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「オトーサンはきっと喜ぶ商品券」(1998.11.7 産経新聞投稿)
 
 「効果はほとんど期待できない」などと悪評が高い商品券構想であるが、家計の財務を奥様方に握られている世間のオトーサンには、意外と消費効果が表れるのではないか。減税ではひとりあたりの還元が明確でないし、現在の環境では臨時収入というより出費の減少といった感覚に陥りやすい。よって、減税分がまるまる家計の貯蓄にまわされてしまう。しかし、「ひとりX万円」の商品券配布であれば、すべてを生活費に充てる、あるいは奥様方が独り占めする、ということはないのではないか。だとすれば、そういうオトーサンにとっては願ってもない臨時収入であり、消費で景気に貢献する、という大義名分も成り立ち、自他共に納得しやすいというものである。ただし、子供に対してはこの商品券を配布するべきではないだろう。万単位での大きなお金が「国からもらえる」というのは教育的配慮に欠けるような気がする。いまどきの子供なら、マスコミが「お年寄りから赤ちゃんまで」と頻発していることから、親がとりこもうものなら必ず不公正さを問いただすであろう。勤労少年には不公平感が残るが、有権者に配布、という線が妥当ではないかと思われる。