寮の天敵
松戸の寮には、ハ#ヤ、ナンちゃんの他にも、ミスターTの天敵が居る。寮母さんだ。 寮母さんは二人居る。一人は、ミスターTお気に入りの妖艶な熟女で、なんどか誘って、断られたそうだ。断られるたびに「奥ゆかしいんだよなあ。ああいう遠慮するところが気品があるんだよ」と絶賛していた。 問題は、もう一人の方だ。 相手もミスターTに敵対心を持っている。 ミスターTは「あのババアはよお、動物の中でも最低ランクに位置する珍しい生態系を持つ生き物だよお」とその寮母さんを評価する。 ミスターTのそんな言葉が寮母さんの耳に入ることはしばしばだ。 昨年の大雪の日のことだ。土曜日の朝だった。ミスターTは、前日の金曜日は、いつもの週末同様、ピンサロで遊んでいた。気持ち良く寮に帰ったミスターTは、おねいさんの感触を消し去りたくなかったので、サービスされた股間部を洗いたくなかった。それと、心地よい疲れのため、風呂に入らずに寝た。 夜中から雪が降り出し、下半身丸出しで寝ていたミスターTは体を冷やしてしまった。上半身は無事だった。パジャマを着ていたからだ。 土曜日の朝、10時前に起きたミスターTは、冷えた下半身を暖めるのと、股間部のローションを洗い流すために風呂場に向かった。 寮の風呂は、朝10時にボイラーが止められる。 が、誰か入っているのであれば、上がるまで止めないでいてくれる。 「あったけえなあ」 シャワーを浴びていたミスターTは特に股間部を丁寧に洗おうとした。 シャワーを股間にあて、「おおっ!そんなサービスいいのかよお。ああっ! なんてことを... ひ〜〜〜」などと、一人で悶えていた。 その時だ。 「つめてえっ!!!」 冷水に変わった。午前10時、ボイラーが止められた。 「あのクソババア!俺が入ってんの分かってるじゃねえかあ!これだからよお、生態系が分からねえって言うんだよお!」 せっかく暖めた下半身を冷やしてしまったミスターTは、シャワーをあきらめ、湯ぶねのふたを開けた。 松戸寮は、金曜日はお湯を入れ替えない。 そこには、木曜、金曜と二日に渡り、飲んで帰ってきた酔っ払い達の垢が浮いたヘドロのような生ぬるい液体がたまっていた。 「しょうがねえなあ」 ミスターTは、恐る恐る片足をその液体に突っ込んだ。「ぬるぬるじゃねえかよお」、思い切ってもう片足も突っ込み、「だあああっっっ!!!」、しゃがんだ。 全身ぬるぬるだ。 「気持ちわりいなあ。ローションみてえだなあ。え?!ローション?!」 アイデアマンであり、行動派のミスターTは、股間に手を伸ばした。 「いいじゃねえかあ。なかなかいいんだよお。このヌルヌル感いいぞお」 股間をいじりながら悶絶していた。 その時、「誰?!さっきから風呂で騒いでるのは!もう10時まわってるでしょ!」 寮母さんは引き戸を開けた。 そこには、片足を上げ、左手で自分の胸をもみ、右手で股間をいじっているうつろな表情のミスターTが居た。 「きゃあああ!!!何してんのお?!!!」 「ああっ!!!ばっ、ばっかやろお!!!なあに覗いてんだよお!!!プライベートの侵略だぞお!!!」 「それを言うなら、プライバシーの侵害よ!」 「そんなのどっちだっていいんだよお!てめえ!なんで覗くんだよお!それだから、生態系が分かんねえんだよお!」 「あんたの生態系のほうが分からないわよ!」
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