リコーCapioG4wide

リコーCapioG4wideはデジタルにのめり込むきっかけとなったカメラである。2003年8月当時、それまで頑なにデジタルを拒み続けていた私は、モノクロをやりたいということでデジタルを検討しはじめた。銀塩では暗室確保や作業時間、子供が小さいことによる薬品保管など問題が山積していた。

 デジタルで銀塩の奥深いモノクロ世界が100%再現できるとは思っていなかったが、自分で画像をコントロールできることは変わりないので、どこまでできるかの検証も含めてテストしてみたくなったのである。

 いきなり一眼レフに手を出す勇気はなかった。ちょうどキスデジタルが発表になった頃なのだが、デジタルを実際自分で使ってみて納得できるものかどうか、その検証をするには高すぎる買い物と思い、コンパクト機を探すことにした。条件は28mm画角を備えていること。当時はこのG4wideくらいしか選択肢がなかった。

 幸いSDメモリカードが使えるし(CFでも良かったが、XDピクチャー、メモリースティックは自分の中では対象外)電源も別売の専用充電池以外に単3が使えるのもいい。実売価格も3万前後と手頃。とあるプロカメラマンのサイトではレスポンスがいいとの評価が書かれており、とりあえず最初の1台としては不満ないと、発売日当日に買った。ちなみに、デジカメはこれより3年ほど前に一度買ったことがあるのだが、レスポンスが悪くて使い物にならないという痛い経験をしていた。なので、シャッターのタイムラグが小さいという点でもかなり魅力があった。

 G4wideはそのプロカメラマンが言うとおりとてもいいカメラで、というか他のデジカメをほとんど知らないので比較した結果ではないが、少なくとも私の中では満足できるカメラであった。。自分で加工してプリントする過程を幾度か経験すると、デジタルへの疑念はすっかりなくなり、数ヶ月後にはデジタル一眼レフの購入へ発展していく。当初目的のモノクロ云々よりも、カラーで画像をコントロールすることの喜びが大きかった。

 そのようなわけでG4wideが大活躍していくのだが、デジタルにのめり込み知識や技術が蓄積されるに従って不満も出てきた。いちばんの問題は画素。A4にプリントしてコンテスト応募というのが創作活動のメインなので、324万画素は少しきつい。A4ではやはり400万以上は欲しい。そう思っていたところ、今年2004年5月、500万画素クラスのGXが発売というニュースが入ってきた。
(2004.07.07)