NewF-1 突然のさよなら (2003.2.7)


 仕事がたまっているというのに、日々先延ばしにしていたツケがまわってきた。仕方なく土曜日に出勤する。ただ出勤するだけでは気分が暗くなるので、写真を撮ってから出社することにした。

 京阪から地下鉄への乗り換え駅である淀屋橋でちょっと散歩してみる。いつもはEOS7なのだが、今日は久しぶりにキヤノンのNewF-1を持ちだした。 レンズはFD28mmF2。大口径なのが気に入っている。空はどんより曇り空。よってフィルムはモノクロのプレストを入れてみた。このフィルムも久しぶり である。

 で、10枚も撮らないうちに、突然シャッターが切れなくなった。実は半年ほど前、同じ症状が出たことがあり、そのときは電池を入れ直したりあちこちいじくっているうちに復活した。その後はしばらく順調に動いていたので、このことをすっかり忘れていた。

 今回も同じように電池を入れ直してみるが、露出計は動くものの、シャッターが切れない。そもそも、F-1の高速シャッターは機械式なので電池なしでもシャッターが切れるはずなのである。疑いがあるとすれば、巻き上げ関係だろうか。

 フィルムをいったん巻き戻してカメラから抜いてから空シャッターを切ろうとしたが、これもダメ。

「寿命じゃ」
と、撮影をあきらめて会社に行こうかと思ったが、時計をみると10時をまわっていた。このF-1を買った梅田の中古店が開いている。1年半以上も前に買っ たカメラだから保証は切れているが、何らかトラブル解決の糸口が見つけられるかもしれない。そう思って大阪駅前第一ビルにある中古カメラ店へ向かう。

 その店では初老の店員氏が対応してくれた。症状を話し、店員氏が電池を抜いて端子をズボンで磨いて入れ直してみると、あら不思議。シャッターが切れる。店にあったダミーのフィルムを入れて再度試みるが問題なし。
 年のため、使っていたプロストを入れて試していると、10数枚切ったところでまたシャッターが切れなくなった。

 こんな症状が他のF-1にあるのか聞いてみたが知らないという。そうだろう。俺だって聞いたことがない。いずれにせよ、当方のF-1は安心して使えるカメラでなくなったことだけははっきりした。

 これでおとなしく帰っていればよかったのだが、いらぬことを思いついてしまった。
 続きは次ページで。


F-1最後の最後のショット

淀屋橋 2003.1
FD28mmF2
PRESTO400

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