NewF-1が突然の故障に見舞われ、買った中古店で調べてもらったが原因がよくわからず、このままあきらめて帰ろうかと思ったそのとき、以前から欲しいと思っていたコンタックスのAriaが頭をよぎった。
陳列棚を見ると、新品同様のAriaとAEタイプではあるがディスタゴンの28mmF2.8が並んでいる。思わず
「このF-1&FD28mmF2と、Aria&28mmだと交換差額いくらになる?」と聞いてみた。
F-1は不具合が出てるので値段は安いだろう。レンズは貴重なF2なのでそこそこに取ってもらえるかもしれない。
「ボディはウチで買ってもらったんですよね。レンズはいいのがついてるなあ」と出てきた値段に
「もう5000円引いてくれたら即決するわ」
迷いもなく言ってしまった。言ってから迷った。遅い、ちゅうねん。初老の店員氏は「う〜ん」と唸ったあと
「わかりました。手を打ちましょう」
またよりによって現金を持っていたりする。いつも空っぽなのだが。
もう言ってしまったものは仕方ない。仕方ないのでフィルターをおまけでつけてもらい、晴れてコンタックスユーザーとなってしまった。
以前から欲しいと思っていたのは、Ariaというよりツァイスのほうである。Ariaは軽量なので、ツァイス使うならボディはAriaだと決めていた。
レンズは現行のMMタイプならシャッター優先やプログラム優先が使えるがAEタイプは使えない。ネーミングからすると逆だと思うのだが、よくわからん。
どっちにしろ、絞り優先かマニュアルでしか撮らないので、安い分得したことになる。
F-1はアイレベルファインダーだったので、マニュアルでしか撮れない。こちらは絞り優先が使えるし、自動巻き上げもやはりありがたい。軽いのもいい。
そして、なんといってもツァイス。泣く子も黙る、かどうかは知らないが、ひょんなことから名門ツァイスを手に入れることができた。
キヤノンのMF機セットを手放すのはさびしい気持ちがあった反面、重いのとマニュアル専用ということもあって使用頻度が少なく、出費はしたもののいいシ
ステム変更になったなあ、と思ったのも事実。このトラブルで訪ねた店にたまたまAriaと28mmがあったということが「渡りに船」で、これもまあ、ひと
つの「縁」なのだろう。
で、本来ならガンガン試し撮りをしたいところなのだが、仕事をためすぎたおかげでさびしく会社に向かわざるをえなかった。これから改心して、仕事はためないようテキパキこなしていこう、と思いながら、会社のパソコンでこの文章を書いている。
京橋 2003.2
T*Distagon 28mm F2.8
E100VS
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