最近の撮影は、ほとんどが家の周辺だ。以前は、それなりの場所に行かないと「いい写真は撮れない」と思っていたが、ようやく最近になって考え方が変わってきた。
それなりの場所とは、絵になる風景が広がる場所であったり、祭であったり、西日があたる街角だったりと、これらは一般的に写真になりやすい場所である。しかし、これらに頼っているのはしょせん他人の真似をしているだけで、自分の作品を作るという点では説得力に弱い。
よく周りを見渡してみると、意外と気がついてないことも多い。私は大阪の枚方に住んでいるが、枚方でも知らない場所はたくさんあるし、大阪環状線の内側でも行ったことのない場所が数多くある。
たとえ撮りに行ったことがある場所でも、そこで光線や天候・季節などの条件が最高の状態で撮ったわけではない。ましてやスナップなど、行ったとき次第で写真はいくらでも変わる。ならば、地元を徹底的に撮り尽くそうではないか、と思い始めたのである。
実は、こういう考え方になったのも、撮影する時間が確保しにくくなってきたからなのであるが、作品作りにおいて見落としていた部分に気がついたような気持ちであるのは、まさに怪我の功名といえるかもしれない。
何度も同じ場所に通い納得するまで撮る。これを続けるには根気がいる。飽きてもくるし「やはりここではダメだなあ」なんて思うこともあるだろうが、それはベテランのセリフ。それを言う域に達するには、私はまだまだ修行が必要だと思う。同じクラブの人はこれを実践している。そして、それなりの成果・結果を残している。そういう過程を目の当たりにでき、なおかつ刺激を受けるということは、クラブのいちばんの利点ではないだろうかと思うのである。 |