最近雑誌などでパソコンなしでデジカメを楽しむ記事を見かけるようになった。たしかに、プリンタとカメラのダイレクト接続によってプリントできるようになったし、そのプリンタに接続したDVDドライブでバックアップをとることもできるようにもなった。
しかし、作品づくりを前提にするとこれらの機能では力不足で、パソコンを使うことは避けられない。その理由はいろいろあるのだが、大きな点で以下の3つが上げられる。
1.画像データをレタッチする
2.画像データを整理し保存する
3.RAWデータを現像する
1は、主にプリントする際、多かれ少なかれ画像を触る必要がでてくる。今の高解像度カメラで撮ったものなら、そのまま出しても問題ないことが多くなってきたが、それでも自分のイメージを追い込むためには、ある程度画像加工を必要とすることが多い。露出が少し違っていたら明度を変えるし、コントラストが低ければ強くする加工を施して、イメージに合うよう画像を整える。この作業は、簡単なものなら、複合機についているモニタでできないこともないのだが、あの小さい画面では細かいところまでわからない。
2.については、データをバックアップする先はほとんどの場合、CD-RかDVD-Rだと思う。自分管理用にファイル名を変更することも含めて、パソコンで行う方が効率的で簡単だ。
3.のRAWデータについて。これはまた別項で書きたいと思うが、デジタル一眼レフの特徴(一部コンパクト機にも搭載)である生のデータであるRAWデータは、そのままでは使うことができない。カメラメーカーが提供するソフトで現像をしてやらないと見ることはできない。最近はメーカー以外にフォトショップなど画像加工ソフトでも現像できるようになってきた。しかし、そのままインターネットに上げて閲覧することは不可能なファイルである。画質にこだわる方はRAWを避けることはできないし、私の場合、ほとんどJPEGで撮っているが、撮影条件の厳しいときなどや、画質最優先となる写真を撮るときはこのRAWモードで撮影する。
現像には、かなりパソコンのパワーを必要とする。
このような理由で、作品を作って行くにはパソコンを使うことが前提となる。年配の方には、これがネックでデジタルに踏み出せないという話をよく耳にする。私も、できればパソコンを使わずに写真は写真だけで楽しみたいと思うのだが、現状ではパソコンを外すことはできない。
ただ、パソコンは写真だけでなく、インターネットや音楽を楽しんだり、文書を書いたりするなど、デジタルのクリエイティブツールにもなるので、操作などを習得して損はないと思う。