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たてうちただしのインアンドアウト
〜driver '99/3/5号
 
 話は飛ぶが、私有財産制度を否定し、自由な経済ではなく計画経済を推進してきた社会主義の旧ソビエト連邦は崩壊した。社会主義や共産主義は経済に限らず人間社会も理性でコントロールする思想だといわれる。理性による管理主義のきわまりともいえる。いわば、貞淑な淑女型社会だ。
 崩壊の原因については、高度な論議がなされているが、つまるところ、どうも理性による管理では人間と社会が元気になれなかったということらしい。
 コンピューターで交通の流れを管理し、高速道路の料金やら駐車場の料金も自動徴収し、渋滞を緩和するために迂回路を指示するナビゲーションなどで構成され、最終的には無人運転を目指す新交通システムは、私の目には交通におけるソビエト連邦の建設に思えてしかたがない。ワクワクはしない。
 電車などの公共交通機関に共通することは、行き先や出発時間といった移動の基本的な部分が、他人に管理されていることだ。学校でも会社でもギリギリに管理されていて、そのうえ、クルマに乗っても新交通システムに管理されたんじゃたまらない。
 貞淑な淑女というのは、いわば両親と世の中によく管理された・・・