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サイト はじめに
 
「何をテーマに撮ろうか」
写真を趣味として数年。最初は何を撮っても楽しくて、主にストリートスナップを中心に写真を撮り続けていました。しかし、撮り続けていくうち、作品という観点でみると自分の写真は一貫したテーマがないことに不充足感を覚えるようになりました。
 
 テーマというものは、考えて見つかるものでもありません。少し壁に当たっていた私は「撮り続けていくうちに、自分が表現しようとしている対象が見えてくるものだろう」と、身近なものを中心に撮ることにしました。6歳と2歳の子供たちは格好の被写体でした。また、子供が小さいということで撮影時間が取りにくく、必然と子供を撮る機会が多くなっていました。
 
 子供を中心に「作品づくり」を考えたことで、自分の視野が広くなったような気がします。子供の写真というのは、親の目で撮ればたんにアルバム用の記念写真で終わってしまうことが多く、他人が見て何も面白くない写真です。自分の子供であっても、「作品づくり」を意識すれば、客観的な目で子供を捉え、観賞者に何かを感じてもらえる写真に昇華させることが可能です。もっとも、口でいうほど簡単ではないので、まだまだ鍛錬の日々なのですが。
 
 そうやって子供を客観的に見続けていると、やがて社会、将来の日本というような、ひとつ枠を飛び越えたところに意識が広がっていきました。すなわち、この子供たちが今の日本で安心して暮らせるだろうか。将来、幸せに生きていけるだろうか。
 少子高齢化、治安悪化、環境、経済等のあらゆる問題が今の日本を覆っています。誰もが「このままでは」と思いながら、よい方向に向かっているという実感があまりありません。
 
 そう考えたとき、ある考え方がひらめきました。
「写真を通じて、何か社会に貢献できることはないか」
こういうと、もはや趣味の範囲ではなく、押しつけがましい奉仕活動のように聞こえますが、そうではありません。要は
「好きなことやって、それが社会に役立つのなら−結果的に微々たるものであっても−これほどすばらしいことはない」
という、極めてシンプルな発想です。
 
 あくまで趣味の範疇なので、たいしたことができないのは承知の上です。また、趣味はかくあるべきと決めつけているわけでもありません。たまたま自分が「こんなだったらいいな」を自分でやろうとしているだけのことです。
 そして、ここからちょっと飛躍しすぎるのですが、テーマとして「路面電車」が浮かんできました。もともと路面電車には興味があって、若い頃は長崎や広島など、各地の路面電車を訪ねました。では、なぜ路面電車なのか。これは自分でもよくわからないのですが、町中における圧倒的な存在感ではないかと思います。各地の路面電車を訪ねた、と書きましたが、正確には「路面電車がある街を訪ねた」という方が正しいかもしれません。旅が好きで、日本中をあちこち放してまわったのですが、路面電車があるだけで、少なくとも私のなかでは、そこは特別な街でした。路面電車に乗ったり降りたりで街をブラつく。ただそれだけのことですが、自分にとってはこのうえない旅の喜びでもありました。
 
 最近、LRTということばをよく耳にします。路面電車の新しい形態です。ヨーロッパではかなり以前から路面電車が見直され、最新技術と新しい都市政策を軸にLRTが導入されつつあります。人に優しい−バリアフリー−、地球に優しい−環境問題−、街の活性化−都心の空洞化問題−等で、路面電車(LRT)は見直されています。実際私もベビーカーを押しながら電車に乗ると、階段等の多さに辟易します。地下鉄の乗り換えなどでかなり苦労を強いられるの経験して、LRTならもっと気軽に外出できるのではないかと感じました。そんなふうに感じるのは私だけではないようで、日本でも各地でLRT導入が検討されていますが、様々な問題に直面し、日本で普及するかどうかは、まだまだわからない状況です。個人的には、LRTが日本でも続々と誕生することを期待しています。
 
 このサイトは、そういう思いをこめて作成しました。写真が好き、路面電車が好き、から作っただけのサイトで、あくまで当方の趣味の範疇にすぎませんが、もしこのサイトを見て、少しでも多くの方が路面電車・LRTに興味をもっていただけ、理解を深めていただければ、サイト作成者としてこれほど嬉しいことはありません。
 
 我が町にも、LRTが走ることを夢見て・・・。