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メイドインジャパンは原点に戻って(1997産経新聞投稿)
 
 先日家のファクスの紙が切れたので入れ替えた。しばらくして、送られてくるファクスが右半分しか印字されていないことに気づいた。。蓋を開けて調べてみると、蓋を本体に固定する爪が折れていた。素材はプラスティックであった。購入してまだ2年である。荒っぽく扱ったわけでもないのに、簡単に壊れてしまったのである。昨年も買ったばかりのポットが、これも蓋を支えている部分が割れてしまった。これもプラスティックであった。レインウェアは一回の使用で水が漏れてきた。思うに、最近の日本製品の品質は著しく低下しているのではないか。確かにバブル期に比べて、モノの価格というものは明らかに下がってあろう。しかし、確実に品質も低下したという思いを禁じ得ない。前述のように、適材適所という概念はコストダウンという波に飲み込まれ、昔の品質第一であった「メイド・イン・ジャパン」は過去物語となってしまったかのようである。メーカーに携わるみなさま、ぜひ「ものづくり」の原点に返って製品開発に精進してください。