主任の寂しさ

岡崎工場の森さんという人が出張で大阪に来た。
森 「HKさん。すんません。ユニチカテキスタイルのビルってどこ?」
HK「森はん!あんた、ユニチカテキスタイルも知りまへんの!がはは
は!
  それぐらい知らなあきまへんで!繊維の別会社ですわ」
森 「別会社になったことぐらい知ってるよお。ビルはどこですの?」
HK「がははは!そんなんも知りまへんの!ビルぐらいどこに在るか知ら
なあきまへんでえ!今ちゃんよお。森さん、ユニチカテキスタイルのビル
どこに在るか知らんのやて!お前、教えたれよ」
I氏「御堂筋挟んで向かいの又一ビルです」
森 「このビルの向かいか?」
HK「森はん!そんなんも知りまへんの!がははは!又一ビルぐらい知ら
なあきまへんで!森はん!そんなんも知りまへんの!がははは!」
森 「いやあ...ちょっと知らないんやわ」
HK「又一ビルでっせ!有名でっせえ。それぐらい知ってなあ」
I氏「別に有名じゃないですよ」
HK「アホ!お前、又一ビル知らんて、そんなん。がははは!森はん、そ
んなんも知りまへんの!」
森 「いやあ...わし、大阪うといからあ...」
HK「おう!誰か連れてったれよお!がははは!又一ビル知らんて、そ
ら、あきまへんでえ!」
I氏「HKさん。連れてってあげたらいいじゃないですか」
HK「アホ!なんで、俺が連れて行かなあかんねん!又一ビルってどこに
在るか知らんのやぞ。お前みたいにな、夜遊びばっかりしてるんちゃう。
この辺りのことなんか分かるかあ」
森 「なんやあ、HKさんも知らんのやないか」
HK「森はん!こいつはねえ、夜遊びばっかりしてまんねん」
I氏「夜遊びと関係無いでしょ!森さん。御堂筋渡ったらすぐに分かりま
すよ。このビルの向かいですんで」
HK「がははは!森はん!ほんまに知りまへんの!それぐらい知ってなあ
きまへんでえ!」
I氏「HKさんも知らないじゃないですか!」
HK「アホ!お前みたいに夜遊びばっかりしてへんわ!」
I氏「夜遊びと関係無いでしょ!」
森 「適当に行ってみるわ。すまんすまん」

森さんが出て行った後、
「ははは... 森はん、そんなことも知らんのかあ... 会社に対す
る興味言うか、関心言うのが薄いのかなあ。工場の人は、まだ分社のこと
も知ってないんかのお。会社が一丸となってないのかねえ。寂しいねえ」
一人で落ち込んでおられます。

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