始まるのです。種を蒔かない人には、滅多にチャンスは訪れないでしょう。チャンスは、あなたがアイデアを考え、そしてそれを実行することで巡り会えるのです。しかし、必要以上の努力は焦りを生みます。さりげなく毎日に期待を持っていれば、かならずチャンスに巡り会えるでしょう。
さて、あなたは、あなたの写真集を現実のものとしたとします。このゲームはそこで終わりではないのです。あなたが次にするのは、写真集の販売ゲームです。
一般の出版社なら、本の配送は取次店に依頼すれば、全国の書店に送られ、顧客の手に渡るわけです。しかし、あなたの場合そのようにはいかないでしょう。取次店に依頼するには、口座を開かなければなりません。口座を開くには実績と委託金が必要です。
てすから、あなたは他の方法で写真集を売らなくてはならないでしょう。
ビジネスにおける足、手、顔、頭のことを思い出して下さい。そこであなたの場合、足に仕事をさせることです。つまり、売り歩くのです。売り歩くといっても、見ず知らずの有名でもないカメラマンの写真集を購入してくださる人はいないとはいえないけれど、めったに遭遇しないことでしょう。
そこで、訪問先を、自動車や保険のセールスの新人と同じように、あなたが全然知らない人を訪問するのではなく、まず、親類縁者、学生時代の友人、先輩、後輩達を訪問することです。
あなた自身、見ず知らずのカメラマンの写真集をお金を支払って買おうと思いますか。しかし、そのカメラマンと少しでも面識があるとしたら、どうでしょう。
親類縁者を売り歩くといっても、あなたが持ち歩くのはサンプルの写真集です。写真集を大量に作ってから売り歩くのではなく、まず、注文を取ってから必要部数だけ写真集を作ることです。
プロカメラマンとは、生活の糧を稼がなくてはなりません。アマチュアであるならば、自費出版で無料配布という手もあるでしょう。そこが、プロとアマの違いのひとつです。ですから、投下資金は少なく、販売は多くを心掛けることです。
写真集一冊を売ることがどれほどのことか、実感することにより、あなたのプロカメラマンとしての心構えも変わる事でしょう。
売り歩くのはプライドが許さない、という人は、インターネットという手もあります。しかし、前述しましたように、性善説を前提にしたネットビジネスは慎重におこないたいものです。
親類縁者を一通り回ったら、次の訪問先を見つける必要があります。
今や有名な映画情報誌の創刊当時、その編集者達はリュックにその本を詰め込んで小さな書店巡りをしたそうです。あなたに、少しの勇気があるとしたら町の小さな書店を訪ねるのもひとつの方法かもしれません。
あなたの写真集が、もし美しい風景や花をテーマにしたものであるならば、病院の近くの花やさんを尋ねることで道が拓けるかもしれません。
あなたはこの販売ゲームをすることにより、ひとの心について色々な修行ができることでしょう。
販売ゲームで勝つには人の心の不可思議を知ることです。そのヒントとして、次のことを考えてみて下さい。
あなたは、友人と喫茶店に行ったとします。そこであなたは、友人に例えば競馬とかマージャンで何千円儲けたと言うのです。そうしますと、多分あなたの友人は、その喫茶代を払えというでしょう。しかし、株や宝くじなどで、その儲けた額が大きく何百万とか何千万とかの場合、友人は自ら進んでその喫茶代を払ってくれるでしょう。
 
 
モノクロラボゲーム
 
[ゲーム概要]時代の流れにながされ、日の目をみないモノクロ写真を専門にプリントするゲーム。もしくは、古い写真の修理・再生ゲーム。
[ゲーム相手]街の写真屋さん、冠婚葬祭屋さん。
[ゲーム備品]モノクロ用暗室及び現像備品、エアーブラシ。
[ゲームに勝つヒント]レトロ感覚を磨く事。
 
デジタル時代に銀塩モノクロ写真なんて、と思っている人。数年前のデジタル写真(プリント)を取り出してみてください。その写真褪色していませんか。していなかったらラッキーです。
デジタルの染料吹き付け写真は、染料が改良されないとすれば、はたして今の子供が二十歳になった時、その貴重な映像が残っているか疑問です。たとえ写真が褪色したとしても、デジタル媒体が残っているから大丈夫と思っていても、今のようなスピードでハードの開発が進むとしたら、再生ハードがあるかも疑問です。そのようなことは、ビデオで言えば、ベータ版、フロッピーでも5インチを再生するコンピュータなど博物館へでも行かないとお眼にかかれません。
そこえいくと、銀塩モノクロ写真は、時代の流れと共に風格が増します。たとえ、茶色く褪色してしまったとしても、化学処理をすれば、再び元の色調にできます。
そこで、デジタル写真が本流になろうとする今、モノクロプロラボゲームを提案するわけです。
写真もモノクロが本流の時代、カラー写真は新鮮な驚きを人々に与えました。時が経ち、カラー写真本流の現在でも、被写体によってはモノクロ写真の映像表現は深みを感じさせます。それは、モノクロの映像情報を、想像力によって色づけする過程で、より心の底に残すからかもしれません。
思想を表現する写真や芸術写真は、場合によってはカラーよりモノクロ写真のほうが適しているのはそのせいかもしれません。
デジタルカラーが現代的で、銀塩モノクロ写真は時代遅れと思われているのか、あのすっぱい匂いのするモノクロ写真の写真屋さんは街から消えてしまいました。それと、写真材料店の棚にもモノクロ写真現像備品がみあたりません。今や、モノクロ写真のDPE(団塊の世代には懐かしい響きでしょう。)をするのは、写真学校の生徒か趣味人か報道カメラマンでしょう。それも、デジタルカメラの簡便さにさらされると、写真現像という言葉もなくなってしまうかもしれません。
ですから、敢えてモノクロプロラボの看板を掲げとおすことにより、このゲームの勝者になれるのです。つまり、競争相手は時とともにいなくなってしまうからです。
銀塩モノクロ写真のDPEは、奥が深いものです。フィルム現像の温度や時間で微妙なコントラストが創れるし、プリント時の露光時間や覆い焼きなどのテクニックで、ネガフイルムの情報以上の表現が可能です。それは、まさに写真(真を写す)ではなく、光画(光で画く)です。筆のかわりに、光をコントロールすることで映像を創りだせるのです。
そのような光画のテクニックを習得することにより、プロとして独立できるでしょう。
では、どのようにしてこのゲームを進めていけばよいか考えてみましょう。
街には写真屋さんが溢れています。でも、それらの写真屋さんは、カラー専門で、銀塩モノクロ写真をDPEしていないでしょう。そこで、あなたが、銀塩モノクロ写真をDPEしますと街の写真屋さんにアプローチするのです。つまり、街の写真屋さんは、あなたのラボの受付と考えるのです。でも、銀塩モノクロ写真のDPEの依頼は多くは見込めないでしょう。ですから、ゲーム展開として、古いモノクロ写真の修理をするのです。この修理ゲームの受付は、街の写真屋さんと葬儀屋さんがよいでしょう。
モノクロプロラボゲームも修理ゲームも受付を頼むことになるのですから、その受付にゲーム内容を分かり易く表現した看板を作り、その受付に提供する必要があるでしょう。
修理ゲームとは、古くなって傷んでいる写真を、エアブラシを使って修理再生することです。
生まれた時の赤ちゃんの写真は腐るほどあるのに、あの世に旅立つ時の写真を用意している人は、あまりいないようです。人はこの世に生まれたら、必ずあの世へ旅立つのです。その旅立ちの時、やはりそれに相応しい写真が必要です。だからと言って、カメラで撮れれば問題はないのですが、その旅立ちは突然やって来るのです。その時、あなたの修理ゲームで、旅立ちに相応しい写真をつくりげることは、意義のあるゲームだと思えます。
プロカメラマンを目指している多くの人達は、ブロのイメージとして世間の人々の注目を浴びる華やかな写真の仕事を思い描いていることでしょう。そのようなことは、運の良い人や経済的基盤のある人にできることです。
華やかな仕事は、それほど多くはありません。その少ない仕事に多くのプロカメラマンが群がっているのです。たとえ華やかな仕事を獲得したとしても、生活を維持するだけの収入が得られるかは疑問です。
プロカメラマンとは、生活の糧を写真の技術で得ることが最低条件です。あなたに、もし日常生活を支えてくれる配偶者や親の遺産があるのなら別ですが、そのような環境下にないのならば、このゲームは一考の価値があると思われます。なぜならば、ゲームが地味で時代の流れに逆行しているので、競争相手が少ないからです。このことを昔の人は次のような言葉で表現しています。「人の行く裏に道あり花の山。」
あなたがこのゲームで成功して、生活基盤が整いましたら、次のゲームとして華やかな写真の仕事を考えればよいのです。
 
ペット専門写真館ゲーム
 
[ゲーム概要]ペットの葬儀屋さんがある時代です。ペット好きな人達にペット専門に撮影をするゲーム。
[ゲーム相手]ペット愛好家、ペットショップ、ペットの病院、ペットの葬儀屋さん。
[ゲーム備品]スタジオ及びスタジオ備品。(資金のないカメラマンは公園などで撮影することも可能でしょう。撮影依頼者への出張撮影も考えられます。)
[ゲームに勝つヒント]ペットの習性を熟知すること。
 
プロカメラマンとして一般大衆を顧客にする最良の方法は、写真館を経営することです。そのゲームとは、お見合いや七五三の写真を撮影することです。
しかし、これからプロカメラマンを目指そうとしている人が、その世界に新規参入するには困難が予測されます。それは、街にはその地域に古くから根ずいている何代にもわたってる著名写真館があるからです。
もし、あなたがその写真館の子息でしたら別ですが、そうでなかった場合、ゲームの内容を変えることで、写真館ゲームをすることができるでしょう。それがペット専門写真館ゲームです。
昭和時代の目標とするプロカメラマン像は、フォトジャーナリストとかファッションカメラマンだったでしょう。世の中の矛盾をカメラを武器に映像で暴き出すこと、そして物質的経済膨張の結果、消費拡大時代の背景とがそれらのプロカメラマンの登場を期待していたからでしょう。
しかし、平成の現代では、色々な背景を持った評論家の出現で、何が正義か分からなくなってしまっているし、またグローバルスタンダードの呪文により経済活動の萎縮により個人消費も萎縮しまっています。そのような時代背景では、一昔前のプロカメラマンイメージを目標としても、有名にも一流にもなれないかもしれません。
人物が時代を創るのではなく、時代が人物を創るからです。人生の舞台背景の時代の流れは静かにゆっくりと変化していきます。しかし、一度創られたイメージはなかなか変えることは困難なようです。小説に登場するプロカメラマン像を見てみればわかるでしょう。どのようにして収入を得ているのか分からないフォトジャーナリストとか美人モデルに囲まれているファッションカメラマンが未だに登場しているからです。一昔前でしたら別ですが、そのような昔活躍したプロカメラマン像は、現在のあなたの目標とはならないと考えられます。
そこで現在の時代の流れを眺めてみますと、義務を放棄し権利だけ主張した結果の表れか、孤立主義の時代になってしまっているのがわかるでしょう。人々は人間関係に疲れきってしまい、心が強烈に癒しを求めています。その隙間を埋めるひとつとして、ペットの需要が興ったのです。現在では、ペットはたんなるペットではなく、重要な家族の一員なのです。
一頃のペットは、残飯を整理する一員でしたが、今やグルメペットフード会社が乱立する時代となっているのです。
現在、ペットが家族の一員であるならば、その肖像を残しておきたいと思う人達もいることでしょう。家族に写真が上手な人がいるのであれば別ですが、なかには孤独な老人もいることでしょう。そのような人は、家族の一員のペットの写真を撮りたいと思ってもできないでしょう。そこで、ペット専門写真館の登場となるわけです。
ゲームの仕方としては、モノクロプラボゲームと同じで、潜在顧客を探すことがこのゲームの勝敗を決めてしまいます。このゲームも「受付」を見つけることから始まります。受付としては、ペットショップ、ペット専門病院、ペット専門葬儀社などです。
その受付に、ゲーム内容を記入したポスターを掲載してもらうのです。場合によっては、謝礼も必要でしょう。そのようにすることにより、潜在顧客を開拓できるでしょう。さらに資金的に余裕がある場合、ペット専門誌に広告を掲載することで市場を面拡できるでしょう。
このゲームの前提条件として、動物好きであることです。しかし、あなたが動物好きでない場合、動物好きの友人とチームを作ることで、このゲームをすることが可能でしょう。そして、このゲームで勝つことにより、あなたは動物写真家として世に認めてもらえる可能性があるでしょう。
 
写真を撮る技術は、機材の進歩でプロとアマとの垣根が年々低くなっています。そこで、プロとして生き残るには、どのようにしたら依頼者の要望を満たせるのかの技術を習得しておく必要があります。
それには、まずどのようなスモールゲームでも始める事です。書籍での勉強ではなく、実践をとおして、顧客との対応の技術を習得することです。その方法として、以上四つのゲームを考えたわけですが、これらはあくまでもヒントのひとつにすぎません。あなたは時代の流れを読んで、あなたに相応しいゲームを考えだすことにより、プロカメラマンを目指せることでしょう。
古い考えのアドバイスに振り回されてはいけません。ゲシュタルト心理学者のケラーという人が「過去の経験は、時には目の前の新しい思考の妨げになる。」と述べています。
あなたは、過去のプロカメラマン像に合わせて行くことはないのです。過去のカメラマンの概念や常識といわれてきた因習に囚われることもないし、それに従う必要もないのです。時代の流れを読み、あなたの思ったとおりに写真活動をしていけばよいのです。無限の可能性は、あなたの心のなかにあるからです。
 
事業家への道
 
ひとは、希望を打ち砕かれた人に言います。「夢と現実とは違うょ。」という言葉は真理です。だからと言って、あなたのプロカメラマンになる夢が現実の世界とはならないといっているのではありません。あなたが考え、そして信じたことは、潜在意識の力により、この世で実現されるでしょう。しかし、そのようになるのには、「時」が必要なのです。
夢と現実とは違うということは、こういうことなのです。つまり、夢とはあなたが行き着く所で、現実とはあなたが今立っている所ということです。別の表現では、夢とはゴールのことで、現実とはスタートということです。こう考えれば、「夢と現実とは違う。」ということは、信じたことは現実のことにはならない、ということではないことが理解できるでしょう。
それでは、夢が実現するまでの「時」とはどのように考えればよいのでしょうか。
時は流れています。丁度川の流れのように。時の流れというと、時計の針が回っていくことを考えている人がいるでしょう。ここで言う時の流れとは、そのような物理的な約束事により決められた流れではなく、心のなかに流れている時のことです。「楽しい時の流れ」は「退屈な時の流れ」より速いことは実感できるでしょう。この「時の流れ」は、どのような時計でも計れません。
この時の流れは、宇宙の法則とでも言うような偉大な力に支配されていますから、人間の浅知恵などでは、流れをかえることはできません。
一部の人は、自分が不都合な状況に陥ってしまった時、時の流れを自分の都合の良い方向へ変えようと、一生懸命努力してしまいます。しかし、その努力の甲斐もなく、結局流れをコントロールすることができず、時の流れにながされてしまいます。そして、その人は言うのです。「夢と現実とは違う。」
あなたの場合、「夢と現実とは違う。」ことの意味を知っているわけですから、時の流れに闇雲に流されることはないでしょう。
もし、あなたが考えたゲームをしてゴールの夢を目指している時、何かの不都合が起こってしまったらどのように対処すれば良いかと言いますと、あなたはその流れを自分に都合よくしようと努力するのではなく、その流れから一時退いて、その流れを客観的に読むことで、あなたがなにをすべきかを感じとれるでしょう。
対処が取れない場合、何もしないことも、最良の対処のひとつなのです。
何か不都合が起こってしまった時、そのゲームに成功する人と失敗する人との思考の仕方は異なるようです。
成功しない人は、不都合が起こってしまった時、それに対処しょうと普段にも増して五感を駆使するようです。五感とは、視覚、聴覚、味覚、臭覚それに触覚のことです。それらは意識が覚醒している時の情報収集機関です。それらが集めた情報の塊が知識となるわけです。つまり、その人達は不都合を回避、改善するために、知識に頼ろうとするのです。ある人は、著名な知識者に相談したり、その類の(この本もひょっとしたらそうかもしれませんが)本を読み漁ったり、または解決の糸口を見つけるための情報収集として、自分と同じような状態の人達と仲間になろうと動き回る傾向があるようです。
そのようにして、不都合が回避、改善できたとしたら、それはそれで良い対処の仕方です。しかし、知識の力だけでは解決できない可能性があります。
それでは、成功する人はどのような行動を執るのでしょうか。それらの人は、五感を遮断します。そして、信心深い人でしたら神仏に祈るでしょう。無神論者は、知恵の声に耳を傾けるでしょう。
成功する人とは、時の流れは偉大な力により支配されていて、人の力ではコントロールできないことを知っている人です。そして、無駄な努力をしてエネルギーの放出をするのではなく、好期が来るのを信じて待ち、五感を遮断することによりエネルギーの充電を図れる人です。
つまり、成功する人とは、無駄な努力をしない人なのです。
 
喩え話をします。
大きな川の船着場の近くで、みすぼらしい修行僧が、川に向かってブツブツ呪文を唱えています。そこに馬に乗ったみるからに立派な僧が通りかかります。
「そこの人、なにをブツブツ唱えておるのじゃ。」
「わしゃ、ゼニがねえのでこの川を歩いて渡ろうとおもおて呪文を唱えておるのじゃ。」
「ほう、あのブツブツは呪文だったのか。」
そう高貴な僧は言って、弟子に分厚い書物を持ってこさせ、
「あなたの発音は間違っておる。わしが正しい発音を教えて進ぜよう。」「ありがとうごぜえます。」修行僧はお礼を言って、小一時間ほど発音練習をしましたが、
「わしぁ、よおできんわ」
そう言って、また川に向かってブツブツ呪文を唱えだしました。
「旅の僧よ、そのような発音では呪文の効き目はでんぞ、しっかり書物を読んで知識を蓄えんとな。」
高僧は、そういって船に乗り込みました。船が川中に行くころ、
「さきほどは知識をつけていただき、ありがとうごぜえますだ。」
と旅の僧は、船の中の高僧に礼を述べると、スタスタと川を歩いて渡って行きました。
 
あなたが五感により感じているだけが現実の世界ではありません。意識が覚醒している時だけの世界と、意識が眠っている世界とがあるのです。意識が眠っているのですから、その世界がどのような世界かを、知識を使って解明はできません。
だからといってその世界の手がかりかないわけではありません。その世界からの情報は、直感とか啓示とかによりもたらされるのは、多くの人達から聞くことです。それらは、「知恵」などともいわれています。
それらの超感覚は、五感を遮断した時に多く現れることが、昔からわかっています。ですから、偉大な人物となった人や物事に成功した人は、不都合がおこってしまった時、そのことに対処するための答えを、他の人から得ようと努力するのではなく、自信の五感を遮断する瞑想に入り、自分自身の潜在意識により答えを見出したのです。
あなたの場合、ステップ2でリラックスの仕方を習得しているのですから、それが座禅や瞑想の代わりとなるでしょう。その時に思い浮かべる暗示語は、「わたしは正しい判断をする。」です。解決の答えを得るために、「ああしよう、こうしょう」、と考えないことです。その暗示語が、潜在意識に入り込んだ時、あなたは、対処の仕方の答えを得ることでしょう。
人生ゲームにおける色々な問題を、他の人の力を頼り解決するのではなく、あなた自身の内なる力により解決できると確信できた時、あなたは事業家として成功の道を歩み始めたのです。それが、プロカメラマンへの道です。