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デジタルカメラを生かす鉄道写真   廣田 尚敬

東京堂出版 2006年1月 1800円(税別)




■写真界のことば
「写真は見る前に撮れ」「じっくり考えてから撮れ」。写真界ではそんなことが言われています。何かわかるような気がしますが、反面よくわかりません。
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「見る前に撮れ」という言葉は額面通りに受け止めず、勢いよく撮ること、そう、真意を「勢い」と解釈すれば、狙いの鉄道写真にズバリと当てはまります。無意味と言われる外の言葉も、自分と自分の鉄道写真に置き換えて、じっくり考えてみることが必要なのです。「じっくり考えて撮れ」という言葉も、ここで生きてきます。

■撮り方のレシピ
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まず、自分の鉄道写真にフィットした撮り方を10覚えます。次にその撮り方について、自分なりの応用を一つずつ考えてみます。これで自分がチョイスした撮り方が10、自分で考えた応用の10がそろいました。そしてそれぞれを組み合わせたチャートを作ってみるのです。
・・・10×10で100通りの組み合わせができたことになるはずです。

■客観性への意識
 趣味は多分に個人的なものだと思われています。アートも、おおむね同じでしょう。個人の好き嫌いや環境、感性などが根底になっているだけに主観的存在といわれるわけです。当然自分を支える趣味やアートは自分のためのものだと信じている人が多いはずです。長年、一つの趣味に没頭していると、客観性を意識する機会が薄れても不思議ではありません。
「自分の命は自分のものであって、自分だけのものではない」というたとえがあります。
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