遠慮しなくていいぞ
ミスターTは合コンが大好きだ。人にセットしてもらうだけではなく、人にセッ トしてあげるのも好きらしい アシスタントのGOさんにいろいろとアドバイスをしている。 「GOさん。最近はどうなのお?今週の土曜日はどうなのお?彼氏とデート だろお?まったくう〜〜、いいよなあ」 「よく言いますよ。デートするのはミスターTさんのほうでしょ。私は彼氏居ま せんよ。知ってるくせに」 「そうだったっけ?GOさん。駄目だよお。そんな健康な年頃のレディーが 彼氏居ないなんて。だ〜めだ、だめ、だめ。GOさん。俺が男紹介してやっ たからよお、心配しなくていいんだぞお。ちゃ〜んと健康な男紹介してや っからよお、不健康なこと言ったら駄目だぞお」 「えっ!?本当ですか!?」 「ほんと〜〜だよお。い〜〜んだ、い〜〜んだ。遠慮しなくたって、い〜 〜んだぞお。じゃあさあ、今週の金曜日は合コンだな」 「合コン???どうして、合コンなんですか???」 「な〜〜に言ってんだあ?だって、それが一番手っとり早いだろお。合理 的だあ。な〜〜にも遠慮するこたあねえんだぞお。じゃあさあ、GOさん、 女の子4人用意しといてくれ」 「4人も?!」 「そうだよお。GOさん含めて5人だあ。5、5でやるんだよお。足したら 10人だあ。こおいうきりのいい数字はいいんだよなあ。それに、少なけ りゃよお、リスクが大きいじゃねえか。リスクなんとかだあ」 「リスクヘッジのことですか?」 「そうだあ。リスクエッジだあ」 「なんのリスクなんですか?」 「なんのって?人数少なけりゃ、リスク大きいだろお。分かんねえかな あ、つまりだな、変なのばっかだったら困るだろお」 「え?ミスターTさん、変な人呼ぶんですか?」 「なんで、俺が変な奴呼ばなきゃなんねえんだ。俺が呼ぶのはコバ*シ以下3 人だあ」 「コバ*シさん、結婚されてるじゃないですか」 「いいんだ、いいんだ。あいつに遠慮するこたあねえ。気を使う奴じゃね えからよお。コバ*シのこたあ、どうだっていいんだ。リスクを小さくしなき ゃなんねえんだ」 「それじゃ、なんですか?ミスターTさんは、私が変な子を呼ぶと思ってるんで すか?」 「ちい〜〜がう、ちがう。な〜〜に被害者みたいなこと言ってんだよお」 「被害妄想ですか?」 「そおだよお。それだよお。な〜〜に妄想してんだよお。ちい〜〜がう よ。お互い楽しい方がいいだろお。大勢居る方が楽しいって言ってんだよ お」 「それは分かりますけど... で、ミスターTさんは?」 「俺?俺がどうしたんだよお?」 「いらっしゃるんですか?」 「な〜〜に気つかってんだよお。ばあかやろお。何も遠慮するこたあな い。心配しなくとも、ちゃ〜〜んと行ってやるよお」 「じゃ、ミスターTさんは傍観者として来て下さいね。女の子に変なことしちゃ 駄目ですよ 「な〜〜に遠慮してんだよお。気つかうことはないって。どおしたんだよ お。俺とGOさんの仲じゃねえかあ。な〜〜に水くさいこと言ってんだよ お。それに、俺も楽しまなくちゃ、バランスわりいだろ。バランスが大事 だ、バランス。大塚製薬も言ってるだろお。バランス栄養だぞお」 「カロリーメイトですか?」 「そうだぞお。それだよお。だけど、あんまり食い過ぎちゃ駄目だぞお。 太っちゃうからよお」 「元から太ってます!ほっといて下さい!」 「いいんだ、いいんだ。そんな細かいこと気にするこたあない。それよ り、ちゃんとしたの連れてくるんだぞお」 「ミスターTさん。変なことしないって約束して下さい」 「な〜〜にを遠慮してんだあ?みっずくせえなあ!それに、バランスわり いって言ってるじゃねえかあ。みんなが楽しまなくちゃ駄目。みんなで変 なことしててよお、俺だけ何もしないなんて、バランスがわりいよ。心配 しなくても、ちゃ〜〜んと変なことするぞお」 「誰も変なことしません!」 「え?じゃ、なんのための合コンなんだよお?」 「私に男の人を紹介してくれるって言ったじゃないですか!」 「えっ?」 「え?じゃないです」 「合コンしてくれるんじゃないの?」 「してもいいですけど、私の友達に変なことしないで下さい」 「なんで?」 「変なことするために合コンするんじゃないんです」 「おれはいいけどよお、コバ*シが可哀想じゃねえかあ」 「コバ*シさんは結婚しています。変なことは奥さんとすればいいじゃないで すか」 「じゃ、俺はどうすんだよお」 「彼女として下さい」 「なんで?」 「もういいです。他の人に紹介してもらいます」 「な〜〜にを遠慮してんだよお。どおしたんだよお?GOさんよお、な〜〜 にを水くせえこと言ってんだよお。何も気つかうことはねえんだぞ。遠慮 なんかするこたあないんだぞ」 「ミスターTさんが遠慮して下さい」
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