画素数は「大きければいい」というのはデジカメが普及し始めた頃の話で、現在(2005年1月)売られているものは、ほぼすべて作品づくりにおいて不足はないといえる。個人的な感覚では、400万で十分、500万以上なら言うことなし、と思っている。
具体的には、一眼レフが600〜800万画素、コンパクト機で300〜500万画素というスペックが一般的だ。中には一眼レフで1000万画素以上、コンパクトでも700〜800万画素という機種が出てきてはいるが、とくに一眼レフでは、1000万画素以上となるとクルマが買えるぐらいの価格なので、あまり一般的ではないといえる。
冒頭に述べた400万画素以上という根拠は,A4サイズにプリントするのにこれぐらいのスペックがあれば十分だから。A3までいくと500万画素以上が欲しくなる。なぜこれらのサイズを基準にするかというと、以下の理由からきている。
現在コンテスト等の応募規定を見ると、だいたいA4まで、もしくはB4まで、というところが多い。プリンタ用紙売り場に行くと、多くの店でL判とA4判が前面に置いてある。デジタル写真の世界では、ある意味A4が基準となっているところがあるので、A4プリントに耐える400万画素以上のカメラなら作品づくりに使える、ということになる。300万画素でもプリントできるが、経験で言うと「ちょっと苦しいかな」という気がする。
いっぽう、A3についてだが、これは銀塩写真の世界でいう「ワイド四つ切」をひとまわり大きくしたサイズである。先ほど、 デジタル写真の世界でA4がひとつの基準と書いたが、フィルムの世界では「四つ切」がひとつの基準である。「四つ切」と「ワイド四つ切」はサイズが違うのだが、とりあえずここでは同義として取り扱う。
やはりコンテストでは「四つ切まで(ワイドを含む」という標記が目立つし、写真展などでも半切か四つ切を使うことが多い(アマチュアの場合)。よって、個展で発表というところまで考えると500万画素が必要となる。いずれにせよ、一眼レフなら申し分なく、コンパクト機でも中級クラスのカメラで十分だということになる。
事実、私の所属する写真クラブの展示会で、私はキヤノンのイクシーデジタルL(400万画素)で撮影した写真を出品したことがある。カメラ自体はタバコの箱よりも小さいものだが、A3に伸ばして展示して展示できるという強者だ。お客さんに「このカメラで撮りました」と説明すると、みなさん驚いておられた。
雑誌のグラビアを飾る写真や、広告に使用するため緻密なディテールが必要、というジャンルでは1000万クラスの画素を必要とするが、我々が作品づくりを続けていくにあたっては、前述のようなスペックで事足りるということだ。