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プロカメラマンになれる本 http://www.kitanet.ne.jp/~aash/ 
 
●プロローグ
人は、大きく分けると二種類に分けられるようです。一人は、人生を思う通りに過ごせる人で、もう一人は、人生に振り回されている人です。
別の表現では、前者が「銀のスプーンをくわえて生まれた人。」で、後者が、「悪い星の下に生まれた人。」とも言えましょうか。何れにしても、人生うまく行く人は、何をやってもうまく行くし、うまくいかない人は、どんなに一所懸命に努力してもうまく行かないものです。かえって、努力すればするほど目標とは反対を目指してしまうことにもなりかねません。
何故、同じ人間としてこの世に生まれて来たのに、そのように区別されてしまうのでしょうか?
その分岐点として、その人の考え方、別の表現では、思考回路が考えられます。
人生うまく行く人は、その思考回路が外界の刺激に対してうまく反応して、自分の目標を目指す行動を起させます。しかし、その思考回路に何らかの不都合がある人は、外界の刺激に対してうまく反応できないため、目標に向かって進むことができないため、人生が思うように行かないわけです。
この本は、幸運な前者の人には、当たり前のことを長時間かけて読むことになるため、時間の浪費となるでしょう。ここで読むのを止めることをおすすめします。挫折を経験した後にお会いしましょう。
しかし、挫折を経験している運の悪い後者の人には、人生において目標に向かって行くための何らかのヒントが得られるでしょう。
この本は、写真の技術を習得しようと考えている人を対象としていません。そのような人は、他の写真技術書で勉強して下さい。
この本は、真面目に努力しているのに人生うまく行かない人を対象としています。
この本は、「基礎篇」、「魔術篇」、「自立篇」の三部作で完結する予定です。この本を読みきったあかつきには、あなたの人生も今とは違うものとなっているでしょう。
それでは、そろそろ本題にはいるとしましょう。
 
 
プロカメラマンになれる本(1)
基礎篇ステップ1
 
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第一章 心理篇
 
 
あなたの歩幅で歩く
 
 
あなたは、雪道で誰かの足跡に、あなたの足を合わせて歩いたことがありませんか。始めあなたの歩幅と合っていた足跡も、歩いて行くうちにだんだん合わなくなって来ることを経験していることと思います。
これからあなたが歩んで行くプロカメラマンへの道を、あなたが進んで行く場合にも、雪道の足跡と同じことが言えます。
人の歩幅には、その人の歴史により色々な個性があります。あなたにも個性があります。一所懸命努力して、人の足跡に、あなたの足を合わせて行っても、いつかは結局合わなくなって来ることは眼に見えています。
ですから、あなたは、人の歩いた足跡に、あなたの足を合わせて歩くのをやめて、あなた自身の歩幅で歩いて行くべきです。
若くして有名会社写真部へ就職したとか、世界的有名な賞を受賞したとかの有名カメラマンの履歴と比べて、あなたが現在歩いている、または、歩いて来たことが非常に掛け離れているとしても、あなたにはそれらのこととは関係のないことですし、それに、若くしてそれらのことをなしとげなければ、有名カメラマンになれないと言うこともないわけです。
あなたが、現在定年前のサラリーマンであろうと、または専業主婦であろうと、これからプロカメラマンになろうと思ったら、そうすればよいのであって、有名カメラマンとなった人の足跡に、あなたの足を合わせることもないし、その必要もないと言うことです。
人生は一度だけです。そして、それはあなた自身のための人生なのですから、あなた自身の歩幅で歩いて行けば、あなたのペースで、プロカメラマンというあなたの目標へ必ず行き着くでしょう。
 
思うことから始まる
 
 
あなたの身の回りにある物総ては、その物が出来上がる前に、それを作った人の心の中に存在していました。
例えば、家を建てる過程でこのことを考えてみましょう。
家を建てるには、まず設計者が、その土地の地形、地質それに回りの環境を調べ、それらの条件に合うような家を想像力を使って心の中に描いてみます。そして、その家がその土地に建っていると仮定して色々なことを心の中で検討してみます。
設計者は、心の中で考えもせず、いきなり設計図は引きません。設計者は、未だ建っていない家を、想像力を使ってありありと心の中で建設して行きます。そして、それが設計者が望む家と思われた時、初めて設計図を書きます。
設計図が出来上がった時点では、もうその建てようと思っている家は、八分どうり出来上がったも同然です。あとは、ただ設計図どうりに、大工さんが建築資材を組み立てて行けば、心の中に描いた家が建つというわけです。
このことは、眼に見える物を創ることだけにあてはまるのではありません。眼に見えない事や願望実現にもあてはまります。
ですから、あなたの目標であるプロカメラマンとなるために、このやりかたを応用することは賢い方法のひとつです。
あなたがプロカメラマンになるためには、ただやたらに写真を撮るだけではだめでしょう。そうすることは、大工さんに設計図を渡さないで、あなたの望む家を建ててくれ、と言うことと同じです。
あなたの望む家を建ててもらいたいのなら、その設計図を大工さんに渡せば良いのです。このことと同じように、あなたがプロカメラマンになりたいと思うのなら、まずあなたはどのようなプロカメラマンになりたいのかを、あなたの心の中に描く必要があります。そして、考えがまとまりましたら、あなたの性格や力量を考え、あなたに合ったプロカメラマンへの設計図を心の中に描くのです。
あなたの望むプロカメラマンへの設計図が心の中に描けたら、次にすることは、その設計図を「大工さん」に渡すことです。そうすれば、あなたの心に描いたことは、現実の世界に現れることでしょう。
お百姓さんは、畑に種を蒔く時、この種ははたして芽を出すだろうかとは心配してはいません。蒔いた種は必ず芽を出すという信念を持って、そして、その種が芽を出し成長し、素晴らしい収穫が出来ると期待しながら種を蒔いているのです。
あなたも、あなたの心の畑にプロカメラマンという種を蒔いたのです。心配はいりません。蒔いた種は、必ず芽が出ることになっているのです。
 
あなたの心の中の建物を作る大工さん
 
 
あなたは、あなたが思ったり考えてもいない事を何とはなしに、言ったり、してしまったことはありませんか。思い出せば、そのような経験は一度や二度はあると思います。
このことは、あなた自身の行動や言葉は、あなたの考えているとおり総てをコントロールしているのではないということです。
では何が、あなたが思ってもいない事をさせているのかと言いますと、それは、あなたの意識以外の意識、つまり潜在意識というものが、あなたが意識していない時のあなたの総てをコントロールしているのです。
あなたの心の回路には、あなたがコントロールできる意識回路と、あなたがコントロールできない潜在意識回路とがあります。そして、意識回路は潜在意識回路に比べれば、その占める割合は、氷山の一角にすぎません。
ですから、あなたの一日の大部分は、潜在意識回路により行動しているわけです。
あなたの心の中の大部分を占めている潜在意識には、あなたの生命を維持増進させるための色々な知恵がみちています。あなたの潜在意識回路には、人間が生物として地球上に現れた時点から、あなたが幼児期に与えられた知恵(躾など)や、現在あなたが得ている知恵までもが組み込まれているのです。
知恵と知識とは、どのように違うのでしょうか。簡単に言ってしまえば、知恵とは先天的なもので、知識とは後天的なものです。
ですから、生まれてから学習により獲得する知識は、その努力に比例して増やすことは可能です。
しかし、知恵は努力したから増えるというものではありません。それは、もともとあるもので、潜在意識をコンピュータにたとえれば、何かのプログラムを稼動させるソフトのようなものです。
この知恵を内在しているあなたの潜在意識は、意識があなたの行動の主導権を握っているほんの少しの時間以外、つまり、あなたが意識をするという緊張状態を維持していられるほんの短い間以外、二十四時間あなたの行動を、その回路に組み込まれているとおりにコントロールしているのです。
つまり、あなたが毎日なにげなくしている行動の大部分は、潜在意識の回路に組み込まれたとおりのことをしているということです。
ですから、あなたが、プロカメラマンとなる望みを達成させるためには、あなたはこの知恵を内在している潜在意識について研究する必要があるでしょう。
一般的には、練習熱心な人は、練習をしない人より、良い記録を多く出すようです。
スポーツ選手が、同じ動作を何度も何度も繰り返し練習するということは、意識下にその動作を刷り込むことです。つまり、このことは、試合の大事な時に、思い通りの動作が出来るように、潜在意識に回路を作っていることなのです。
潜在意識に、あなたの思うとおりの回路を作ることが出来るということに、あなたは注目すべきでしょう。
ですから、無限の知恵を内在している潜在意識の力を理解し、そして活用することは、これからのあなたの人生をよりよく変えて行くでしょう。そして、この潜在意識こそが、あなたの心の中の建物を作ってくれる「大工さん」なのです。
 
潜在意識の活用
 
 
この有能な潜在意識にも盲点があります。
それは、潜在意識の回路は、人称を受け入れないということです。つまり、わたし、あなた、彼、彼女などの人称がないまま、ある条件が整えば、潜在意識は受け入れてしまうということです。
このことは、あなたが、他の人に言った言葉も、あなたの潜在意識の回路に、人称のないまま入力してしまうということになります。
たとえば、あなたが、他の人に向かって言った否定的な言葉は、あなたの潜在意識内では、あなた自身に向かって言っていることにもなってしまうわけです。
このことは、言葉についてだけではありません。あなたの総ての動作や見方にもあてはまるのです。ですから、あなたが、写真展などで誰かの作品を鑑賞する時などは、否定的な見方をしないで、常に肯定的かつ建設的な見方で臨んで下さい。
否定的に物事を見るということは、あなたの潜在意識に否定的な見方の回路を無意識に作ってしまい、そして、その反作用として、あなたが、あなた自身の作品を見る時、あなた自身の作品をも否定的に見てしまいます。その結果として、あなたは自信をなくしてしまうということになってしまうわけです。
潜在意識には、人称がないということを忘れないで下さい。
日常生活において、あなたが、他の人を否定的に見るということは、そのまま、あなた自身をも否定的に見ていることになります。それとは逆に、あなたが、他の人を肯定的に見るということは、それはそのまま、あなた自身をも肯定的に見ていることにもなるわけです。そして、その結果として、あなたは自信を得ることになるわけです。
あなたは、他の人を肯定的に見ていますか。
肯定的に見ているのでしたら、それはよいことです。しかし、大部分の人はそうではないでしょう。
あなたの潜在意識には、あなたが幼い頃に、両親やあなたの回りに居た人々や、その他の影響により作られた回路があります。その幼くして形成された回路は、あなたが死ぬまで、あなたの行動や言動に重要な影響を与えるほどのものです。「三つ子の魂百までも」とはこの事を言っているのです。
しかし、幼児期における子供に対する保護者達の言動は、自由に行動する幼児に対して、抑制しようとする否定的な言葉が大部分です。このことは、あなたが近所の公園での母親と幼児を短時間観察すれば理解できるでしょう。
ですから、大人となった多くの人達の潜在意識には、それらの抑制的な否定語がいっぱい詰まっている回路があるわけです。
その結果として、多くの人達の中には、なにごとにつけても、行動を抑制してしまい積極的になれなかったり、世の中の出来事を総て悪い方へ、悪い方へと考えてしまう人になってしまうことになるわけです。
もしも、あなたが、肯定的回路より否定的回路を多く持っていると感じたら、その回路を変換する方法があります。
それは、簡単な方法です。否定的回路が作られたのと逆のことをすれば良いのです。しかし、現在の理論では時間は逆行させることはできません。ですから、今現在から、あなた自身の言動を肯定的にすることと、あなたの回りの人々の肯定的かつ建設的言動のみを受け入れ、否定的な言動を無視する訓練をすることです。
つまり、「何々してはいけない」と考えるのではなく、「何々しよう」と肯定的かつ建設的に考える訓練をすることです。さらに、他の人達の言動を肯定的に捉えることも大切な訓練のひとつです。
このような訓練が無意識に出来るようになった時、あなたの潜在意識には、肯定的回路が出来たということで、その結果として、あなたは積極的な人に変身したことになるわけです。
人生において、積極的になれたということは、成功への切符を手に入れたのと同じことです。
 
潜在意識と暗示
あなたは催眠術を信じますか。
あなたは催眠術を信じていなくても、テレビなとで催眠術師がある人を、鳥や蝶などに思うどうりにしてしまう場面を一度や二度は見たことがあると思います。
この催眠術とは、暗示を応用したものです。催眠術にかかるということは、別の表現では、暗示にかかるともいえるでしょう。暗示にかかるということは、あなたの意識がそう思っていないのに、結果としてなぜだかわからないのですが、そうしてしまったと言うことです。
では何ゆえ、そのような行動をとってしまったのでしょうか。
あなたの意識でコントロールできない潜在意識は、あなたの意識が本当だと信じ込んだことしか受け入れません。意識は、常識という情報で潜在意識をガードしているのです。しかし、そのガードが防御出来ない時、つまり、信じこんだ時は、何でもどんなことでも、潜在意識は受け入れてしまいます。
催眠術師は、潜在意識のこのメカニズムを知っていますから、催眠術師は、自分自身を普通の人間ではない特異体質、例えば、針を身体に刺したり素手で石を割ったり、の超人のように振舞うか、一般の人が驚くような肩書き、例えば東大医学部卒など、を披瀝するのです。
そのように行動したり、肩書きを披瀝することにより、あなたの常識を司る潜在意識の門番である意識を混乱させたすきに、あなたの潜在意識に暗示をかけてしまうわけです。
その結果として、あなたが思ってもいないことを言ったり、してしまうことになってしまうのです。このことが、暗示にかかる、あるいは、催眠術にかかるということです。
あなたの意識下の行動をコントロールする潜在意識には、暗示を受け入れるか、受け入れないかを判断する能力はありません。意識が受け入れた暗示を、ただ実行させるだけです。
ですから、あなたの意識が混乱しなければ、暗示も催眠術にもかからないということです。つまり、催眠術とは、あなたがその術にかけられるのではなく、あなた自身が、あなたの意識を混乱させて、その術にかかってしまうことなのです。
結局、催眠術師にできることは、意識を混乱させることだけです。ですから、催眠術師の履歴や言動を信じなければ、催眠術にかからないし、信じれば催眠術にかかるというわけです。
この「信じることが、潜在意識をコントロールする方法の一つ」、であることをよく考えて下さい。
 
潜在意識に働きかける
暗示は良いことに使えば、これほど利用価値のあるものはありません。それは、あなたが一所懸命に暗示にかかろうと努力すればするほど暗示にかからなくなり、それとは反対に、努力もなしにたださりげなく暗示をしていれば、暗示にかかるからです。つまり、暗示にかかるためには、不必要な努力は要求しないということです。暗示にかかるには、努力してはいけないなんて、なにか今まであなたが言われてきたことと逆のようですね。
なぜ一生懸命に暗示にかかろうと努力すればするほど暗示にかからないかと言いますと、一生懸命努力するということは、緊張という意識の力を必要とするからです。
意識とは、潜在意識への関所の役割をしています。個体に有害と思われる情報を、意識がチェックしているわけです。潜在意識に入り込もうとするものは、総てこの関所でチェックを受けます。関所が混雑していたり、混乱している時は、チェックは簡単になりますから、その関所への出入りはスムースに行きますが、緊張を意識に与えて関所のチェックを厳しくしてしまいますと、与えられた暗示は、意識という関所で足止めを食らい、潜在意識へと入って行けなくなってしまいます。その結果、暗示にかかりにくくなってしまうわけです。
あなたは、この暗示のかかりかたの法則を理解することにより、無駄なエネルギーを使わずに、プロカメラマンの目標に到達できるのです。
その方法とは、あなたが、あなた自身に「おまえはプロカメラマンになれる」という暗示を、一生懸命にではなく、さりげなくあなたの潜在意識に入力させるのです。そのようにして潜在意識に受け入れられた暗示は、その潜在意識の力で、現実の世界において実現させてしまいます。つまり、願望実現の第一歩は、潜在意識に働きかけることから始まるのです。
 
暗示のかけかた
 
あなたはテレビを見るのがすきですか。
民放テレビの番組には色々なコマーシャルがながれています。民放テレビ会社は、番組提供料金やスポット料金を取ってコマーシャルを流すことにより会社を運営しています。ですから、当然そのコマーシャルタイムの数十秒は莫大な料金となっています。そのコマーシャルをあなたは一生懸命にではなく、ただなんとはなしに見ていませんか。
テレビにコマーシャルを流しているのは大部分は営利目的の会社です。営利目的ですから、事業のための投下資金の回収及び利益は、その会社が作る商品をお客様に購入していただくことにより得るわけです。そのために、莫大な制作費をかけてCFを製作し、テレビ媒体を利用してその商品の購買力を喚起させようとしているのです。
ですから、もしもその事業投下資金に見合った利益を得られないと、会社を運営出来なくなり、その結果倒産ということにもなってしまいます。その会社存続を左右する大事な、そして莫大な資金を使って製作したテレビコマーシャルを、あなたはたたなんとなくさりげなく見ていませんか。
あなたのそのようなテレビコマーシャルにたいする態度でいても、コマーシャルスポンサーの会社は倒産しません。コマーシャルの露出度を多くすればするほど、その商品が売れることは衆知の事実です。
では、あなたがテレビコマーシャルを一生懸命努力して見ていないのに、何故その商品は売れるのでしょうか。
それは、あなたがコマーシャルをただなんとはなくさりげなく見ている状態が、最も暗示にかかりやすいからです。
そのような状態において、あなたはさりげなくコマーシャルの意図する暗示にかかり、後日そのコマーシャルメッセージが無意識に思い浮かんだり、そのコマーシャルソングを無意識に口ずさんだり、無意識にあなたの話題の一部となったりして、その結果、そのコマーシャル商品を購入してしまうわけです。
つまり、暗示により受け入れられたことは、潜在意識により実現されるのです。
ですから、コマーシャルスポンサーは、あなたにコマーシャルを一生懸命にではなく、さりげなくただなんとなしに見てもらいたいし、そのような意図でCFを製作しているのです。
あなたは、暗示をあなた自身にかける時、このことを応用することにより、無駄な努力なしに確実に暗示はさりげなくあなたの潜在意識へ入り込んでいくでしょう。
その方法は、あなたの心のテレビ画面にあなた自身が、あなたの望むプロカメラマンとして活躍している場面を、ただ思い浮かべ、そして、その場面をあなたがたださりげなく眺めていればいいのです。そして、あなたはその心の画面のことは本当のことだと信じていればいいのです。
潜在意識は、あなたが一つの疑いもなく本当だと信じたことを受け入れます。そして、そのことは後日、潜在意識の力で、現実の世界で表されます。このことは、あなたがテレビコマーシャルの商品を結果として購入してしまうことと同じことです。
「ただ一生懸命努力していれば、道は拓けなんとかなる」、という呪文から解放されましょう。もし、その呪文が真理だとすれば、真面目なあなたは人生において成功しているし、この本など読まないはずです。この呪文は、あなたをこき使う人には真理です。一生懸命努力さえしていれば、なんとかなるという考えは、あなたにはもう不必要です。
あなたがこれからすることは、目的意識もなくただ我武者羅に努力するのではなく、テレビに流れているコマーシャルのように、あなたの心の画面にあなたが、あなたの思うとおりのプロカメラマンとして活躍している場面を想い浮かべ、そして、そのことは本当のことだとただ信じていれば、後日、あなたは現実の世界で、そのようなプロカメラマンとして活躍できるでしょう。
「人はその人の思うとおりの人物になる」、ということは真理です。
 
暗示から覚める
あなたのこれまでの人生で、有害な暗示の力により、あなたの行動範囲を狭める結果となってしまっている場合があります。
例えば、プロカメラマンを目指しているあなたは、カメラを何台かもっていることでしょう。それらのカメラは、どこのメーカーのものですか。なぜそのメーカーのカメラを選んだのですか。
宣伝は催眠術と似たところがあります。その基本は、あなたの潜在意識に暗示をかけて、ある商品をあなたに購入させるようにすることです。
カメラメーカーは、莫大な宣伝資金を使って、あなたがそのメーカーの高価なカメラを購入することにより、プロカメラマン並の作品が撮れると、色々な方法で暗示をかけます。一寸考えれば、カメラは、カメラマンの感性を表現する道具で、その道具を使いこなせる技量がなくては、プロカメラマン並の作品など撮れるはずはありません。しかし、宣伝で、そのカメラを手にすればプロ並の作品が撮れると暗示するわけです。
その結果として、そのメーカーのカメラを購入することにより、プロカメラマンとなれるという暗示にかかってしまい、あなたはそのメーカーの高価なカメラを購入してしまうわけです。
もし、あなたがプロカメラマンになるためには、あるメーカーの高価なカメラを持っていなければなれないと強制的に思っているのならば、それは取りも直さず、あなたはカメラメーカーの暗示にかかっていることになります。
カメラは、あなたの感性を表現するための道具ですから、あなたが使い易く、かつあなたの所得に合ったものを使用すればよいのです。
あなたの技量に合ったカメラで撮影し、その作品が評価されてプロカメラマンと認められたら、そのカメラがプロフェッショナルカメラということです。
あなたがプロカメラマンとして認められるためにすることは、高価なカメラをコレクションすることではなく、ひとびとの琴線触れる、あるいは眠っている感情を揺さぶる作品を作ることです。
高価なカメラを持っていなければプロカメラマンになれない、という暗示から早く覚めて下さい。
そのことと同じように、あなたのこれまでの人生での生き方においても、同じことがいえます。プロカメラマンになるためには、こうしなければならないという暗示が、もしも、あなたの目標に対しての前進を阻止しているのなら、その暗示から早く覚めて下さい。
人生において、人々を傷つけることがなければ、こうしなければなれない、という基準はないのです。あなたは、あなたの思うとおりにして行けばよいのです。
これからは、暗示は、あなたが他の人からかけられるのではなく、あなたが他の人に、あなたが有能なカメラマンである、とかけるのに用いるべきです。
 
楽しく考えるとは
あなたは、日常生活において「つまらない」という言葉を何回言っていますか。
ひとによっては、日常生活で「つまらない」を連発していることもあるようです。それでは、その人が「つまらなく」しないために何かをするかというと、何もしないで、「おもしろい」ことが起こるのを待っているようです。
それでは、日常生活は本当に「つまらない」事の連続なのでしょうか。
自然はただ自然そのままとして存在しています。あなたが、自然を厳しいものとか、あるいは暖かいものとかを感じるのは、あなたがその自然の状態をどのように感じたかによります。
ある状態において、あなたがその状態が厳しいものと感じたら、あなたは自然を厳しいものと思うし、暖かいものと感じたら、自然を暖かいものと思うでしょう。
自然は、厳しくもないし、暖かくもありません。それは、ただ存在しているだけです。
日常生活も、それと同じことが言えます。
日常生活が、「つまらない」か「おもしろいか」は、あなたが日常生活をどのように思っているかによります。「つまらない」と思っているのなら、つまらないし、その反対に「おもしろい」と思っていれば、おもしろいはずです。
日常の毎日のことは、ただ存在しているだけにすぎません。見方により、あるいは感じ方により日常生活は、「つまらなく」もなり「おもしろく」もなります。
と言う事は、毎日を「つまらなく」するも、「おもしろく」するも、その原因はあなたの考え方によるのです。
毎日のことを楽しく考えましょう。そして、毎日がワクワクするようなことを考えましょう。そして、そのワクワクすることを、あなたの潜在意識に暗示を使って与えましょう。
潜在意識が、その暗示を受け入れた時、その結果としてあなたは毎日のことが「つまらなく」ではなく楽しく見えてくることでしょう。そして、毎日の出来事がワクワクするような楽しいことの連続だということに気付くことでしょう。
ひとは、楽しい所や楽しい人達のもとに集まる習性があります。ですから、毎日を楽しんでいるあなたは、毎日いろいろな人達と知り合いとなるでしょう。
あなたがプロカメラマンとして有名になるということは、あなたのことをどれだけ沢山の人達が知っているか、ということによります。ですから、あなたが毎日を楽しく暮らしていることは、あなたを日ごとに有名にしていることにもなるわけです。
森羅万象は、ただ存在しているだけです。それらを肯定的に見るも、否定的に見るもあなたがそれらをどのように思っているかにかかっています。
ただ一度の人生です。楽しく毎日を暮らしたいものです。たのしく毎日を暮らしているカメラマンには、自然と人々が集まって来ます。その結果、そのカメラマンは有名になっていくというわけです。
 
人生はゲームだ
あなたは人生をどのように考えていますか。
ただ退屈なだけだ、と思っていませんか。それに、永遠に続いて行くと思っていませんか。
人生が退屈かどうかは、その人の考え方により決まりますが、物理的な人生の長さは大体決まっているようです。その長さは、約80年だそうです。
あなたが、もしも40歳だとしても、まだ人生が40年もあり、長く感じるでしょう。しかし、見方をかえて、あと人生が14.600日だったらどうでしょう。物理的に同じ長さでも、「年」で考えるのと、「日」で考えるのとでは、その人生のイメージが異なって感じるでしょう。
人生を「日」で考えれば、人生は留まっているのではなく、毎日少しずつ流れているのを感じるでしょう。
もしも、あなたが、あなたの人生が退屈だと思っているとしたら。(80-あなたの年齢)×365日で、あなたの物理的人生を計算してみて下さい。
さて、ここでもう一度あなたに聞きます。あなたは人生をどう思っていますか。
私は、人生はゲームだと思っています。それも、楽しいゲームだと思っています。
もしも、あなたが、あなたの人生ゲームが楽しくないと思っているとしたら、その原因の一つは分かります。
その原因としては、「人生モデル」と「平均」のトリックが考えられます。
「人生モデル」とは、分かり易く言えば、生命保険会社のパンフレットにある、何歳でこうする、何歳でああする、とあるあの人生モデルのことです。何歳で結婚しようと、何歳で家を建てようと人生には基準や決まりなどないのです。さらに、平均値という幻想が、それです。平均値とは実態のない幻の数値です。10万円の預金額を持っている人と、100万円持っている人の平均金額を示してなんになるのでしょう。何歳で平均貯蓄がいくらかなんて、そんなこと、あなたの人生には関係ないことです。
人生が楽しくないと、考えている人の原因の大部分は、自分が所有している物が、他の人の物と比べて、少ないか劣っていると思っているからです。
人生において、この他人と比較をすることを超越することで、あなたの人生も変わって行くことでしょう。
この人生ゲームは、普通のゲームと異なることがあります。それは、ゴールとゲーム終了は、あなたの都合で決められるということです。
さらに、このゲームの異なるところは、複数の人達でゲームをしているように見えるのですが、実際にゲームをしているのは、あなたただ一人だということです。この世の人達は、その人達個人個人の人生ゲームを行っているのです。何かの拍子で複数人でゲームをする場合もありますが、時がくれば、それぞれの個人ゲームに戻って行き、結局ただ一人でゴールに向かって行くのです。
ですから、この人生ゲームには、比較する人がいないわけですから、勝者もいなければ、敗者もいないのです。
あなたが、あなたの人生ゲームの終了を宣言した時、あなたがそのゲームに勝ったと思うのなら、あなたはその人生ゲームの勝者ということです。
この本を読んで下さっているあなたは、プロカメラマンを目指していることでしょう。ということは、あなたの人生ゲームのゴールの一つは、プロカメラマンとして活躍することですね。
ゴールが決まれば、あとはどのようにしてそこにたどり着くかを考えればよいのです。ここまで読んで下さったあなたには、そのたどり着く方法が分かっている筈です。
あとは、あなたの全能の潜在意識を利用して、あなたの思いどおりの人生ゲームを楽しんで下さい。あなたには、出来るはずです。
 
 
 
 
 
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第二章 心の準備篇
 
 
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プロカメラマンはビジネスマン
 
 
あなたは、アマとプロとの違いを認識していますか。
その違いを簡単に言えば、アマとは自分主体で行動することで、それに対して、プロとは自身の生活を維持するために、お金または対価を求めて行動することです。
ですから、同じ写真を撮るとしても、アマチュアカメラマンとプロカメラマンとの心構えは異なるのです。
プロカメラマンとは、カメラを道具として写真を撮り、そしてその作品をお金または対価と交換することです。ということは、基本的には、物や情報を売るビジネスマンと同じだということです。
あなたがプロカメラマンになるということは、あなたの生計をあなたの撮った作品を売ることにより立てていくのですから、あなたはプロカメラマンとしてのビジネスの基本を知る必要があるでしょう。
あなたがこのビジネスの基本を習得することにより、あなたのプロカメラマンとしての仕事がスムーズにいくことでしょう。そして、その結果、このビジネスに成功することでしょう。このビジネスが成功するということは、あなたがプロカメラマンとして成功するということです。
プロカメラマンとしてのビジネスと言っても、何も難しく考える必要はありません。
あなたがビジネスとして売る物が決まっているからです。それは写真以外の何物でもありません。
ですから、あなたがするビジネスの基本とは、あなたの写真を買ってくださる顧客を開拓して、その人達にあなたの写真を販売して、その対価を回収し所得を向上させ、その結果としての税金を税務署に納めることです。
簡単に言ってしまえば、以上のことをすることが、あなたがこれからしょうとしているプロカメラマンとしてのビジネスの総てです。
この本を読んでくださるあなたは、おそらく会社にカメラマンとして就社するサラリーマンカメラマンではなく、一匹狼のフリーカメラマンを目指しているのでしょう。ですから、その前提のもとにこれから書き進めていきます。
 
あなたの写真の何を売るか
 
 
あなたはプロカメラマンを目指しているのですから、プロカメラマンになろうとしている人の誰でもが考えているように、当然有名カメラマンとなり、一流雑誌の仕事や一流企業のコマーシャル写真或いはカレンダーなどの撮影の仕事をして、お金を稼ぐことを夢見ていることでしょう。
その夢見ていることとは、高級ビジネスマンションの一室をあなたの写真事務所として、美人(美男子)秘書と数人の有能な助手を使って華々しく第一級の写真の仕事をすることですね。
しかし、現実はどうでしょう。現在のあなたの現状を直視してみて、それらの夢が叶いそうだと思われますか。
心に思い、信じたことは後日現実の世界に現れるということは、第一章で述べたとおりですが、あなたの今立っている所はスタート台の上です。夢とは、ゴールのことです。
ですから、今スタートを切ったばかりのあなたに、ゴールの夢のような仕事を依頼する人はないと断言できませんが、稀でしょう。
一流の写真の仕事をしたいと思っているあなたに、現在そのような仕事の依頼がないことは、当たり前の事です。ゴールとは、スタートから進んで行く終着点で、ゴールからスタート地点へ向かうことはないからです。ここのところを間違わないで下さい。
現実から夢に到達するには、時間の旅が必要です。その時間は、個人差があり、ある人は短時間で行き着くかもしれないし、またある人は長くかかるかもしれません。だからといって、短時間で到着点にたどり着くのが良いかは分かりません。旅とは、過程を楽しむこともあるわけですから、長い時間をかけて山あり谷ありの旅のほうが、人生を振り返った時、面白いかもしれませんから。
さて、あなたは、潜在顧客にビジネスマンとしてセールスをする時、あなたの写真の何を売ろうと考えているのですか。
ビジネスには、売り手市場と買い手市場というものがあります。つまり、ある商品の需要と供給とのバランスにより、その商品の売り手と買い手との力関係が生じることです。希少商品は売り易いし、反対に供給過剰の商品は売り難いということです。
あなたがこれからしようとしているビジネスにおいては、あなたが売り手で、買い手は出版社、通信社、デザイン会社、広告代理店そして一般企業の宣伝課あるいは広報課などあなたの写真作品を買って下さる所です。
カメラマンがこの世であなた唯一人だとしたら、買い手であるそれらの会社から、撮影依頼の電話が向こうからかかってくることでしょう。しかし、現状はどうでしょうか。
ですから、あなたは、このビジネスの市場について研究する必要があります。
写真学校の卒業生は、毎年定期的にこの市場に供給されてきます。しかし、それらのカメラマン供給を満たすほど仕事の量は毎年増えていません。むしろ、電子映像が簡単に作成される現在、減る傾向にあります。ということは、これからは写真のビジネスにおいては、売り手市場ではなく、買い手市場ということになります。
それでは、プロカメラマンの卵のあなたに写真の仕事の依頼が来るチャンスがないかと言うと、そうではありません。依頼は必ずきます。その方法の一つは、買い手市場ではなく、売り手市場にすればよいのです。そのためには、この市場の予測をし、それに合わせた行動をすることです。
市場は流れているのです。よく、一流経済雑誌で、時代の寵児の特集を見ることがあるでしょう。それらの時代の人が得意となってビジネスの成功談を語っていても、数年もすると忘れ去られる人になるでしょう。その人は、錯覚しているのです。自分が時代をリードしていると。人が時の流れを変えるのではなく、時の流れが人物を作るのです。時代が舞台を作り、たまたまそこで演じたことが背景に合いうまく演じられたことが、ビジネスの成功というわけです。
ですから、あなたは時代の流れを読み、これからの人達は何を求めるのだろうかを研究することです。
何のビジネスでもそうですが、何を売るかで、そのビジネスがうまくいくかどうか決まってしまいます。人々が望むもので、特定の人でしか作れない商品は、誰でもつくれる商品より需要が多いことは事実です。
ですから、あなたは、これからの人達が望む情報をあなたの作品に反映させ、あなたの作風を確立し、それを市場に売り込めばよいのです。
ビジネスの基本や真理を知っていれば、ビジネスとは誰でも成功することができる簡単なゲームかもしれません。
 
ビジネスにおける足、手、顔、頭
 
 
ビジネスには貴賎はないと言われていますが、ビジネスの仕方には、易しいものと難しいものとがあるのは事実です。
そして、その難しいビジネスは易しいビジネスより、より多く報酬があるということも事実です。
ビジネスの基本は、物やサービスをお金を媒体として交換することです。ですから、あなたは、このビジネスであなたの写真とお金を交換する方法を考える必要があるわけです。
ビジネスの構造をカメラを例にとって考えてみましょう。
カメラメーカーのビジネスを大雑把に見ますと、四つの部門に分けられます。一つは、資本を有効に使いどのように会社を運営しょうか考える部門、二つ目は、どのようなカメラを作るかを考える部門、三つ目は、出来たカメラをいかにして販売するかを考える部門、そして四つ目は、そのカメラを販売店にいかに配送するかを考える部門です。
このビジネスの構造をもっと分かり易く考えるために、それらの部門を人間の各部にたとえてみましょう。すると、経営は頭で、営業販売は顔で、技術は手で、そして流通は足ということになるでしょう。
そして、この仕事の難易度を考えてみますと、足、手、顔、頭の順に難しくなって行きます。ですから、それらの仕事に対する報酬は当然、足、手、顔、頭の順に多くなっていきます。
さて、このビジネスにおける足、手、顔、頭の考えを応用して、あなたがいかにしてプロカメラマンとして仕事をしていくのかの方法を考えてみましょう。
物事を成就する簡単な方法は、難しいことから始めるのではなく、自分がこれなら出来ると思われる易しいことから始めることです。このことは、あなたにも言えます。ですから、あなたはいきなり難しい「頭」を使う仕事をするのではなく、比較的誰でも出来る「足」を使う写真の仕事からスタートすることは賢いことです。
その「足」の写真の仕事とは、普通のカメラマンが行けない所を撮影する仕事とか、それこそあなたの足を使って全国あるいは全世界を飛び回って写真を撮る仕事です。つまり、「足」の仕事とは、それこそあなたの足を使って歩き回る仕事です。
この足の仕事は、労多くして益少なしの仕事が多いですから、収入面で文句を言わなければ、プロカメラマンの卵のあなたに向いているでしょう。
体力のある人でしたら、ネイチャーフォトとよばれる野、山、海、その他自然の総てを被写体として撮影する自然風物写真家となるには、十年も日数がかからないうちにプロカメラマンとして認めてもらえることでしょう。
そして、「足」の仕事をしながら、プロカメラマンの仕事の基礎とビジネスの知識を習得していくのです。写真のビジネスの基礎を実践を通してあなたの仕事に対して自信がついてきましたら、あなたは「足」の次の「手」の仕事をするのです。
「手」の仕事とは、コマーシャル写真とか営業写真とかのカメラテクニックを使う写真の仕事のことです。
「手」を使う写真の仕事は、「足」を使う写真の仕事より、使用するカメラ機材や仕事上の人間関係が難しいですから、当然その仕事に対する報酬は多くなります。
難しい仕事は難しい仕事をこなせるカメラマンにしか依頼がきません。ですから、あなたが、「手」の仕事をしたいのなら、何年間かのカメラマンアシスタントの修行が必要でしょう。アシスタントをしたくないのなら、独学という手がありますが、いずれにしても、「手」の仕事をするには色々な勉強が必要です。
そして、あなたはその「手」の仕事をしながら、「顔」を使う仕事の準備をするのです。
「顔」を使う仕事とは、営業のことです。営業の仕事は、あなたの顔が売れていればいるほど仕事がしやすいですから、あなたは色々な人達と知り合いになる必要があります。
「手」を使う仕事は色々な人達の協力を得なければ出来ないのですから、あなたはその仕事を通して必然的に色々な人達と知り合いになるでしょう。ですから、その「手」の仕事をしているうちに、あなたは、あなたの「顔」を使う仕事の準備が出来るというわけです。
「顔」を使う仕事の下地が出来ましたら、そこであなたの「頭」を使う仕事が出来るというわけです。
「頭」を使う仕事とは、あなたが立てた企画を、「顔」を使って売り込み、「手」を使って写真の仕事を完成させ、「足」を使って納品してしまうという、あなた主役の仕事のことです。つまり、あなたの「頭」で考えた企画を売るという仕事です。
「頭」を使う仕事が出来るようになる頃には、あなたにはある程度の資金を持てるでしょう。ですから、それらの「足」、「手」、「顔」の仕事は、あなた自身がする必要はないでしょう。つまり、あなたは、あなたの足、手、顔となる有能な人材を採用し、それらの人達にあなたが企画した仕事を手伝ってもらえばよいのです。
このことが、あなたがプロカメラマンとして活躍することを夢みていたことでしょう。
つまり、有能な秘書に数人のアシスタントを使い、華々しく一流の写真の仕事をするという、あなたのプロカメラマンの夢のことです。
ビジネスの醍醐味の一つは、小さなことから始め、それを大きくして行く事でしょう。ですから、あなたは初めから大きい仕事を探すのではなく、つまり、「足」の仕事を探すことです。
人間の各部で仕事が出来なくなって行く順序は、「足」、「手」、「顔」、「頭」だということも記憶しておく必要があります。
 
カメラマンは何業か
 
 
あなたがプロカメラマンとしてビジネスを行うことは、簡単に言えば、あなたが、あなたの写真及び撮影技術を売るお店を開く、ということです。
そのお店を開くにあたって、あなたは考えておかなければならないことがあります。
あなたはプロカメラマンの仕事をどのような業種だと思っていますか。
新しい創造的な作品を創る芸術家の仕事だと思いますか。あるいは、カメラテクニックを色々な機材を駆使して撮影する技術者の仕事だと思いますか。それとも、人々を楽しませる芸能人のようなサービス業の仕事だと思いますか。
何れにしても、あなたが目指すプロカメラマンの仕事を、お店を開く前に、どのような職種か、と考えておくことは大切なことです。それは、あなたがプロカメラマンとしてビジネスをしていくうえで、世間一般の人達が考えているプロカメラマンのイメージを持つ必要があるからです。
例えば、すし屋の職人さんは、髪の毛をカーリーヘアにしているよりも、スポーツ刈りにしているほうが、握るスシも旨くなることは事実です。職種にかかわらず、その情緒的な雰囲気やイメージ作りは、どのようなビジネスにおいても絶対に必要です。
ですから、楽しさや夢を与えるサービス業を目指すカメラマンが、場末の薄汚い四畳半のアパートに写真事務所を持つのは考えものです。そして、写真技術やテクニックを売りものと考えているカメラマンが、初めて写真を撮るような人達が使用するようなカメラや機材を使用するのも考えものです。さらに、芸術を売りものとするカメラマンが軽薄な芸術知識しか持ち合わせていないことも考えものです。
つまり、あなたの目指すプロカメラマン像を考えておくことは大切だということは、以上の理由からです。
あなたが開くお店には、色々な人達が訪れることでしょう。その人達に安心して仕事を発注してもらうためには、信頼感というイメージ作りが最低条件必要です。ですから、そのビジネスを成功させるためには、あなたは、それらの人達が望むプロカメラマン像あるいはイメージにあなた自身を近づける必要があるわけです。それには、そのような雰囲気(必ずしも高価というわけではない)のカメラを使い、そのような雰囲気のある場所に事務所を構え、そして、その必要とする知識を付けることは賢いことなのです。
実際プロカメラマンに仕事を依頼する場合、そのカメラマンの腕もさることながら、そのカメラマンの持つイメージも重要な条件の一つだからです。
どのような仕事においても、その道の一流といわれている人達は、独特の雰囲気を持っているということを、あなたは考えておく必要があるでしょう。
ところで、あなたはの目指すカメラマンは、何業ですか。
 
宣伝とは良い評判を作ること
 
 
ビジネスにおいて、イメージ作りも大切なことですが、顧客とのコミニュケーションのとり方もそれにも増して大切なことです。
顧客とのコミニュケーションなとど言うと、何か難しい事をするように思われるかもしれませんが、その基本は、あなたがカメラマンとしてビジネスを始めたことを、それを必要とする人達に知らせることです。
ビジネスとは、自分の要求と相手の要求とが合って、初めて成立するものです。ですから自分のビジネスを受け入れてくれる相手を探さなければ、カメラマンとしてのビジネスを成功させることなどできないのはあたりまえのことです。
それでは、あなたが望むビジネス相手はどのようにしたら来てくれるのかを考えてみましょう。
あなたは歯が痛くなって歯科医院に行ったことはありませんか。
あなたが行ったその歯科医院は、どのようにして決めたのですか。多分、行くまえに誰かにその医院の評判などを聞いたことでしょう。
予約制のない歯科医院などは、何時間も待合室で待っていても、いざ治療となると数分で終わることもあります。患者が多過ぎる医院などは、治療を予約制にしても捌ききれないほどいるのに、その一方、待合室に患者がいなく、行けばすぐに治療してくれる流行らない歯科医院も実際にあります。
それではいったい、この両歯科医院の差はどのようにして出来たのでしょうか。
その原因の一つに、ひとの思い込みがあります。
流行る歯科医院は、待合室に多くの患者が何時間も黙って待ってまでして治療にきているのだから、ここの医者はきっと名医なのだろうとひとが思い込み、その結果、益々患者が増えていき、それとは逆に、待合室に患者のいない行けばすぐ治療してくれる歯科医院は、ここの医者はヤブだから患者がいないのだとひとに思い込まれることにより、益々流行らなくなってしまうというわけです。
この思い込みを利用した行列販促キャンペーンなど、あなたは街で何度も見たことがあるでしょう。
日本人は慎み深いのか、自分自身の判断よりも第三者それも権威ある人の判断を容易く受け入れる傾向があるようです。
人の行動を左右する原因の一つとして、この思い込みがあります。この思い込みは、評判をうけいれます。そして、その評判とは根拠が薄い第三者の意見で構成されています。つまり、思い込みは実態がないからこそ、イメージが無限に広がり、あるものを流行らせてしまうのです。
さらに、ひとは、皆が騒ぐから騒ぐという傾向があります。そして、その相乗効果によりなお騒ぐ傾向があります。この行動をマーケッティングに応用したキャンペーンスローガンを、あなたは街中で見ていることでしょう。「大好評発売中!」とか「絶賛発売!」とかの、その商品が売れた結果に初めて使用できるキャッチフレーズをその商品と発売同時に使うことは、その商品が売れている商品だとひとに思い込ませて、売上を伸ばそうと意図して使うわけです。
宣伝の基本は、自分達に有利な条件で、顧客とコミニュケーションをとることです。
あなたも、カメラマンとしてのビジネスで成功するために、このことを応用するのです。宣伝というと大げさになりますが、その基本は、良い評判を作ることなのです。
池に小石を投げると、波が同心円となって広がって行きます。評判もこれと同じです。ですから、あなたは、まずあなたの身近な人達に、あなたの評判を伝えることです。
あなたが評判を作り、それを世間という池に投げ込みますと、その評判は同心円の波となって世間に広がり、その相乗効果により、あなたの写真事務所の待合室は、お客様でいっぱいになることでしょう。
宣伝とは営利企業だけがするものではありません。ビジネスで成功した人達は、宣伝を上手に利用した人達です。ですから、あなたもカメラマンのビジネスに成功するために、あなた自身の宣伝を考えることは賢いことです。
 
さりげなく評判を作る
 
 
あなた自身の宣伝を考える、と言っても何をしたらいいのか分からないでしょう。
宣伝を営利企業とする広告代理店などあるほど、宣伝は奥が深いものです。しかし、あなたがする宣伝の基本は簡単です。それは、あなたが有能な(今の時点では有名ではない)カメラマンであるということを広めればよいのです。
その方法の一つとして、暗示を使ってあなたの評判を広めることは賢いことです。
あなたが有能なカメラマンであるという暗示を潜在顧客にかける最も確かな方法の一つは、今現在のあなたには現実的ではありませんが、あなたが一流カメラマンとなった人達がしていることや、して来たことを真似することです。
真似をすると言っても、一流カメラマンの作品の真似をして撮影するということではなく、あなたが自費で写真集を作ったり、写真展を開催したりすることです。
なぜそうすることが、あなたを有能なカメラマンであると潜在顧客に暗示をかけてしまうかと言うと、作品が写真集となったり写真展を開催することができるということは、一般的に言って、それなりの客観的実力がなければ出来ない事だと、一般に信じられているからです。
しかし、あなたが今現在そのようなことをすることは出来ないと断言できませんが、現実的ではありません。潜在顧客に暗示をかけるには、それらのことがいずれにしても世間一般が一流カメラマンがしていることと同じでなければ意味がないからです。
前述しましたように、暗示とはあなたが潜在顧客にかけるのではなく、潜在顧客自身が思い込み、信じ込まなければかからない、ということです。
ですから、現実の問題として、今現在のあなたが出来る宣伝方法を考えることです。
カメラ雑誌などで、新人カメラマンの履歴などを調べると、それらはだいたい以下のように集約出来るでしょう。
その1、著名写真家のアシスタントをしていた。
その2、有名写真学校、有名でなくとも外国の写真学校を卒業もしくは中退した。
その3、権威ある出版社や写真展の賞を得た。
その4、有名写真家協会の会員である。
その5、一流雑誌の仕事をしたことがある。
以上の宣伝文句などは、雑誌などの新人カメラマン紹介記事で、何度も見ていることでしょう。
それらの宣伝文句があなたに使用できるのなら、それらを有効に使うことです。
しかし、それらの宣伝文句が使用できないのなら、あなたの現在で出来ることから始めるべきです。
カメラマンのビジネスも世間一般のビジネスと基本は同じです。ですから、身近なところの見本を真似てみるのも一つの方法です。
その方法の一つとして、おそば屋さんがお店を開店する時、近所におそばの無料試食券を配る方法を真似てみることです。そのようにして、潜在顧客におそばの試食をしてもらい、その店のそばの味を味わってもらい、顧客の開拓をする方法です。
あなたも、あなたを有能なカメラマンと宣伝するために、この方法を取り入れることは、それなりの効果を得られるでしょう。
その方法とは、潜在顧客から写真の仕事を料金など度外視して請負、あなたの撮影技術を評価してもらうことです。さらに、これはと思われる潜在顧客にあなたの作品をサンプル出荷することです。インターネット上での作品展もよいでしょう。いずれにしても、あなたの性格や今現在の力量で出来ると思うことから始めるのが一番です。
何もしないで、写真の仕事がこないと悩んでいるよりも、何かをして、その結果を悩むことのほうが、人間進歩します。ですから、あなたはどのような宣伝方法で、あなたの評判を作るのかを考えるべきでしょう。そして、その考えたことをすぐに実行して下さい。
初めから大きなことを考えるから前に進まないのです。あなたがこんな事と思われる小さな事から始めるべきです。何をしようかと悩んでいる暇はありません。あなたはこの世に無限に生きられるのではありません。あなたは限られた時間しか生きられない、ということを認識する必要があるでしょう。さあ始めましょう。あなたの評判作りを。l
 
見えない資本を作る
 
 
ひとが何かをしょうとする時、そこにはそのことを成し遂げるための、方法と手段が必要です。
そのことを広告業界では、ストラジティ(戦略)とタクティクス(戦術)というそうですが、戦略とは簡単にいえば考えることですから、戦略をたてるには、物を必要としません。しかし、その考えを実行する戦術を行うには何がしかの物を必要とします。
あなたの場合、よい評判を作ることから、それを広めることまでには、何らかのものが必要です。そのものとは、資本です。
プロカメラマンとは、報酬を目的として写真撮影および写真作品を販売することですから、物やサービスを売る事業家とも言えます。
事業をするには、その事業を展開するための方法と資本が必要です。ですから、あなたがプロカメラマンとして事業をするには、資本も作る必要があります。
事業の資本を作るというと、あなたはお金を集めることだと思うでしょう。資本イコールお金、という考えは、誰でも思うようですが、資本とはお金だけに限ったことではありません。
さて、あなたがプロカメラマンとなって、写真事務所を構えたとしましょう。たっぷり資本金を使い、カメラ機材を揃え、宣伝の為の色々な手段を駆使したとしても、それだけでは、あなたの事業は円滑には展開できないかもしれません。
それらの目に見える写真事務所とかカメラ機材とかは、喩えれば、事業のための歯車です。歯車が円滑に作動して機械全体がうまく回るためには、潤滑油が必要です。潤滑油がないと、機械はいつか摩滅して、その機械は動かなくなってしまいます。
事業もこれと同じです。潤滑油のない事業は、何れ潰れます。事業を展開し発展させるためには、潤滑油がお金の資本と同様に必要です。
それでは、あなたの事業に必要な潤滑油とは、何でしょうか。それは目に見えない資本のことです。それは、あなたにお金がなくても手に入れられる資本です。その資本とは、人脈です。人脈というとイメージが湧かないと思うひとは、人間関係とでも考えればよいでしょう。
あなたのやろうとしている事業は、人間を相手にする事業です。たとえあなたが動物写真家となろうとも、またあるいは、あなたが人間嫌いで風景写真家になろうとも、あなたに写真の仕事を依頼したり、作品を購入し鑑賞してくれるのも、人間以外にいないのです。
ですから、あなたがどのような被写体を撮るカメラマンでも、あなたがプロカメラマンとして事業をしていくうえには、この人間関係を無視することはできないのです。
そこで、あなたの事業を発展させるためには、あなたを理解し協力してくれる人達を必要とするのです。これが見えない資本の人間関係ということです。
この世には、色々な考えを持った人達がいます。その中には、あなたを好きな人もいれば、その反対の人も当然いるでしょう。あなたが、あなたを好きな人達だけで仕事をしていければよいのですが、プロカメラマンとしては時にはそうではない人達とも仕事をしなければならないこともトラブルも当然あることでしょう。そういう時には見えない資本の潤滑油を使うことで摩擦を避けられることもあるのです。それは、人間関係は人脈で繋がっているからです。
それでは、見えない資本はどのようにして作るかを考えてみましょう。
この資本作りは、いくらお金を出しても作れない人はつくれないのです。しかし、お金がなくても、作れる人は簡単に作れるのです。その方法は簡単です。それは、あなたが謙虚であることが基本です。そのうえ、時間を守る、約束を守る、出来ることと出来ないことをはっきり言う勇気を持つことが出来ればよいからです。これらのことなら、あなたには、簡単なことでしょう。
あなたが、それらの態度で普通に暮らしていれば、自然と見えない資本が増えていくでしょう。そして、それらの資本が増えていくことによりあなたは有名なプロカメラマンとして認めてもらえる第一歩に立てるというわけです。
そのようにして作られた見えない資本には、無限の資源が眠っています。それらの資源を活用することにより、あなたの事業は成功することでしょう。
 
事業への二つの道
 
 
事業を発展させるためには資本の有効活用が必要です。そのためには、あなたが開拓しようとする市場を調べることも大切です。
市場を開拓する、と考えると何かとてつもないことをするようで足がすくんでしまうでしょう。そこで、市場を開拓するということを、宝の山に向かって歩いて行く、と考えてみると、肩の力も抜けるでしょう。
歩いて行く方法は、前述しましたようにあなたの歩幅で歩いて行けばよいのですが、宝の山がどちらの方向にあるのか検討がつかない場合もあるでしょう。
唯闇雲に歩き回っても、運良くたどり着けばよいのですが、人生は無限ではなく有限ですから、歩いて行く方向を決める必要があるわけです。実際の山歩きなどは、地図を参考に歩くルートを決めるわけですが、あなたが歩いて行く人生の宝の山への「地図」はありません。
そこで、あなたは、あなた自身の地図を作る必要があるわけです。その地図の作り方も前述しました暗示の活用で潜在意識の力を利用すればよいのですが、その地図を作るための材料の情報がなければできません。
そのために、あなたが開拓しようとする市場を調べる必要がある、と言っているのです。
あなたが歩いて行く方向を決める前に、あなたの装備についてもう一度点検しておく必要があります。それには、あなたはどのようなプロカメラマンになりたいのかが、歩いて行く方向を決める前提条件となるからです。
どのような、というのは前述しましたようにプロカメラマンを三つのタイプに分類しましたね。技術者プロカメラマン、芸術家プロカメラマン、そして芸能人プロカメラマンです。
どのタイプを目指すかはあなた自身で決めて下さい。
あなたの性格と環境の現状を考慮して、出来ると思ったらどのようなタイプのプロカメラマンにもなれます。しかし、どれも出来ないと思ったら、まずは技術者プロカメラマンを目指すことです。
なぜならば、他のニタイプは、先天的な要素とそれらに相応しい環境が整っていないと莫大なエネルギーを必要とするからです。このタイプは、それに相応しいカメラマンか世間が認めるには、客観という物差しではなく、主観という物差しで計られるからです。
つまり、一流は一流により創られるからです。ここのところは、「魔術篇」詳しく述べるつもりです。
しかし、技術者プロカメラマンであるならば、客観的な技術だけで勝負できるのです。客観で計るならば、主観である「好き嫌い」の感情に左右されないだけ、無名のカメラマンでも宝の山へ進んで行けるのです。
それでは、目指す目標への道は、一本道なのでしょうか。
あなたが技術者プロカメラマンとして歩いて行く道は二つあります。一つは、仕事を依頼されて撮影する道と、もう一つはあなたの写真作品を販売または貸出す道です。
まず最初の道を調べて見ましょう。
ひところの出版社での本や雑誌の作り方と今日のそれとは、電子機器の発達でものすごい変化となってしまっています。それに、企業が効率を追求し過ぎて出版社とは名ばかりで、外注で総ての作業を行いブローカー的存在になってきてしまったからです。
一頃の出版社や雑誌社には、写真部がありカメラマンが社員としていて、編集部員が企画をたてると、それに必要な写真をそれらのカメラマンに撮影させていました。
人件費や諸経費が安く、編集制作日数に余裕があった時代は、そのような方法が一般的でしたが、競争激化、効率優先の現在では、編集部員はもとよりカメラマンも社員として雇う余裕がなくなってしまいました。
そこで、新しい道が脚光を浴びてきたのです。
その道とは、アリネガと呼ばれていたストックフォトです。
ストックフォトの利点は、結果としての写真が特写に比べて安く手に入るということです。欠点は、注文どおりの写真が手に入る確率が低いことです。
その特写とストックフォトの二つの道において、時代の流れを読むと、前の道より後の道の方が、あなたの宝の山へつづいているように思えます。
それでも、あなたがどうしても特写の仕事を依頼されたいのであれば、雑誌などの対談写真や座談会専門の、芸術家プロカメラマンや芸能人プロカメラマンが敬遠する、分野に絞って歩いて行けば道が拓けるかもしれません。体力がある人なら報道分野もよいかもしれません。
いずれにしても、「足」の仕事で写真技術を売るのですから、人の指図には素直に従うことが大切なのはいうまでもありません。
ストックフォトの道を歩く人は、撮るテーマを絞りこむことは大切です。それに、季節感のある被写体を撮り続けることも大切なことです。
そして、あなたの目指す宝の山は、出版社や雑誌社よりも広告代理店、デザインプロダクション、印刷会社などです。
時代の流れを読んでいるあなたは、きっとその目的にたどり着くでしょう。
 
成功への法則
 
 
世の中の人には、一生懸命努力しているのに一向に芽が出ないカメラマンがいる一方、確たる努力もなしにスイスイと一流カメラマンとなり第一線で活躍しているカメラマンもいるのです。
人は誰でもその道の一流となり、ひとびとから称賛されたい気持ちがあります。ですから、人はそのような人物となれるように、毎日を暮らしているのです。
しかし、同じ才能を持った人達でも、結果としてその才能が生かされて成功する人もいれば、そうでない人も実際にいるのです。
あなたは、何が原因でそのような差をつけさせると思いますか。生まれですか。運ですか。それとも、努力ですか。
それは、考え方の差です。
成功の法則を理解している人と、していない人との差です。
必要以上一生懸命努力することもなしに、スイスイと一流カメラマンとなった人達は、この成功の法則を理解し、そして実行した結果、そのような人物となったのです。
そこで、あなたが現在その流れにいないと感じたら、この成功の法則を知ることでその仲間に入ることは可能でしょう。
その成功の法則とは、難しい法則ではありません。それは、三つの条件をあなたが理解し、そして、それを実行すれば良いのです。
第一は、あなたの好きなテーマを見つけ対象を絞り込むこと。
例えば、あなたが動物が好きであるなら動物をテーマに、また、花が好きなら花をテーマにして写真作品を集めることです。
第二は、そのテーマに対しての専門知識を身に付けること。
動物写真家を目指すならば、動物の生態とか習性の知識を、花の写真家を目指すなら花の分類とか分布の知識を身に付けることです。そして、そのテーマで写真を撮りつづけることです。
第三は、あなたが、プロカメラマンとして仕事をするのは、あなた自身の利益のためだけではなく、その仕事をとおして、ひとびとに貢献するためである、と考える。
目先の利益だけを追求している人は、心ある人達から見ると薄っぺらな人に思われてしまいます。薄っぺらな人は、ひとびとの共感を得るのが難しいですから、有名になれる可能性が低くなってしまいます。
しかし、ひとびとに写真の仕事をとおして貢献できる喜びを知っているカメラマンは、ひとびとの共感を得られる確率が高くなります。その結果、有名になれる確率も高くなるわけです。
この三つのことを理解し、あなたの写真活動で実行して行けば、あなたは成功の道を歩いていることになるのです。
 
 
 
 
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第三章 プロカメ準備篇
 
 
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作品は銀塩かデジタルか
 
 
技術革新が想像を越えるほど激しい現代では、時代の流れを読むことは、ビジネスマンと同様プロカメラマンにも必要です。
昭和の時代でしたら、カメラと言えば、ムービーかスチールの二つしかありませんでした。しかし、平成の現代では、銀塩フィルムではなく電子媒体を記憶メディアとして画像を記録するデジタルカメラも市販され、プロカメラマンにも使用されています。
今のままのスピードで技術革新が進んだら、今後どのような映像記録機材が開発されるか誰も想像がつきません。
そこで、依頼撮影の仕事は別として、あなたが今後写真作品を撮影していくうえで、フィルムで撮影していくのか、デジタルで撮影していくのかを考えておく必要があるでしょう。
電子メディアが時代の潮流だといっても、紙媒体が消えることはないでしょう。電子メディアは利用価値がたかいといっても、それを再生して見るには、電子機器が必要で、紙媒体のように廉価ではなく持ち運びも不便だからです。
それでは、フィルムがいいのか、デジタルがいいのかは、あなたが進む分野により決まるでしょう。
紙印刷を前提とする芸術性が高い作品を目指すのでしたら、フィルムの方がよいかもしれません。繊細な表現を再生するにはフィルムの方が、デジタルより優れているからです。
報道分野の作品を目指すのならデジタルでもよいかもしれません。芸術性よりも即効性を重視する報道系写真は、現像と言う過程を通さず、即伝送できる時間的短縮で有利だからです。
両者の現状ではそれぞれ一長一短があり、どちらがよいかを決めるのは難しい問題です。しかし、いずれ時代の流れが決めてくれるでしょう。
ですから、あなたは、写真の使われ方の流れを見つめ続ける必要があるでしょう。
フィルムの利点は、記憶情報量が多いため再現性に優れ、再現する機器を必要とせずそのまま鑑賞できます。しかし、弱点としては、劣化という情報保持能力が低いということです。リバーサルフィルムでも、通常の保管であるならば10年は疑問です。
デジタルの利点は、現像という過程をとおさず情報を記録でき、回線に接続して情報を送ることができます。しかし、デジタルはそのままでは鑑賞することができず、再生機器を必要とします。
それでは実際問題として、解決方法はないのでしょうか。
あなたの写真作品は、相手があってのことですから、相手がフィルムかデジタルかのどちらかを希望しているのかを調査すればよいでしょう。
調査対象としては、デザインプロダクション、広告代理店、印刷所、出版社などです。それらのところに、あなたの知人又は友人がいるとしたら、それらの人に、今後の写真の使われ方を聞くのも一つの解決方法です。
もしも、それらのところに友人知人がいない場合、ストックフォトエイジェンシーを尋ねることが、解決の鍵になるかもしれません。
ストックフォトエイジェンシーとは、カメラマンの作品を貸出す代理をしてくれる所です。
ここに、あなたがプロカメラマンとしてデビューできる可能性があるかもしれません。
 
ストックフォトエイジェンシーからのデビュー
 
 
効率化ならびに迅速化を目指す現代経済社会において、写真市場の需要においてもストックフォトは脚光をあびてきています。
印刷物の写真の大部分はこのストックフォトの写真を利用していると言っても過言ではないかもしれません。それほど、ストックフォトは時代の流れに合っているのです。ですから、それに伴い、貸出しを行うストックフォトエイジェンシー(代理店)も増加しているのです。
そのカメラマンの写真作品を貸出しの代理をしてくれるエイジェンシーに、あなたがコンタクトするわけですが、友人知人にそれらと関係がある人を知っているのなら、どのようにしたらそれらのエイジェンシーとコンタクトできるかをそれらの人に聞けばよいのですが、もしもいない場合を考えてみましょう。
まず、あなたの目指す分野の写真を掲載しているであろう出版物あるいは雑誌を入手してください。そして、その出版物の奥付を見てください。運良く、目指すストックエイジェンシーの名前を見つける事ができるかもしれません。
もし、見つけることができなかった場合は、職業別電話帳やインターネット検索という手もあります。
いずれにしても、あなた側が行動を起すことは言うまでもありません。
ストックフォトを扱う会社には、カメラマン個人が自分自身の作品を貸出している所と、あらゆるカメラマンの写真を預かり、それらを貸出している所とがあります。
あなたが尋ねてみるところは、後者のエイジェンシーです。
ストックフォトエイジェンシーとは、絵画の販売を仲介する画商のようなもので、カメラマンから写真作品を預かり、それらを出版社、デザインプロダクション、広告代理店、印刷所などに、手数料を取り貸出しの代理をする所です。
ですから、そのエイジェンシーは、手数料を稼ぎだしてくれる写真作品を常に募集しているのです。
ここに、プロカメラマンの卵のビジネスチャンスがあるわけです。
エイジェンシーがカメラマンから預かる写真作品は、貸出し手数料を稼ぎ出してくれるものでありさえすれば、それが一流カメラマンの作品か無名カメラマンの作品かを問いません。さらに言えば、どのようなカメラ機材で撮影したかなどは問題外です。あくまでも、写真作品それ自体で勝負です。
つまり、その写真が顧客に貸出されるかそうでないかの単純な基準により、エイジェンシーは写真作品を預かってくれるのです。
ストックエイジェンシーの基準には、アマもプロもないのです。
ですから、あなたが、プロカメラマンとしてデビューする手段が見つからない場合、ストックエイジェンシーをその手段と考えることは現実的なことなのです。
あなたが、あなたが決めた専門分野の写真作品を撮り続けて、そして、それらを販売して行こうと考えていても、二年や三年では、独立してお店を開いたとしても、顧客を満足させるほどの作品数を揃えられないかもしれません。
だからと言って、顧客を満足させられる写真作品を揃えるまで、お店を開くのを待つこともないでしょう。人生は、有限だからです。
そこで、あなたの写真作品を揃えながら、つまり、開店準備をしながらビジネスを進める手段として、ストックエイジエンシーにあなたの写真作品を預かってもらうのです。
そうすることは、あなたにとって色々と都合の良いことがあります。
と言いますのは、エイジエンシーとビジネスをすることで、写真市場の今後の流れの情報が生で入ります。それに、あなたの写真がプロとしての基準にあっているかどうかを客観的に判断してもらえます。
あなたの写真作品が預かってもらえないのなら、あなたはもう少し写真の勉強をする必要があることになります。預かってもらえるなら、その道を歩き続けることにより、独立の道が拓ける希望が持てることになります。
いずれにしても、エイジエンシーとビジネスをすれば代理手数料は取られますが、あなたの写真作品が揃っていない写真事務所で、いつ顧客が来てくれるのかわからないのに電話番をすることによる、あなたの貴重な時間を拘束されることから開放されます。その分、写真作品を撮ることに力を注げることがでるわけです。
ストックエイジェンシーをあなたの銀行とみなし、あなたの写真作品を、定期預金をしているつもりで預け続けるのです。そして、あなたが、あなたの事務所が開けるほど十分写真作品が揃えられたと思ったら、定期預金が満期となり預金の解約をするのと同じように、ストックエイジェンシーからあなたの写真作品を引上げるのです。そうすることにより、あなたは写真事務所を開けるでしょう。
 
ストックフォトエイジェンシーに作品を預ける
 
 
あなたの目指す分野のストックフォトエイジェンシーにあなたの写真作品を預ける場合、考えておかなければならないことがあります。
それは、デジタルで映像を記録しているのなら情報の劣化など考えなくてもよいのですが、銀塩ポジフィルムには色の褪色があるということです。
あなたが、エイジェンシーに写真作品を預けるということは、顧客にライトボックスなどで長時間鑑賞されることを意味します。つまり、蛍光灯の強い光源に長時間曝されるということです。
それに、運悪く、あなたの写真作品が、顧客の眼に触れないでエアーコンデショナーなどが設備されていない部屋のスチールボックスなどに保管されっぱなしでいたら、カビなどが写真に発生する可能性もあります。
つまり、もし、あなたの写真作品を保管状態に無関心なエイジェンシーに預けてしまった場合、あなたが、あなたの写真事務所をひらくために、数年後にエイジェンシーからあなたの写真作品を引き上げて来た時、あなたの写真作品が褪色してしまっていたり、カビが発生している可能性があるということです。
ですから、エイジェンシー選びは慎重におこなうにこしたことはありません。
しかし、あなたのポジフィルムの写真作品は、預けなくてもいずれ褪色する運命をもっています。それでは打つ手がないかといえば、それはあります。その方法とは、デジタル媒体にディュープしておくことです。
写真の保存方法では、デジタルの方が有利ですが、データは何かの都合で一瞬の内に破壊されてしまう可能性があります。ですから、デジタルの場合、バックアップを取って置くことは必要なことです。それと、写真作品が増えるその都度、データの整理をキチンとしておかないと、あとで必要な作品を見つける時、大変なことが予想されます。
いずれにしても、時代の流れはフィルムとデジタルと二つになっています。
これから写真の世界でビジネスをして行く上では、どちらの流れにも乗れる体制を整えておくことが必要です。
デジタル写真を多く扱うエイジェンシーでは、カメラマンからポジ作品を預かると、その場でデジタルに画像を取り込んで、その写真をすぐ返してくれる所もあるくらいです。
いずれにしても、あなたの写真作品を預かってくれるエイジェンシーを見つけることです。そして、そこであなたの写真作品を預かってくれることになれば、あなたはプロカメラマンの登竜門をくぐったことになるのです。
 
あなたの作品を売り込む
 
 
職業には資格がないと開業できないものがあります。例えば、医者は国家試験に受からないと、医師となるための免許が収得できませんし、ダイナマイトを扱う仕事は危険物取扱主任の免許を持っていないとできません。
しかし、プロカメラマンはどうでしょう。有名写真学校を卒業したからと言って、すぐにプロカメラマンになれるわけではありません。そうでなくて、写真学校など卒業していなくても有名なプロカメラマンは沢山います。
プロカメラマンになるには、現在では国家試験など受けなくても、さらに国家免許などなくても誰でもなれるのです。
それでは、資格が必要な職業と資格がいらない職業とを比べれば、ビジネスにおいてどちらが成功するのに難しいかといえば、資格がない職業のほうがずっと難しいでしょう。
それは、資格がいらない職業は、国家なり権威ある公的な団体などの保証がありませんから、自分を売り込む時、自分の能力を証明する客観的保証が必要だからです。
そのためではないでしょうが、写真家協会などあるようですが、それは国家が認める公的な団体ではないでしょう。
プロカメラマンは、お客様から写真撮影技術を認められ仕事を発注されるか、写真作品を買っていただいた時、その時点で初めてプロカメラマンとなれるのです。
そこで、あなたの写真技術とテーマ選びがプロとして通用するかのテストの一つとして、前章でストックフォトエイジェンシーにあなたの写真作品を預けることを勧めたわけです。
ストックフォトエイジェンシーは、写真を貸出すことにより事業を運営しているわけですから、写真を見る眼は確かです。その確かな眼で、あなたの写真作品をプロとして通用するかテストしてもらうのです。
もし、預かってもらえないのなら、あなたの写真技術がプロの域に達していないか、テーマ選びがプロとして合っていないのでしょう。その場合、素直にエイジェンシーに意見を聞くことです。そして、それを参考に再チャレンジすることです。
もし、預かってもらえたら、あなたは次の行動に移れることになります。
エイジェンシーがあなたの写真作品を預かってくれたからと言って、すぐにあなたの写真作品が売れてプロカメラマンの仲間にはいれるわけではありません。
ですから、あなたは、あなたの写真撮影技術と作品を潜在顧客にセールスすることを考えなくてはなりません。
事務所の電話の前にいて、写真撮影の仕事を受注できるのは、「顔」が売れている一部のプロカメラマンだけなのです。
ですから、プロカメラマンの卵のあなたは、あなたの「足」を使って売り込みをしなくてはならないのです。
売り込む先は決まっています。それは、デザインプロダクション、広告代理店、印刷所それに出版社などです。
あなたの見えない資本の中に、それらの会社と関係がある人がいるとしたら、大いにその資本を使うことです。
初対面の人に理解されるのには、期間が必要です。「三日、三月、三年」と言うのは、初対面の人とコミニュケーションを取るのに必要な日数を表しているのです。しかし、見えない資本の人脈を使うことにより、初対面からビジネスの話をすることは可能でしょう。
 
企画を立てて売り込め
 
 
あなたが営業経験者であるならば、セールスの基本は知っていることでしょう。
セールスをするために見知らぬ会社を訪問する時、次の三つの関所を通らないとビジネスの話をすることができないでしょう。
その1、あなたは何処から来たのですか。
この質問に答えるために、セールスマンは自分の所属する会社の名刺を潜在顧客に提示します。
その2、あなたは何を売りたいのですか。
この質問に答えるために、セールスマンはサービスであれ物品であれ、売る物を説明するためのパンフレット、あるいは実物商品を潜在顧客に提示します。
その3、その製品(サービス)を買うことのメリットを提示して下さい。
この質問に答えるために、セールスマンは今までの販売実績と社会的信用のある購入先リストを潜在顧客に提示します。
以上の質問は、営業の経験者なら答えるのは簡単でしょう。
しかし、未経験者であるならば、訓練が必要です。潜在顧客を訪問する前に、以上の三つの答えがすらすら言えるように訓練しておくことは賢いことです。
あなたに見えない資本の人脈が利用できるのであれば、1の関所はパスできます。
しかし、そうでなければ、あなたがプロカメラマンとしての技術を習得していることを証明する書類を作る必要があります。その内容としては、「さりげなく評判を作る」の節を参考に書けばよいでしょう。
2の関所をバスするために、あなたがすることは、あなたの写真技術とセンスの良さを証明する作品集を作ることです。
3の関所をパスするには、プロカメラマンとしてなんの実績もないのなら、撮影料金や写真の販売価格を考慮して提示することです。
以上のことを簡単にまとめますと、あなたが、プロカメラマンとしてセールスをするためにカバンの中に入れておく物は、履歴書、作品、料金表です。
営業マンを見ていると、さして努力もしていないのに成績優秀な人もいれば、一生懸命努力しているのに成績がパットしない人もいます。
この2人の差は何によりできると思いますか。生まれつきの性格ですか。話術の上手さですか。それとも努力ですか。
その差の原因は、簡単なことです。つまり、その商品なりサービスを欲しがっている人を探すセンスがあるかないかによるのです。
おなかが空いている人には、食べ物を提示するだけで、売れます。靴を探している人には、靴のパンフレットを見せることによりビジネスが成立します。
あなたの場合、あなたが目指すテーマの写真作品を受け入れてくれる会社を探すことです。例えば、あなたの写真作品がカレンダー向けに最適だと思われるのなら、カレンダーを制作しているプロダクションを訪問することです。
広告の世界では、商品の開発から販売までをマーケティングと言うそうですが、あなたがすることは、規模は小さいですが、行うことは同じです。
商品の開発とは、あなたにとっては作品のテーマを決めることです。
企業では、商品開発の前に、どのような物が売れる可能性があるのかを調べるために、市場調査をして情報を集めます。
あなたの場合、市場調査をする場としては、まずストックフォトエイジェンシーが考えられます。そこで、今一番引き合いの多いテーマはなんであるのか、さらに、これから引き合いが望めるテーマはなんであるのかの情報を集めることです。
企業の場合、開発商品を販売するにさいして、プロモーションのための企画を考えます。別の表現では、販売促進というそうですが、要はどのような方法で開発商品を売るのかを考えることです。
あなたの場合も、販売促進のための企画を考える必要があります。
販売促進の企画といっても難しく考えることはないでしょう。その基本は、「特定の人でしか作れない物は、誰でも作れる物より需要が多い」ということです。
商品が特異的で競合商品がなければ、販促企画は考えなくても売れるでしょう。しかし、新発売商品はすぐに真似され同じような商品がすぐ発売されるのが現状です。
そこで企業は、商品のスペックだけではなく、その商品のイメージを高めて他競合商品との差別化を計ることを考えるのです。
あなたの場合も、他のプロカメラマンの撮影技術や写真作品と何処が違うのかをアピールする方法を考える必要があります。
あなたの販促企画を考えるための情報は、世の中の流れの中にあります。その流れを読み取り、その流れが望むテーマを写真作品とすれば、あなたが目指す会社のドァーは開かれるでしょう。