東京散策

先日、BEACHちゃんが東京に出張した。
新幹線に乗る前にMr.Tが「BEACHちゃん。晩御飯食って行けよ。今日、彼
女と食べに行くからさあ、一緒に来いよ」と誘ってきたそうだ。
彼女さんとの待ち合わせまで30分ほど時間があり、何をするでも無く突
っ立っていると、非常に派手なケバいおねいさんが目の前を横切った。
「BEACHちゃん。おつけしましょう」
「え?」
「おつけしましょう」
Mr.Tがスタスタとおねいさんの後ろをつけて行くので、BEACHちゃんも仕
方なく
Mr.Tを追った。
山の手線に乗り、とある駅で降りた。
おねいさんは、清算機に向かったので、
「Mr.Tさん、もうやめましょう」
先に改札を出ると、
「BEACHちゃん。お待ちしましょう」
改札を出たおねいさんをつけて行くと、とあるホカホカ弁当屋さんの裏口
に入った。
「こおなんだなあ。こおいうもんだよ」
「何がです?」
「ああいう派手な女は、意外と地味な仕事してんだよお。そおいうもんな
んだなあ。ああいう女がいいんだよ。俺も、46歳で20歳ぐらいのああ
いう女と結婚するんだよお」
「何言ってんですか!ちゃんと彼女が居るじゃないですか!しかも、今か
ら会うって言うのに」
「はあかやろお。46で20歳の女と結婚するんだよお」
二人は急いで彼女さんとの待ち合わせ場所に戻った。
「BEACHちゃん。久しぶりい。お元気でしたか?」
「あっ、どうも久しぶり。いや、今ねえ、Mr.Tさんが」
「いいんだいいんだ。BEACHちゃんとよお、散策してたんだよ。東京も、た
まに散策しねえと、動いてるからよお。変化がはえんだよ、今の時代。た
まに散策しなきゃ駄目だぞお」
「じゃ、ちゃんとデートしてよ。散策に付き合うから」
「いいんだいいんだ。もう分かったから。今の流れが分かったよ。今度変
化した時に連れてってやるよお」
今年で32歳のMr.T、婚期はさらに遅くなりそう。

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