ファイル名のつけ方

ある日、HKさんにある製品の荷動きに関するデータを見せていただくよ
う頼んだ。
「すいません。輸送データあります?」
「おっ、フロッピーに入ってるわ」
引出しから1枚のフロッピーを出し、
「これに入ってるわ」
「有難うございます。うつさしてもらいますわ」
早速、パソコンに借りたフロッピーを差し込み、ファイルの一覧を開い
た。
H0001 H0002 H0003 H0004 H0005...
「すいません。どのファイル名のやつですか?」
「は?見て分かれへんか?」
「分かりませんよ。だって、全部、Hの何番ですもん」
「しゃあないやんけ。俺、HKやろ。はっちゃんのHやないか」
「それはいいんですけど。何番のやつですか?」
「ちょお待て。 ...どれやったかなあ?」
HKさんはH0001から一つづつ開いていった。数十件のファイル名が
並んでいた。
「どれやったかなあ?あれれ?」
首をかしげて探しているHKさんには申し訳なかったが、私は別の端末で
ホストCPUからデータを引き出した。
「あった!!!これや!!!36や!!!H0036や!!!」
「ありましたか!良かったですね!」
「そやけど、これ不便やのお」
「Hの何番以外に違うタイトルつけたら、見分けやすいんじゃないです
か」
「おっ!お前、いいこと言うのお。おう、そうするわ。そや!そうしたら
ええんやな」
後日、
「すいません。データ欲しいんですが、保存してます?」
「おっ、これに入ってるわ」
渡されたフロッピーをパソコンに差し込み、ファイル名の一覧を開いた。
H0001 H0002...H0010 HH001 HH002.
..
HH010 HHH01 HHH02...HHH10
「...どれですか?」
「は?分かれへんか?」

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