洋風居酒屋での会話
心斎橋の洋風居酒屋で飲んだ。 3軒目だった。 トーチュー、S光さん、K川さんとだ。 S光さんとK川さんは、酔っ払いトーチューに夜遅く呼び出された学生時 代の友人で、S光さんはモリタという建設関係の商社のナンバーワン営業 マン、K川さんはきんでんに勤めている。 きんでんは、就職活動で内定をもらい、飲み屋に連れ回され、監 禁されたので、非常に懐かしい社名だ。なぜ内定を断ったのだろう... 行ってれば良かった...少し寂しい気分にもなった。この3人、非常に スケベで、女のことしか頭に無いといったタイプ。S光さんとK川さんは 独身。32歳だ。この二人に聞くと、トーチューは非常に頭が弱く、おも ちゃとして愛用しているらしい。3人の会話を聞いていても、すぐにそれ がうかがわれた。 S光「トーチュー、お前、さっき電話してきた時に 言うてたやんけ。あれ、マジか?」 東中「おう!合コンか、任せとけ。巨乳や。目ぱっちりのボインボイン や」S光「ちゃうがな。あれや、あれ」 東中「ボイン嫌いか?」 S光「アホ!ボインの話してんちゃうやん。あれやんけ、あれ。子供」 東中「子供?」 S光「4人目出来たって話」 東中「おう... 出来たんや... どないしよう。生活出来へんがな うちの給料で子供4人も養えへん。なあ、I氏」 I氏「きついですね...」 K川「お前!またか!また出来たんか!」 東中「おう...どないしよう」 S光「どないすんねん?」 東中「分かれへん」 K川「お前、相変わらず毎晩やってるからやろ?」 東中「我慢出来へんもん」 K川「そこや!そこがあかんねん。お前な、我慢せえへんから、こんなこ とになるんや。ああ〜〜あ」 I氏「ゴムつけはったら?」 東中「アホ!結婚してんのに、そんなもんつけれるか!恥ずかしいやん け」I氏「?????恥ずかしいですか?」 S光「I氏君、まあええやん。ゴムは別として、こいつな、我慢出来へん のや。しゃあないやっちゃのお。トーチュー、例のあれ、あれ使え」 東中「例のって、あれか?100万か?」 S光「100万?」 東中「愛人欲しいから、お金ためてるねん。100万たまったで。デート でうまいこと金使わんようにしたら、結構長くもつで」 S光「ア〜〜ホ!愛人作る準備する前に次の子供の話や」 K川「ああ〜〜あ、お前、いつまでたっても...」 S光「100万はええわ。それは愛人用でええがな。トーチュー、あれや んけ。例の。分からんか?お前のおかんや。小遣いねだるんや」 東中「あっ!それか!えっと... あっ!あかんわ!兄貴が最近ねだっ とんねん。だから、俺の分まわってこおへん」 K川「ああ〜〜〜あ、お前んとこは兄弟そろって...」 I氏「ゴムつけはったら?」 S光「I氏君。それはええんや。ゴムは別として。トーチュー、お前、な んで毎晩すんねん?」 東中「だって、我慢出来へんもん。だけど、俺かって考えてるで。だっ て、子供が中学生とかになったら、お父さんとお母さんがエッチしてるの 見たら、ショックやん。だから、今の内に」 K川「ああ〜〜〜あ、お前...それまで何年あると思ってんねん?子供 が大きくなるまで、何人の子供が出来ていくと思う?」 S光「キヨちゃん。こいつ計算弱いから、あんまり難しいこと言ったん な」I氏「ゴムつけはったら?」 S光「I氏君。それはいいんや。ゴムは別として。トーチュー、お前、他 に資金源は無いんか?」 東中「う〜〜〜〜ん...」 I氏「ゴムつけはったら?」 S光「I氏君。それはええんや。ゴムは別として。トーチュー、お前、こ れからどうすんねん?」 東中「どうしよう?」 I氏「ゴムつけはったら?」 S光「I氏君。それはええんや。ゴムは別として。トーチュー、お前んと こ給料安いんやろ?」 東中「そうなんや。なあ、I氏」 I氏「ゴムも買えませんね」 バシッ!!!トーチューが思いっきり私の頭をはたいた。腕まわり50c m以上の筋肉マンにはたかれた。眼球が飛び出そうになった。 東中「アホ!ゴムぐらい買えるわ!」 K川「じゃ、買えよ」 S光「ゴム買って、つけてやってたら、こんなことにならんかったんや」 東中「そうやったんかあ...」 S光「今頃気付いたんか」 K川「ああ〜〜〜あ、今頃気付いて、どうすんねん」 I氏「ゴムつけて下さい」 バシッ!!!トーチューに頭をはたかれた。 「なんで、そんな恥ずかしいことせなかんねん!結婚してんのに」 しばらくして、「すえちゃん。ええ店連れてってえな。女の子居る店」 S光さんが数軒名前を出した。全て知っている。うちの連中の誰かが行っ たことがある店ばかり。 S光さんが店名を出す都度、私がトーチューに解説をした。 S光「トーチュー!お前の後輩、何者やねん!俺より詳しいやんけ!」 I氏「いえ。僕が行くのは違うジャンルです。S光さんがおっしゃる店 は、友達の誰かが行ったことがありますので、内容は聞いて知ってます」 東中「ほんまか?まあ、ええわ。よっしゃ!次行くぞ!I氏!どっか連れ てけ!」 我々4人は、心斎橋の飲み屋街をうろついた。私が飲み歩いていた時代と は店が変わっていたり、店名が変わっていたり、なかなか分からなかっ た。 彼らの希望はキャバクラ。 若い女の子と飲みたいらしい。 「S光師匠。僕がうろついてた時代と変わってますんで、分かりません。 師匠のお薦めに行きましょう」 「それがあかんのや。この時間、もう開いてへんねん。お前、なんか分厚 い手帳持ってたな」 「これですか?」 いきなり取り上げて、 「こいつ!めちゃくちゃたくさん飲み屋知ってるやんけ!お前!はよ見せ んか!...ん?なんじゃ、これ?死体?クダン?」 「あっ、クダンですか。梅田の死体バーです。死体の写真見て飲む店で す」「トーチュー!こいつ狂ってるう!」 「師匠!僕は行ってませんよ!人から教えてもらっただけです!」 「ちょお待て!SM?!お前!」 「それも行ってません!教えてもらっただけです!」 「待て待て!女装!ホモ?!熟年ホモってなんじゃ!..レズまで有る ぞ!トーチュー!お前んとこの会社はどうなっとんねん!こいつ、狂って るう」 「師匠!落ち着いて下さい!ほんまに僕は行ってませんので!」 そこにK川さんが、こそっと、「I氏君.. 今度行こうよ」 名刺をそっと私のポケットに入れた。 「電話してね...」 今朝、名刺を見ると、携帯電話の番号まで書いてある。 我々は歩き回ったが、「これだ!」という店が見つからず、お開きになっ た。 私のことを気違いだとわめいていたS光さんは別れ際に、 「I氏君。合コン好きか?」 「はい。好きです」 「じゃ、今度呼ぶわ。電話番号くれ」 私は、携帯電話を持っていないので、自宅の番号を書いた。 「おい!自宅やんけ!携帯の番号教えろや!」 「携帯持ってないんです」 「トーチュー!こいつ、狂ってるう!携帯も無い言うとるぞ!トーチュ ー、お前でも携帯ぐらい持ってるよなあ」 「だから、ゴム買う金無いんですか」 眼球が飛び出したとあきらめたほどの怪力で頭をはたかれた。 とりあえず、4人息統合したので、電話番号を交換しあい、合コンの連戦 をする約束を交わした。 1回目のセッティングは私の担当だ。 どんな合コンになるのか、それは分からない。ちなみに、S光師匠は、脱 ぎ癖があるそうだ。32歳、独身。師匠の脱ぎっぷりを期待しよう。
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