フィルムからデジタルへ移行の検証 4 (2005.1.18)


 デジタルの弱点はいくつかあるが、いろんな意味で弱いということが言える。パソコン自体デリケートなものであるから、新しくソフトをインストールしただけで不具合を起こすこともある。また、写真そのものがデータという実態のないものに起因する不安要素も多々あった。そのあたりを考えたのが以下の記事。記述は2003年1月8日。タイトルは「『もろい』の意味」。

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 今まで書いてきたことのおさらいになるが、パソコンは不安定な機械だと書いた。バックアップデバイス(CD-RやDVD等)もいつ読めなくなるかわからない。

 今のところ、デジタルで写真を趣味に楽しむにはパソコンを避けることができないのだが、上記の他にも「もろい」部分がある。それは画像ファイルそのものである。意図的に読み取り専用属性等に変えない限り、簡単に消去できてしまう。「ごみ箱」から戻せばいい、なんて安直に考えるなかれ。画像ファイルは大きいので、ごみ箱からはみ出してしまうことが多い。はみ出すといっても、パソコンはそんなアナログ的なことは受け付けてくれないので
「ごみ箱に対して大きすぎます〜」てなことを言ってから、全く跡形もなく消えてしまう。

 さらに、メディアの劣化、仕様変更など、今使ってるものがいつまで使えるのか極めてあやしい。こんなふうに、デジタルなんてかなりもろいものなのである。こんなもろいものを企業で使っていて大丈夫なのか?
 だから会社にはシステム部というものがある。あるいは外部に依頼している。人を置いてサーバーを置いてマシン室作って、もしくは外注契約結んで、それなりに金をかけているから成り立っているのである。現場で本業とサーバー管理を兼任させられている方には当方の言っている意味がよくわかっていただけると思う。

 デジタルは永遠だ、なんて妄想は早々にお捨てになったほうがよろしい。

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 デジタルに限らず、フィルムも永遠ではない。そもそもこの世に永遠なるものが存在するのか、という議論になると少しヒステリックな気もするのであまり細かいことにこだわるのは避ける。雑誌等でこういうフレーズをよく見かけたのだ。フィルムは退色するがデジタルは退色しない。コピーが簡単にできるので、媒体を経由しながら未来永劫撮ったものがそのまま残っていく、というものだ。これは理論の話しで、個人の実生活からするとあまり意味のない話しに思える。

 デジタルをここ1年経験して思うことは、安全性に関してはフィルムの方が上であるし、気が楽である。フィルムには傷などのリスクがある。いっぽうデジタルはこまめにバックアップをとっておけば当面問題ない。ただ、これが負荷の重い作業である。全体的な感覚でいけばフィルムのほうが楽かなあ、という気がする。
 

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