単純な言葉で
喫煙所で一服していた。 「ああ〜〜〜あ」、HKさんが来た。 「どうされたんですか?」 「喉か痛いねん」 「風邪じゃないですか?」 「そうかもしれんな。あかんわあ。たまに喉痛くなるんや」 「急に暑くなりましたもんね。季節の変わり目は風邪ひきやすいですよ」 「そおかなあ。いや、俺な、風呂入った次の日は調子悪いねん」 「え?」 「風呂。夜に風呂入るやん。そっから寝るやん。朝起きたら、喉痛いん や。 寝冷えしとんねんで」 「お風呂?でも、そしたら、ほとんど毎朝、喉痛いんですか?」 「いや、入った次の朝や。あかんわあ。たまに入るやん。そしたら、次の 朝喉痛いんや。夜に風呂入って、そっから寝るやん。朝起きたら、咳出る んや。寝冷えしとんねんで」 「え?いつもは、朝に入りはるんですか?」 「入れへん。夜や。朝はゆっくり朝ごはん食べなあかんからな。朝ごはん 食べるの楽しみやねん」 「え?じゃ、あのお... お風呂は夜に入るんですよね?」 「そうや。寝る前や。風呂入ったら、寝冷えしてんのやで」 「あのお... たまに咳してはりますよね」 「おう。風呂入った次の日や」 「たまに入りはるんですか?」 「おう」 さすがに「何日に一度入るのですか?」とは聞けなかった。 素直に、「咳をしていない日の前日は風呂に入っていない」と解釈してい いのだろう。 「ああ〜〜〜あ。風呂やめなあかんのお」 「それはマズいでしょ。じゃ、寝る前じゃなくて、家に帰ったらすぐに入 りはったらいいですよ。汗流してから寝るまでに時間がありますやん。寝 冷えしませんよ」 「あかんのや。スポーツニュース見なあかんやろ。スポーツニュースって 遅い時間にやってるやん。わざと寝冷えさそう思っとんのやで。テレビ局 もイタズラ好きやからのお」 「そ.そうなんですか?じゃ、スポーツニュースが始まる前に入ったらい いじゃないですか」 「なんでやねん?」 「スポーツニュース見る前に入って、それからスポーツニュース見てる内 に汗も乾きますやん。寝冷えしませんよ」 「何言うてんねん?見る前に入ったらあかんやんけ」 「え?え?なんでです?」 「風呂上がったら、寝てまうやんけ。スポーツニュース見れへん」 これ以上議論すべきではないと判断し、 「HKさん。ところで、来週ですけど。坂越工場の神原さんと飲みに行く 話です。19日でいいですね?」 「おう。I氏ちゃん、店選んどけ」 「どこでもいいですか?一杯飲み屋とかでも」 「おう。なんでもかまえへん。...あっ!あかんあかん!ソーセージ !」 「ソーセージ?ソーセージの美味しい店にしますか?」 「ちゃうちゃう!ソーセージあかんねん。俺、ソーセージよお食えへんね ん。あんなん食べれへんで」 「お嫌いですか?」 「女がソーセージ食うのは分かる。男でソーセージ食う奴なんて信じられ へんで」 「え?僕、食べれますけど」 「お前はいいんや。ホモやから」 「ホモちゃいますよ!」 「じゃ、なんであんなもん食えるねん?あんな、なんて言うんや?男の な、股についた」 「何々?何です?」 「お前!そんなこと言わすんか!あれやんけ...あの、男だけについ た、チャック開けたら、出て来るやんけ」 「チンポですか?」 「がははは!!!お前!朝っぱらから、何を!こいつ!」 「チンポじゃないですか」 HKさんは、こおいう単純な言葉に反応するところがある。 「がははは!!!お前、むちゃくちゃ言うのお!」 「チンポ」 「がははは!!!」 「チンチン」 「がはははは!!!!」 「ポコチン」 「がははははは!!!!!」 「チンポコ」 「がはははははは!!!!!!」 「好きですねえ」 「なんでやねん!俺、チンポなんかよお食わんわ!」
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