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日経BP健康サイトより ローハス
http://www.nikkeibp.jp/jp/kenkou/index.html  
 
 新しい価値観をもつライフスタイルとして、「ローハス」が注目されている。「ローハス」は、Lifestyles of Health and Sustainability の頭文字をとった造語で「LOHAS」と綴る。「環境、自然、健康に優しいライフスタイル」として、日本でもじわじわと共鳴の輪が広がっている。
 
 実は、米国で「ローハス」という概念が広く認識されるようになったのも、ほんのここ数年のことだ。「ローハス」の社会化の原動力ともなった季刊誌「LOHAS Journal」編集長のフランク・ランピー氏によれば、「本誌が創刊した1996年には、わざわざ自然食品を選んで買うような消費者は、約3%にすぎなかった」のだが、「今やLOHASスタイルは主流になった」ということだ。最近の調査では、米国では成人の30%が、欧州連合(EU)諸国内では35%が「ローハス消費者」だという。
 
 「ローハス」が世界的に広く認知されるようになったのは、米国の社会学者、ポール・レイ氏らが1998年に、全米15万人の米国人を対象に15年にわたって実施した価値観調査の結果が公表されたのがきっかけだとされる。レイ氏らはこの研究で、信心深い保守派層とも、民主主義と科学技術を信奉する近代主義者層とも違う、新しい価値観をもった社会集団が米国民の中に生まれていることを明らかにした。健康的なライフスタイルへの明確な志向を持ち、ローハス文化の中核となるこの集団を、レイ氏らは「生活創造者」(Cultural Creatives)と呼んでいる。
 
 レイ氏らの調査によると、米国の生活創造者たちは、平均年齢42歳、3割が大学卒で年収は平均以上、6割が女性だ。年代や職業、民族に偏りなく存在し、自分の健康だけでなく、社会的責任への関心、人間関係や助け合い、自己啓発、精神性、フェミニズムなどにもこだわる。また、本物志向で、地球環境の持続可能性を優先し、率先して行動する人が多いという。欧米では、こうした新しい価値観をもった生活創造者が急速に台頭して、「ローハス」がひとつの社会文化として定着してきた。米国では今後10年以内に消費者の50%以上が「ローハス消費者」になるとレイ氏らは予想している。
 
 これに呼応して、ビジネス界でも、「ローハス企業」が業績を伸ばしている。有機食品やサプリメントなどの健康食品、代替・補完医療、自己啓発プログラムといった健康市場と、環境に優しいエネルギーシステムや住宅、エコグリーン製品、ガーデニングやエコツーリズムなどの環境市場とが一体となって、巨大な「ローハス市場」が形成されている。その産業規模は、米国だけで2268億ドル(2000年)に達するという。
 
 欧米では小さな企業や個人の草の根活動の積み重ねから生まれたローハス市場だが、日本では、その初期段階を飛び越えて、大手企業がローハス市場へ向けて積極的に動き始めている。
 
 ローハスな生き方は、今後日本でも、欧米を上回る勢いで人々の間に浸透ししそうだ。それは、日本にはごく自然に「ローハス」を受け入れる土壌があるからだ。欧米では、環境と闘ってきた生活を環境と折り合うように転換するのが「ローハス」であるのに対して、日本を含む東洋では、もともと人の生活も環境の一部だととらえる考え方が根底にある。
 
 あなたもローハスな生活を始めてみませんか。
 
(広多 勤)
 
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NHK夜9:15〜ご近所の底力 9/2放送で、地域の鉄道を守るというテーマで放送された。万葉線が取り上げられ、そこでリーダーの方は
「鉄道を残す、という視点ではなく、街をどうするか、そして街の将来ビジョンにおいてその鉄道がどういう位置づけ、役割を果たすのか、を考えていくべき」という意見があった。これは、ともすれば鉄道線中心の議論になりがちな廃線問題を地域全体の問題と捉える視点を投げかけるもので、すばらしいと感じた。
 
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