●プリント サイズ 250×180 アンシャープ150〜200% ★「モノクロ印刷」を選ぶと、そこそこのモノクロプリントが得られる ●横木氏FBより 写真は「エモさ」でも「映え」でもない。 写真を支えるのは、沈黙である。 沈黙の強度だけが、写真を写真たらしめる。 沈黙なき写真に、力はない。 ●デジタル時代におけるモノクロの意義・考え方 写真はカラーが当たり前の時代、わざわざモノクロに変換するということは、それなりの意味がないとたんにノスタルジーを狙っただけで終わってしまうモノクロ化するのは、色のない魅力が秘められているからである。 では、モノクロのどこに魅力があるのか。 そもそもフィルムで撮影していてデジタルを試そうと思ったきっかけがモノクロだった。時々モノクロフィルムを使って撮影していたが、暗室は持っていなかったのでプリントするときはDPEに依頼した。これがいちばん厄介だった。まず値段が高い。モノクロ需要が少ないので、カラーネガより高いのである。さらに、現像もプリントも時間がかかった。カラーならその日で上がってくるのに、モノクロの場合は数日かかった。また、プリントするとき、自分の経験がないので指示が出しにくかった。とにかく手間がかかり、コストもかかった。コンテストを応募されるような方は、まず自分で暗室を持っておられる。 暗室を作ろうかと検討した時期もあった。しかし、スペースの問題があった。作業場所というよりも、引き伸ばし機など機材を収納しておく場所がない。小さい家に4人で住んでいて、今でも子供のものが溢れているなかで、私の持ち物スペースを確保できるような場所はなかった。また、子供が小さいので自分用の時間が取りにくい。暗室作業を真剣にやろうとすれば、ある程度まとまった時間がないとできないことは容易に想像できたし、実際風呂場でプリントされておられる方の話を聞いても「作業より設置、片づけののうが時間がかかる」という体験談を聞いてあきらめた。薬品を置いておくのも不安があった。当時、下の子供は1歳だった。 そんなわけで、暗室は断念せざるを得なかった。暗室の断念はモノクロをあきらめることであった。しかし、モノクロをやりたいという気持ちはおわまらなかったので、デジタルならどうかと試すことにしたのである。 雑誌で調べたり、店頭でプリントされたものを見て店員さんに聞いたり、インターネットを検索したり、そんなことを繰り返し得た結論は「銀塩には及ばないもの、やってみる価値はありそうだ」ということだった。 実際デジタルでやってみた結果、銀塩のプリントには及ばないところは確かにある。しかし、それを差し引いても、自分で画像をコントロールしながらプリントできることの魅力は他に代えられないものである。 色という情報を消し去ることによって、より主観が増す。撮り手のメッセージ性がより協調される。カラー写真のように色でインパクトを与えるという手法が使えないので、素材やモチーフがより重要となる。 よって、いまだモノクロ写真というジャンルが独立する。 |