デジタルは管理目的で使っており、作画には距離を置いていたのだが、2003年9月にコンパクトのデジタルカメラを買った。理由は下記に述べるが、デジタルはどんなものかを確かめるため、いきなり一眼レフには手を出さず、まずはコンパクト機で確かめようということだ。価格の件もあった。当時キスデジタルが発売されたのだが、画角が変わるためレンズ込みで揃えるとなると勇気がいるし、先立つものもない。実際、本格的にデジタルに移行するときは、手持ちの銀塩機材をほとんど売った。
まずは、そのデジタル移行への布石のところを、2003年12月26日に「デジカメを買ったきっかけは」と題して記している。
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基本的に、写真はフィルムで撮って、デジタルは管理だけという使い方をしてきた。理由は前述のとおりである。 が、2003年9月、1台のデジカメを買った。デジタルフォトとの本格的な付き合いが始まったわけである。
買ったのはリコーのキャプリオG4wide。広角側が28mm(35mm換算)というのが最大の選択理由である。そのほかにも、単3電池が使えるとか、起動・AF合焦が速い、露出補正が使いやすい(アジャストボタンを備えている)等も気に入っていた。300万画素というのも当時の私には適切だった。
これを買う前、何とかモノクロ自家現像・プリントをやりたいといろいろな検討を重ねていた。費用の点は仕方ないとしても、作業場所・保管場所、安全性(小さい子供が二人いるので)などが懸念された。しかし、いちばんの問題が時間がとれるかどうかということだった。写真を撮りに行く時間もままならないのに、自家プリントするような時間があるのだろうか? ちなみに、風呂場で暗室処理をやっている人に聞くと、設置に1時間強、片づけに1時間弱かかると言われた。となると、最低でも連続して3時間という時間が定期的に作り出せなければ、暗室作業はできない。
時間は作り出すもの、とは会社でよく言われていることなのだが、細切れの時間は作り出せても、まとまった時間というものがなかなか取れない。まあ、家庭を無視して強引にやろうと思えばできないこともないのだろうが、子供と過ごす時間も大切にしてやりたいし、その他なにかと「まとまった時間」をひねり出すのは、今の私の生活では難しい。
しかし、モノクロ写真をあきらめることはできない。ならば、デジタルでモノクロ写真をやってみようと研究を始めた。
結論から言うと、やはり黒の深みや階調表現に限界はあるということで、印画紙を使ったモノクロには及ばないものの、やってやれないことはないという結論に達した。ポイントは、プリンタと画像加工になる。
プリンタは、現状使えるものでは、顔料インクでグレーインクを持っているエプソンのPM-4000PXのみである。かなり高価なのですぐには手を出せないが、プロも使っているとの評判で希望の灯りは見えたことになる。
画像加工は、練習を繰り返して技術を積む以外ない。これは印画紙の焼き付けでも同じである。
画像の入力だが、出力最終系がデジタルならば、フィルムにこだわる必要がない。スキャン時の画像劣化を考えれば、最初からデジタルのほうがいいに決まっている。
そんなわけで、まずは手始めにと手頃なコンパクト機を探し始めた。必須条件は28mmを備えていること。必然的にG4wideにたどり着いた。ちなみに、これは発売日当日に購入した。
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デジタルのきかっけはモノクロだった。リコーのキャプリオG4wideについては次のページで。
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