写真の管理でデジタルを活用していたことを前回書いた。その核になるのがスキャナの活用である。買い換えたスキャナを使った感想を書いたのが「Canon スキャナ8000F」で、2003年3月24日に書いている。
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以前はフィルムスキャンをするには専用のフィルムスキャナでないと良好な結果は得られない、フラットベッドタイプについているフィルムスキャン機能はおまけみたいなものだ、という話が多かった。
確かに、解像度や階調表現の問題等で比べものにならなかったのだが、最近のフラットベッドタイプは性能もそこそこなので、HPに上げるぐらいなら十分ではなかろうか。ということでキヤノンの8000Fを購入した。
フラットベッドの利点は、スリーブの状態でまるごとスキャンできること。実はこれがいちばん役に立っている。ネガを使ったとき、カラーの同時プリントはもったいないし、だいいち仕上がりが自動補正されるので仕上がりのチェックには向いていない。モノクロは、自家現像をしていないので、プリントにしろベタ焼きにしろ高くつく。
この機能を利用してベタ焼き見本を作っている。スキャンするときは、このスリーブスキャンした画像をそのままホームページ用画像にも使えるようにとは考えていない。重くなるし、コマによって最適なスキャン設定がマチマチなので、あくまでもベタ焼き用に軽くスキャンする。画像は私の場合、WORDを使ってドキュメントを作りプリントしている。
その見本を見てプリントあるいは本格的にスキャンするコマを選ぶ。本格的といっても目的はホームページに上げることだけだが。
フィルム専用スキャナに比べると、やはりシャープ感がイマイチという気がしないでもないが、実売2万円ならこんなものだろう。
というわけで、このスキャナーは買ってよかったな、と思いたいところだったのだが、とんでもないことが発覚した。リバーサルをスキャンしたとき、ときどき左端5%ぐらいが赤くカブったような画像になる。位置を変えたり設定を変えたりしてみたが、ときどきこの症状が現れる。インターネットで調べてみると、同じ現象で悩んでいる人が何人かおられたようだ。原因は、光電管の温度が低いときに起こるという。サポートに電話してみたら、やはりそうだという。(ちなみに、キヤノンのホームページにはこの現象の記事はなかった)
対策として何度かスキャンすれば大丈夫とのこと。確かに、2〜3度スキャンをくり返すと症状は消えた。しかし、なんとも面倒くさい。連続でスキャンしないと、少し時間をおくとまた赤くなってしまう。
これって、欠陥じゃないの? 何度もスキャン繰り返さないと正常に取り込めないなんて、マトモな製品とは思えない。実売2万という安さだったとしても、これはちょっとひどいんじゃないか。しかしキヤノンはこれを欠陥とは認めない。まあ、あの会社が認めるわけないが。
ちなみに、最新の9900Fでも同じ現象が発生するとのこと。やはり所詮フラットベッドということか。
このことがきっかけで、私のキヤノンへの信仰・信頼はすべて覆った。今までキヤノン製品を好み、人にも勧めてきたが、これからは考えを改める。欠陥製品を平気で出荷するような会社は信頼できない。
ただ付け加えておくと、サポート窓口で対応していただいた方は親切だった(ただし、そこへいく道のりが長い。自動音声認識かなんか知らんが、客を待たせるな)し、新製品でもあり得ると認めた点は評価できると思う。さらに、キヤノンに限らず、デジタルの世界はしょせんこんなものではないかとも思っている。
(2003.3.24)
左端が赤くなっている。これが仕様だとは思えないですけどね。
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キヤノンに対して激しい怒りが文面に表れているが、相変わらずキヤノンの製品を愛用し続け、また買い続けている。べつにキヤノン信者というわけではないが、使いやすいので使っているだけである。
この赤くなる現象は冬場に起こる。温度の影響が大きいのだろう。
これは別にして、スキャンした画像をプリンタから出力せざるをえなくなった。この件については、検証10でお伝えする予定である。
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