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どうして夏バテするの?
 
夏になると、カラダがだるい、気力がわかない、食欲がない、疲れやすいなどの症状が現われて、いわゆる「夏バテ」になる人が多いですよね。その夏バテの原因は暑さだけではないんです。ききすぎの冷房や、冷たい飲み物などもカラダの不調を引き起こします。
 
 
暑くなると、特にビタミンB1の消耗が激しくなります。神経や筋肉の働きを支えているのがビタミンB1なので、ビタミンB1が不足すると疲れやすく、やる気が起こらなくなるのです。水に溶けやすく、熱による損失が大きいビタミンB1は、摂取しにくく不足しがちです。汗といっしょにも出てしまいます。アルコールのとりすぎもビタミンB1不足を招くので、ビール党も要注意ですね。
 
 
熱帯夜などによる睡眠不足も夏バテの原因になります。睡眠不足で疲労が蓄積して、自律神経系の調節機能が働かなくなり、だるさなどのカラダの不調が表れてくるのです。
 
 
食欲低下の引き金となるのは、大量にかいた汗です。汗の中に塩分が出ていくため、胃液の分泌が悪くなります。そのうえ、のどが渇くので、冷たい物をガブガブ飲む。すると胃が冷やされて、さらに胃液が出にくくなり、かつ水分でお腹がふくれてしまいます。結果として、さっぱりしたものしか食べられなくなるというわけです。こうした食事が続くと、どうしても栄養不足になりがちです。おまけに、そうめんなどサッパリ系の食事の主体はでんぷん質です。これをエネルギーに変えるのにビタミンB1が消費され、汗で失われたビタミンB1の不足に拍車をかけて、カラダがだるくなってしまうのです。
 
 
昔は“暑さ負け”して「夏バテ」していたのが、現代では“冷房負け”して「夏バテ」するパターンが増えています。ききすぎる冷房による冷えや、外との温度差にカラダがついていけずに体調がくずれてしまうのです。これについては、前回の知恵袋の「冷え性」も関連してきますので、ぜひ参考にしてくださいね。
 
 
★食事は量より質★
食欲がなくても、1日3食きちんととることが大切。胃に負担がかからず消化のよいたんぱく質(卵、肉、魚、牛乳など)、 ビタミン(野菜や果物など)、ミネラル(牛乳や海草など)をバランスよく、少しずつでも、いろいろな種類の食品をとりま しょう。
★香辛料を上手に★
ショウガやワサビ、コショーなどの香辛料、シソ、ミョウガ、ネギなどの香味野菜は、食欲を刺激します。上手に使ってください。
 
★清涼飲料水をとりすぎない★ 
冷たいものの取りすぎは、胃腸の働きが抑えられ、清涼飲料水を1日に何本も飲むと、その甘味が食欲を減退させてしまいます。
 
★豆腐でたんぱく質を★
食欲がなくて、肉や魚を食べる気がしない時は、たんぱく質を豆腐でとるとよいでしょう。
 
 
夏バテとは
 
夏バテは、夏まけ、暑気あたりなどと言いますが、「だるい、疲れやすい、食欲がない」のいわゆる夏バテ3態によって、身体が弱ることを言います湿気や気温の急激な変化に体のリズムがついていけずに、自律神経の働きが鈍くなることからおこります。
ですから、湿気の多い梅雨から初夏にかけてや、蒸し暑い真夏から残暑にかけて起こりがちというわけです。初めてサウナに入ると、数分と居られないのに、だんだん長く居られるようになるのは、身体が熱さに適応するためです。急に暑さが増すと、徐々に体を慣らしていけず適応が遅れると言うわけです。
 
 
 
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体温を下げるには、エネルギーが必要
 
体温は、視床下部にある体温調節中枢がコントロールしています。暑さで体温が上がると、この中枢は皮膚表面の血管を広げ、皮膚にある汗腺に汗を出すように指示して、体温を下げます。こうして血管が広がり、血液が多く流れるようになると、心臓は心拍数を増やして対応します。また、汗などで水分が奪われて血液の粘り気が増すので、心臓は一層頑張って働かなければならず、エネルギーを余計に使います。エネルギーは汗を作るのにも欠かせません。
 
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 エネルギー代謝には、ビタミンB群が必要
 
人間は、糖質や脂肪を燃やしてエネルギーを作りますが、この燃焼に必要なのが、ビタミンB群です。ところが暑いと食欲が落ちて、そうめんや果物などの糖質ばかりを摂りがちなため、ビタミンB群が不足し、エネルギーが作りづらくなります。エネルギーがいつもより多く必要なのに、まかなえないためバテてしまうというわけです。
 
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 冷たい飲食物冷房はほどほどに
 
夏場は冷たい飲み物を撮りがちですが、身体を冷やしすぎたり、消化吸収を悪くして、下痢などの胃腸障害を引き起こし、夏バテを重くしかねません。冷房の効きすぎや、暑い外気と冷房温度との温度差により、手足のだるさやしびれ・身体のほてり・喉の痛みや頭痛・皮膚の荒れ・神経痛生理不順などを起こす「冷房病」も、夏バテに拍車をかけます。
 
 冷たい飲食物冷房はほどほどに
 
バテるメカニズムが分かったら、早速、夏バテ対策を実行しましょう。
 
 
 
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 消化吸収の良い発酵食品を
 
食欲の落ちた夏場、不足しがちなタンパク質とビタミンB群を豊富に含む玄米や大豆食品を積極的に用いましょう。ビタミンB1・B2・Eを含み、疲労回復にすぐれた効果のある黒ごまやストレス対策のビタミンCが多く、熱を取り去る作用のあるさつまいもを積極的に用いましょう。
 
さつまいもや緑黄色野菜に多いビタミンA(βカロチン)には、日焼け止め効果もあります。夏バテによる食欲不振・喉の渇きに有効なのは、ビタミンAC・ミネラルに富むトマトです。また、利尿作用のあるイスクエルシトリンを含むキュウリも、体内の余分な水分や熱を取り去って夏バテに効果を発揮します。
 
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 酢や香辛料を料理に
 
酢には、食欲増進・食中毒予防など、さまざまな効用がありますが、特有の酸味は疲労回復にも役立ちます。これは、酢に含まれる酢酸・クエン酸・コハク酸リンゴ酸などの有機酸が、身体の中にたまった疲労物質(乳酸など)を分解してくれるからです。そのため、疲労回復には有機酸が多い米酢・リンゴ酢などの醸造酢が適しています。なお、梅干しにも同様の効果がありますので太陽のエネルギーが詰まった天日のものをそのまま、また和えものなどに用いるのも手です。
 
その他、カレー粉・わさび・生姜・唐辛子・山椒などの香辛料は食欲増進や発汗作用がありますので、料理に上手に利用しましょう。
 
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 発酵食品と一緒に水分の補給を
 
汗で失われた水分・ミネラルの補給も重要です。とくに乳幼児・高齢者は脱水症状に気づきにくので注意が必要です。お年寄りの水分不足で怖いのは前述にあるように、水分が不足すると血液の粘り気が増すため、脳梗塞や心筋梗塞を起こしやすくなることです。冷たい水のガブ飲みは、食欲不振につながります。喉が渇いたなと思ったら、早めに少しづつゆっくりとそして、ミネラルの宝庫ともいえる発酵食品と一緒に水分を補給しましょう。
 
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 通気性の良い衣類や枕を冷たく
 
夏バテ解消には、効率よく汗が熱を奪えるようにすることです。通気性の良いムームーのような服を着ると良いのですが、無理ならばこまめに下着を取り替えたり、濡らしたタオルで身体を拭くと良いでしょう。睡眠不足も夏バテの原因の一つです。枕を冷たくしたり、扇風機やエアコンは、タイマーを利用して寝付くまで使用し、つけっぱなしを避けるようにしましょう。
 
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 歩行で夏に負けない身体づくりを
 
最良の対処法は、夏バテしない身体づくりです。春先から、少し速足で30分程度歩く習慣をつけておくと、暑くなってからも身体を動かして汗をかけば季節の変化にスムーズに対応できるようになります。発酵食品同様、継続することが大切です。
 
 
 
栄養のバランスなど食事に気をつける
 
食欲がなくても、きちんと食べることです。食欲を刺激する香辛料や香味野菜(しそ、ミョウガ、ネギ)などを上手に利用するといいですね。
 
◆たんぱく質をしっかりとる(魚、肉、卵、大豆、牛乳など)
たんぱく質は、カラダを作る栄養素で、さまざまな抵抗力をつけます。
肉や魚を食べる気がしない時は、豆腐でたんぱく質をとるといいのでは。
 
◆冷たい飲み物をとりすぎない
胃の働きが低下してしまいます。
 
◆ビタミンB1・B2を十分にとる
B1  豚肉、焼きのり、ごま、落花生、玄米、胚芽米、ベーコン、など
B2  レバー、干ししいたけ、卵、納豆、イワシ、サバ、チーズ、など
 
◆ミネラルと水分の補給
汗をかくのでカラダの水分が失われます。まめに水分補給を。
 
◆その他
山芋(体力増強)、にんにく(消化を助ける)、梅(疲労を回復させ、疲れにくい体質を作る)
 
 
夏バテの原因を考えてみよう
 
 毎年夏バテに悩んでいる人は夏が近づくと憂鬱な気分になる人も多いことでしょう。
 急に暑くなると、体の調子が崩れやすくなります。特に夏の初めは体が暑さに適応していないので、何となくだるいとか疲れるとか食欲がなくなるなどの症状が現れやすいようです。
 しかし、だれでも同じような状況にいても、夏バテが酷い人とそれほどでもない人といろいろ人によって違うようです。
 
 
 
1 暑さについていけないために起こる食欲不振
 夏バテは、食欲がなくなることから始まります。これは暑くなると暑さというストレスに身体が適応しようとして、無理な負担がかかります。
 
その1つの症状としてに胃腸の働きが鈍くなり胃液の分泌や消化酵素の働きが低下ます。
 そうなると、あっさりしたものや喉ごしのよい冷たいものが多くなりがちで、たんぱく質やビタミン・ミネラルなど大切なものが、不足してきます。栄養状態が悪くなりそれが悪循環になり、体調は崩してしまいます。
 
2冷暑の温度差に対応でいないで起こる症状
 オフイスでは冷房で冷やされ、外では炎天下にさらされるのは今では日常的に夏になると身体がうけるストレスです。
体温を調節する能力も低下してきて、夏バテに拍車をかけることになります。夏になると鼻ずまりやせき、頭痛、肩こりになる人もいます。
 
3生活のリズムの乱れで起こる症状
 熱帯夜で夜いつまでも暑いと、夜寝られないで、朝起きたときに頭がボ−としていることがあります。 
 通勤時間が長くなったり、夜遅くまで起きている生活が当たり前になっている生活習慣の人も多くなっています。
 身体のリズムは昼活動的になり、夜睡眠中に疲労を回復するとう自然に備わった体内の調節機能がありますが、それが、充分働かないということで、疲れがとれにくく、夏バテにを増長させてしまいます。
 
こうやって考えてみると、あなたはどのパタ−ンにあてはまるでしょうか。
ひとつだけという人と3つ全部という人といると思いますが、いかがでしょうか。
1にあげたことは夏になると誰でも、経験せざるをえないことです。夏バテかなと自覚するかしないかのうちに回復する人は、3の症状があるかないかで大きくちがってくるのではないで
 
 
夏を元気に乗り切る食生活
 
夏ばてを最小限にくい止める食について
 
 食事ものどの通りがよいそうめんや冷や麦などあっさりした物になり、冷たい飲み物をガブ飲みしがちです。こういう食生活が続くと、栄養のバランスも悪くなり、夏バテからの脱出が難しくなります。
  
1水分の取り方は、こまめに、温かい物を  
 気温が高くなると、汗をかくようになります。これは体温を一定に保つための身体の仕組みです。身体は約60%の水分がありますから、汗をかいたときは、その分の水分を補ってあげましょう。
  (1) 水のがぶ飲みは要注意
一度にがぶがぶと冷たい水を飲むと、のどの渇きはいやされて気分はよいですが、胃液が薄くなります。胃液が薄くなると消化能力が落ちたり胃酸の殺菌力が弱くなります。
  (2) 涼しくなる水分補給
温かい飲み物は飲んでいるときは暑く感じますが、身体から熱が放熱されるときに気化熱で、むしろ涼しく感じます。
 
 
  ・牛乳は汗で失われるビタミン・ミネラルの補給に最適
  ・清涼飲料水は糖分が多いので飲みすぎに、注意
 
2ビタミンB1をしっかりとろう
 糖質の燃焼にはビタミンB1が必要
ご飯やめん、甘い飲み物などに多く含まれる糖質が身体の中でスム−ズに使われるには、ビタミンB1が大切な働きをします。
 
 (1)夏はビタミンB1の消耗が大きい
 麺類やジュ−スは糖質が多いのでそういうものが中心になる食生活ではビタミンB1の必要量が増えます。食欲がなくて簡単なものばかりになると悪循環でますますビタミンB1の不足になります。
 
 (2)ビタミンB1不足の症状
 だるいとか疲れやすいなど見逃しやすい症状がありますから、ビタミンB1不足も疑ってみましょう
 
 (3)ビタミンB1の多い食べ物
肉類なら豚肉類がその他の肉に比べ、多くふくみます。その他野菜でもビタミンB1の多いものを選びたいものです。食べあわせとしては、にんにくに含まれるアリシンがとてもよいです。
 
・夏によく食べる食品でビタミンB1を多く含む食品
   絹とうふ  いり胡麻  枝豆   牛乳  
   鰻蒲焼き
   鞘えんどう  豚もも肉   とうもろこし
   ボンレスハム
・お勧め料理   焼きそば
 
4ビタミンCでストレスから身体をガ−ドしよう
 
 私たちの身体はストレスがかかるとビタミンCの消耗が激しくなります。ですから、冷房の効いた部屋から急に暑いところにでたりすると、それだけで身体にはストレスになりますから、ビタミンCがたくさん必要になります。
  (1) ビタミンCの性質と取りたい量
 水に溶けやすく、熱や光に弱いので、毎日きちんとたべたいものです。
 ビタミンCは1日に100mg必要です。これは安全性を考えて決められたものですが、外食やお総菜を利用することが多い人は、もう少し多めに(150〜200mg)とると良いでしょう。ビタミンCは多めにとっても余分なものは身体の外へでていってしまいますから心配はいりません。
 
 (2)ビタミンCの多い食べ物
  ビタミンCをたくさんとろうと思うと、サラダやレモン汁を連想する人は多いようでが、サラダ1皿よりお浸しや煮物は量が食べられるので、ビタミンCは期待できます(多少の調理損失があっても)。
  野菜は南瓜、苦瓜、ピ−マンなど
  果物では、キウイフル−ツ、プリンスメロン、パパイヤ、オレンジなど柑橘類に多いです。
 
お勧め料理  ピ−マンの焼き浸し
 
 
5 胃にやさしい食事
 (1)消化のよい食べ物
  胃の働きを軽くしてあげるために、小さく切ってよく煮ることが大切です。脂肪の多いものは控えます。だだし、乳化された脂肪は消化もよいので、バタ−やチ−ズを使った料理はお勧めです。卵は固ゆでのものを控えめにするくらいで他の卵料理はお勧めです。
 お粥もよいですが症状が軽くなったら柔らかめのご飯をよくかんでたべるほうが水分が少なく、他のおかずと組み合わせやすいです。
 (2)栄養のバランスもとりましょう
  胃壁を元気にするためにも、たんぱく質やビタミンは必要です。
 魚や肉は脂肪の少ないものをうす味で煮たり、ゆでたり、蒸したりするとよいです。豆腐やきなこもお勧めです。
 野菜はビタミン類が豊富です。繊維の柔らかいにんじん、かぼちゃがお勧めです。また穂先を使ったり繊維を切って料理をすると食べられ範囲が広がります。