フィルムからデジタルへ移行の検証 1 (2005.1.17)


 作品づくりにデジタルを考えるようになったのは、2003年の秋頃。実際どんなものなのか自分で試してみないことにはわからなかったので、とりあえずコンパクトタイプのデジカメを買った。レスポンスの良さと28mm相当のレンズを備えているということでリコーのG4wideを購入した。300万画素は当時のコンパクトでは最高クラスで、A4のプリントでも何とか耐えることができた。いろいろテストして「デジタルはいける」と判断した翌2004年1月、一眼レフであるキヤノン・EOSキスデジタル購入を機に、撮影はほぼデジタルとなった。
 デジタルへの取り組みは早いほうではなかった。デジタルへの躊躇は何だったのかということを、以前サイトで書いたことがある。まずは「世はデジカメブーム」と題した文章を再録する。記述は2002年12月27日である。

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 この2002年は、写真業界にとって大きなターニングポイントとなる年だった。すなわち、銀塩フィルムからデジタルへ本格的な移行が始まったとみていいと思う。コンパクトカメラ分野では数年前から移行が始まっていたが、いよいよ一眼レフの分野にも一般消費者が何とか手に届く(かつ実用的な)商品が発売されたし、携帯電話ではデジカメ内蔵があたりまえとなり、これが爆発的に普及している。携帯の分野では、さらに画素・機能アップの流れが来年以降も続くであろう。おそらく、これがレンズつきフィルムとコンパクトフィルムカメラを駆逐することになるだろう。

 さて、この私といえば、デジタルの関わりにちょっと距離を置いている。別の項でそのあたりを書こうと思うが、簡潔にいえば、デジタルの世界は「システマティック」で「不経済」で「もろい」からである。

 以下、これらについて順にページを変え、私感と経験談を書こうと思う。なお、断っておくが、私はけっしてデジタルを拒絶しているのではない。私は自分なりのデジタル利用で写真を楽しんでいるので、なぜデジタルを使っているのか、あるいは、なぜデジタルを使っていないのかも含めて書いていきたい。
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 上記の”自分なりのデジタル利用”というのは、フィルムをスキャンしてデジタルで画像管理をする、という意味である。撮影はまだフィルムだけであった。その理由と背景は次ページ以降で。

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