引き続き検討したのは、雑誌によく書かれている「デジタルはフィルム代がいらないので経済的」という点。記述は2003年1月6日でちょうど2年前。タイトルは「デジタルは経済的?」としている。
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デジカメはフィルム代がいらないから経済的だという。たしかに、この部分だけをとってみれば異論はない。高いデジカメも、2〜3年撮れば回収できるだろう。
が、しかしデジカメの2〜3年後って想像できます? EOS-1Dsならしばらく使えそうだが、やはり100万は出せない。それこそこのスペックが2〜3年後には今の普及デジカメ一眼ぐらいの値段で買えるだろう。なら2〜3年後に買うのがベターなのか? いや、カメラが一段落しても、パソコンの方はおいそれ2〜3年程度では成熟しない。
前章でも述べたとおり、デジタルに頼るのはパソコンにどっぷり浸かって付き合うことを余儀なくされる。このパソコン、一般ユーザーにはWindowsかMac(Linaxは一般的とはいえない。今のところパソコンマニアのおもちゃである)を選ぶことになるが、どちらにしても継続的な投資が避けられない。とくに、マイクロソフトはバージョンの互換性などほとんど無視しているので、奴らがOSを更新するたびにユーザーは高い金を払ってハードやソフトを買い続けることになる。もっとも、奴らの狙いはそこなのだが。
OSだけではない。画像の形式だって、いまだ「これだ!」という決定打がない。だから高級一眼デジカメではRAW(生)データとjpegの2種類を同時保存などということを行っている。さらに、バックアップデバイスも決定打がない。CD-Rが市民権を得たように見えるが、最近のでかいファイルだと数枚しか保存できない。DVDにいたっては、様々な仕様が乱立していて何がなんだかさっぱりわからない。おまけに、どれが本命かも読めないので、我が家ではDVDをまったく無視している。
ちなみに、CD-Rは光に弱いので、直射日光にあたればかなりヤバい。個人的には経年変化にもけっこう弱いのではないかと思っている。
デジカメの画質はすでに銀塩を越えたというのは間違いではない。が、それを使う環境、すなわちパソコンのスペックや回線のインフラなど、写真を作品として取り組むにはまだまだといった感が強い。これらは今後もレベルは上がっていくだろうが、今持っているパソコンに機器を追加・交換する程度では十分に活かすことができない。パソコンを買い換えることが必要になり、よって周辺機器も買い換えるという展開になるのである。
以上、デジタルの利便性を追求するには、かなり投資を続けていく必要がある。デジカメ自体が経済的であっても、パソコンを駆使する限りお金はいくらあっても足りないのである。
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2年前とあまり状況が変わってないなあ、というのが正直な感想。デジカメのモデルチェンジは少し落ち着いてきてるようにも思えるが、CCDサイズの件など未確定要素も多い。
マイクロソフトに対してかなり主観的に批判している。このころ、システム開発でバージョンアップに悩まされていたのだ。実は今この時点においても同じことで悩んでいる。VB、VBAで作ったアプリケーションの更新時期で、目下仕事において問題のひとつとなっている。
バックアップについては、当初CD−RとDVDとの2種類で正・副と取っていたが、RAWデータを多用するようになってCD−Rでは追いつかず、DVD-Rに正・副両方とっている。規格の乱立で、こちらは誠に不安。
パソコン関係の投資は予想通りだが、デジタルの利便性を考えると仕方ないかなと。利便性については別の項で述べる予定。
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