動画 (2004.1.23)


 あるパソコン雑誌を読んでいたら、kissデジタルの記事が出ていた。カメラ雑誌ではなくパソコン雑誌である。2ページの簡単な使用レポートみたいな記事で、書いているのは写真関係者ではなく、パソコンライターだったと思う。

 その記事で筆者は「動画機能がないのが残念」というようなことを書かれていた。それを見て「う〜ん」と唸ってしまった。一眼デジカメに動画なんて思いつきもしなかった。立場変わればこう考える人もいるのか、とちょっと新しい発見であった。

 写真を趣味にしている人間からすると、デジカメに備わっている動画機能なんて全く興味がない。個人的にはこんなもん外してもらって、もっと他の機能を充実させて欲しいと思っている。そもそも動画撮るならビデオカメラ使えよ、と思うのだが、まあ小さいデジカメに両方の機能が備わっていれば、それはそれで便利かもしれない。携帯も動画の時代だし。

 しかし、kissはあくまでも一眼レフである。一般消費者(ここでは写真を趣味としている人間と区別するためそう呼ぶことにする)が携帯電話の延長線上で買うコンパクト機とはわけが違う。kissといえば、お母さんが子供たちを撮るカメラ、という印象が強いが、kissデジタルは10万もするのである。現状kissデジを買っているのは、そこそこ写真にこだわってる人が多いのではないか。そんなカメラを携帯と同じレベルで比べてどうすんの、と私は思うわけだが、これは私がそう考えるだけであって、kissデジに動画を、と願っている人はけっこう多いのかもしれない。

 コンパクト機は動画機能がついていて当たり前である。しかしコンパクト機は一般消費者だけが買っているのではない。写真趣味人も実はコンパクト機に興味津々なのである。かくいう私もそうだ。何度も言うが、こんなもの私は「いらん」のである。以前はmp3が聞けるカメラも出ていたが、姿を消した。なんでも兼用させればユーザーが喜ぶわけではないといういい例だ。

 動画やインターバル撮影、デジタルズームなど、くだらん機能はいらない。きちんと写真が撮れるカメラが欲しい。ここ2年くらいでデジカメは猛烈な進歩を遂げた。しかし、写真趣味人が納得できるカメラは少ないと思う。起動が遅い、シャッタータイムラグが大きい、広角系が弱いなどは、スナップにおいては致命的な弱点である。
 単焦点で、広角で、レスポンスのいい、露出補正・MF操作がしやすい、シャドー部や高感度時でもノイズが出にくい、で軽くて小さい。そういったカメラを私は望む。


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