犯人は誰?
ある日、ミスターTと飲んだ。その居酒屋は座敷だった。 靴をげた箱に入れ、座敷でくつろいでいた。 そろそろ帰ろうと、げた箱を開けると、私の靴が無い! 違うところを開けたのかと思い、一つ一つ開けて確かめた。 やはり無い! 店員を呼び、 「靴が無いんです。こんな鍵も無いげた箱はあかんで。誰か他の客が履い て帰ったんちゃうの?」 「すいません。すぐに探します。どんな靴ですか?」 先に座敷を出たミスターTが戻ってきた。 「どおしたんだよお?な〜にもめてんだあ?」 「靴が無いんや。誰か履いて帰ったみたいんや」 「すいません。とりあえず、このゾウリを履いていただいて」 「なんで、スーツにゾウリやねん!」 「すいません。後ほど弁償いたしますので」 「I氏。しょうがねえだろ。とりあえず、ゾウリ借りろ。後で新しいの買 ってもらえばいいじゃねえか 「しゃあないなあ...」 ふとミスターTの足下を見ると、 「ミスターT!俺の靴やんけ!」 「え?」 「え?とちゃう!それ、俺の靴!」 「なんだあ、お前のだったのかよお。早く言ってくんなきゃ駄目だぞ」 「お前の靴は?」 「そこだ」 げた箱を指さした。 「くせえんだよ、俺のは。お前にやるよお」 「アホ!かえせ!」 なぜか、ミスターTは自分の靴を履かずに、店のゾウリを履いて帰った。
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