常連の急患
昼休みに酒iさんに会った。疲れた顔をしながら「ああ〜〜〜。あかんわ あ。自粛や、自粛」 「飲み過ぎですか?」 「ちゃうちゃう。酒控えてるんや。自粛や。木曜日、9度3分熱出たが な」 「それはひどいですね。大丈夫ですか?」 「おう。救急病院行ったがな。夜、寝る前に計ったら、8度5分や。すぐ に寝たんやけど、寝れへんのや。熱計ったら、9度3分や。しゃあないか ら、救急車呼んで、近くの救急病院行ったがな。病院行ったら、看護婦が 『あらっ。久しぶりやねえ』言いおんねん。『は?』、なんのことか分か れへんがな。テレクラか何かでひっかけた女かな?とかいろいろ考えたが な。『どちら様でしたっけ?』って聞いたら、『2年ほど前に』言うん や。嫁はん居る前でよお、『テレクラで』なんて言われてみい。めちゃく ちゃヤバいやんけ。『人違いでしょう』ってごまかしたがな。そしたら、 『2年前にも救急車で運ばれてきましたね』って言われたがな」 「あっ!あの時ですか!酔いつぶれて、僕が救急車呼んだ時ですよね」 「おう。あの時の病院や。俺、その前もあるんや。そん時も、救急車や。 看護婦に言われたがな、『酒iさん、いつも救急ですね』。めちゃくちゃ かっこ悪いがな。看護婦、笑いながら坐薬入れやがってよお。医者にレン トゲン撮られら、肺、真っ白やないか。レントゲン、バシバシ撮りおった がな。医者に『酒i君、真っ白けやぞ。君、死ぬぞ。入院や。こんなもん ほっといたらあかん』言われて、そのまま入院や。2泊3日や。土曜日に やっと開放されたがな。坐薬、ばんばん入れやがってよお。ただでさえ肛 門かゆい言うのに。悪化したがな。『痔ですので』って言われへんから、 坐薬入れさせとったんや」 「熱ひいたんですか?」 「おう!土曜日に熱ひいたがな!坐薬入れたからな。絶好調や。日曜も寝 てたから、完全復活や。完全復活!はよ飲みに行かなあかん!」 「さっき自粛って言うてたやないですか。また体こわしますよ」 「大丈夫!完全復活!社会復帰大会!おう、いつ空いてんねん?」 「いつでもいいですけど、大丈夫ですか?また救急車で同じ病院に運ばれ ますよ」 「ええやんけ!リピーターや!会員割り引ききくんや!1割り負担のみ! 1割りオンリーや」 「それ、会員割り引きじゃなくて、保険がきいてるだけです」 「ええやないか!社会復帰大会や!緊急入院シリーズ!」 近々、4度目の緊急入院が実現しそうだな。
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