今のコバ*シ


昨夜、S藤と二人で京橋で飲んでいた。
飲み会の帰り、二人で軽く二次会に行こうという話になった。
10時頃だった。携帯電話を見ると、「おっ、留守電入ってるわ」
留守電を聞くと、
「コバ*シでえす!後で電話しまあす!」
「コバ*シからや。そう言えば、あいつ、今夜東京から新幹線でこっちに来るって言ってたなあ。明日朝一に大阪の客先に行くらしいわ。明日の晩、一緒に飲みに行くんや。S藤も来るか?」
「行きたいんですけど、明日は駄目なんです。一度コバ*シさんに会ってみたいです」
「会ったこと無いの?」
「ええ。噂だけは聞いてます。だけど、まだ会ったことが無いです」
「そっかあ。今日、早い時間に大阪に出てきてたら、会わせれたんやけどな。7時の新幹線に乗るって言ってたから、大阪には10時やな。そのまま河内長野の実家に帰るんや。10時半とか11時から飲んだら、終電無くなるしな。また機会もうけるわ」
「お願いします」
二人で馬鹿話をしながら飲んでいた。
「おう。小便してくるわ」
トイレで用をたし、席に戻ろうとドアを開けた。
「うげえええっ!」
S藤の悶絶の声が聞こえる。
目を向けると、
コバ*シが居るではないか!
コバ*シに首をしめられているS藤が、「だ.だれですかあ???」
「コバ*シでえす!おう、S藤。はじめましてやな。よろしく」
「コバ*シ!!!お前!!!どうしてん?!!!」
誰も、コバ*シに、我々がこの店で飲んでいるなどと伝えていなかった。
「だいたいお前の行動は分かるんや。I氏。どうせ、お前のことや、京橋で飲み直してる思ったんや」
「そやけど、お前。S藤と初対面やろ?」
「写真見たこと有る」
「お前。写真て... 万が一人違いやったら、どうすんねん?!知らん人の首しめて、言訳出来んぞ」「しめ殺す」
時計を見ると、11時。
「コバ*シ!お前、実家帰れるんか?!終電有るんか?!」
「ない」
「無いって?おい、どうすんねん?」
「カプセル・イン・京橋」
「...俺んちか?」
「あたり」
S藤を電車の有る時間の内に帰らせ、コバ*シと二人で12時過ぎまで飲んだ。
家に帰り、
「コバ*シ。シャワー浴びとけや」
「おう。わりいな」
「俺のシャツとパンツ貸したるわ」
「ええって」
「遠慮すんなよ。俺のちん毛つきや」
「いるかあ!ほんま遠慮してへん」
鞄からシャツとパンツを出した。
「なんで持ってんねん?お前、実家帰るんちゃうかったんか?」
「そんなこと言うたか?明日の分も有る」
「まさか、お前...」
「はみがきも有る」
「計画的か?」
「当り」
私の家に居候する気だったようだ。
「だけど、お前。俺がつかまらんかったら、どうすんねん?たまたま、あの店で飲んでたから良かったものの」
「先に帰る」
「先にって?」
「お前んち」
以前、私が酔っ払って、深夜家に帰り、電気もつけずに、スーツのまま、万年床にもぐりこんだ。何か居る。布団の中に何か居るではないか!
すぐに電気をつけた。
私の黒と白の唐草模様のパジャマを着たコバ*シが居た。
「お前!なんでや?!」
「おっ、お帰り」
そんなコバ*シ、勝手に上がりこんで、私の布団で寝るなど十分に可能性があった。
「携帯に電話せえ!来る前に電話せえ!」
「アホ!お前、電話かけても、出んやんけ!」
「しゃあないやんけ!まだ使い方分かってへんのや」
私は、携帯電話を使いこなす決意をした。

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